画像:勢至菩薩像
法隆寺大宝蔵殿、木造、白鳳時代?
原色日本の美術第二巻『法隆寺』
久野健、
小学館、昭和41年
法隆寺、勢至菩薩像
− 漆箔というコーティング
台座までクスノキの一本造りで、その上に漆
を塗り、金箔を置く。当初のままの漆箔(しっ
ぱく)である。
金堂の完成時(680AD頃?)に橘寺より移入
されたらしい。
1160年より金堂中央の大厨子へ。
三面頭飾は麻布を使った乾漆。
頭髪は群青。
目は墨で瞳を描く。
光背は後補の宝珠。
実に美しい像だが、惜しいことに漆箔の剥落
が進行している。全面的な修復作業により目の
覚めるような美しい像に変身することだろう。