メニュー:ストーブ開発の経緯:概略説明;下部燃焼室(引き出し式囲炉裏);水性ガス反応;炎の特徴;完全燃焼に近づけるための旋回流;煙突シングル煙突で十分(このページです);オプション:水性ガス反応は江戸時代後期に既に発見実用化されていた:報道機関からの記事:油圧ジャッキ式15トン全手動式薪割り機:煙突を設置するときの注意事項:トップに戻る
これまでのストーブの煙はほぼ100%が二酸化炭素ですが、煌 の煙は水蒸気が33.3%、二酸化炭素が66.7%となっています。ここに、煌 が、なぜシングル煙突でOKなのか?と言う秘密が隠されているのです。
警告!! ここから話が少し難しくなります。
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大気(空気)は、窒素(N2)がおおよそ80%と酸素(O2)がおおよそ20%でできています。と言うことは、気温20℃(標準状態)のとき、0.8×N2 + 0.2×O2 = 0.8×28 + 0.2×32 = 28.8 が見掛け上の空気1モルの比重量になります。従来のストーブの煙はほぼ100%が二酸化炭素(CO2)ですから、その比重量はC + 2×O = 12 + 2×16 = 44 になります。比重量が28.8 以下ならシングル煙突で排気できますが、44では28.8以上ですから排気は困難になります。ところで、気体は温度が1℃上昇すると体積が1/273ずつ増えて膨張します。比重量44の気体でも温めることによって、28.8より軽くすることができます。二酸化炭素(CO2)の場合、どのくらい温めれば良いのか計算してみましょう
28.8 ≧
44÷(1+X/273)
を 満足するXを求めれば良いのです。
答えは、X
≧
144.08 になりました。
すなわち、20℃+144.08℃=164.08℃以上に二酸化炭素を温めると、空気より軽くなって煙突の中を上昇して行けることが分かります。
二重煙突を使う理由は…
もう説明するまでもないでしょう。煙を軽くするために164.08℃以上に保温するためなのです。部屋の暖房に全ての熱を使えないんですね。勿体ないですよねぇ?…で価格ですけど…安いもので1m当たり1万円、高価なものでは3~5万円ですから、煙突工事代金がストーブと同じか、それ以上になってしまいます。春には、詰まった煙突の掃除をしなければなりませんが、業者に頼むと5万円が世間相場になります。二重煙突の掃除はプロに頼んだ方が無難です。
煌 の 場合には…
煙の33.3%が水蒸気(H2O)で66.7%が二酸化炭素(CO2)ですから、0.333×18 + 0.667×44 = 35.342 が見掛け上の比重量になります。煌 の煙の温度は約120℃ですから、標準状態より100℃高い温度と言うことになりますから、排気されるときの見掛け上の比重量は、次の計算により、 35.342÷(1+100/273)
= 25.87 になります。これは28.8より十分小さい値ですから、放っておいても煙突の中をグングン上昇して排気されます。と言うことで、煙突を保温する必要がなく、煙突が詰まりづらいんです。シングル煙突はホームセンターで売っているもので十分で、φ106×長さ1m程度のものが850円くらいで売っています。10mの煙突を立てたとしても8,500円もあれば十分と言うことになります。壁に穴を開けたり、煙突を留め金具で留めたりする工事は二重煙突と同じですが、材料費が格安(二重煙突の工事が40万円とすれば、シングル煙突の工事代金は3~5万円)になります。煙突掃除も一人でできます。
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