岡谷市の「郷土学習館」紹介


郷土学習館は地域の人々の手で開設されました
郷土学習館の沿革
 郷土学習館は、地域の人々の熱意により建てられ、運営されている学びの館(やかた)です。本館のモットーは「学びて 道を拓く」・・・郷土の優れた先人の生き方に学び、人間としてよりよく、望ましい生き方を問い直す・・・生涯をとおして学び続けるための館です。
 平成11(1999)年4月にオープン、同年9月、特定非営利活動法人(NPO)の認証を受けました。当館の設置案は、平成9年4月に開催された県宝旧渡辺家住宅・保存協力会の総会において提起され、全会一致で採択されました。運営委員は地域の方々30名ほどで構成し、館長を中心に研究委員12名が年間計画に基づき学習活動や文化活動を推進しています。

 私たちは、我が郷土から明治維新政府に参画し近代日本の建設に尽くした渡辺千秋、国武兄弟と、その子、千冬の業績を調査するにつれて、勉学に励んだ若き日々、知識と人間力を発揮して多くの人々のために積極的に尽くした実践力、郷土への愛情などに深い感銘を覚えました。この「渡辺三大臣」と呼ばれる千秋・国武・千冬について、ぜひ皆様とともに学びを深めたいと思います。、
 また、渡辺三大臣が生まれる以前の我が郷土には、江戸時代の人々の病を身分の分け隔てなく治療して歩いた医聖永田徳本や、私財を投じて汐(せぎ=農業用水)掘削事業を行い郷土の発展に貢献した武井五兵衛などの偉人がいます。未来に続く新たな道を切り開くために、私たちと共にこうした先人を知ることを通して学び、考え、行動しようではありませんか。
 日本の現代社会は急速な変化を経験し、物的生活は向上しましたが、人の心の大切さは忘れがちで、凶悪犯罪やテロ行為の発生、貧富の差の拡大、寛容さに欠ける理不尽な差別、持続不可能な生産・消費・廃棄、ともすれば平和の重要性までも忘れがちな日常など国の前途も世界の未来も危惧される状況です。ささやかではあっても粘り強く、心豊かで思いやりのある社会の実現に向けた生涯学習の活動に取り組もうではありませんか。賛同される皆様のご参加、ご支援、ご協力をお願いいたします。




      
        


展 示 室 ・ ロ ビ ー
 ロビーと展示室には、近世から近代にかけて、日本の発展のために、あるいは、地域の人々の幸せのために、身を投じて働いた人々の資料を展示しています。





明治維新直後から新政府に参画し
西南役時の鹿児島県知事や宮内大臣を務めた渡辺千秋
伊藤博文内閣などで大蔵大臣を務めた渡辺国武
国武の子で司法大臣を務めた渡辺千冬
この3人を郷土東堀村が輩出した三大臣と呼んでいます

千秋・国武の父親である諏訪藩士渡辺斧蔵
製糸業を発展させた渡辺元得
そのほか渡辺家関係の人々の業績

江戸時代初期に医聖といわれ東堀に住んだ医師、永田徳本
天明飢饉のあと農業用水路開鑿で貢献した武井五兵衛

学 習 室 ・ 資 料 室
学習室は子どもたちや大人が集まり、お話を聞いたり、学びあったり、郷土の伝統や文化を語り合ったりします。
 子どもたちが楽しみにしているのは「おはなしの森」・・・保育園にでかけ、絵本の読み聞かせ、わらべ歌、紙芝居、手遊び、人形劇などもします。また、子どもたちのためには伝統文化に触れていただく「わくわくクラブ」、習字教室「わくわく塾」などもおこないます。
 学習室は地域市民が郷土の歴史、文化、自然を学ぶ生涯学習の場です。「市民講座」や「拓道塾」の講演会ほかに、古文書読解に親しむ「やまぼうしの会」、時事問題について考える「時の問題を語る会」、人生を豊かにする本と出合える「読書会」、地域に出かけて学ぶ実地見学などの催しを行っています。