【日韓】 民主議員「恩返ししたい」 〜「地方参政権」

法案を来年通常国会に提出すると約束

[10/28]2009/10/31

大阪本部懇談会 「通常国会で」と民主側

45回衆議員選挙(8月30日)から2カ月。

永住外国人への地方参政権付与に賛同する候補者を支援した民団は、当選した推進派の新人議員を中心に、規模の大きい会合あるいは個別面談の形式で親交を深め、選挙運動支援を通じて培った連携の強化に取り組んでいる。

【大阪】民団大阪本部は17日、大阪韓国人会館に民主党大阪府連の衆院議員15人、同参院 議員2人を招いて、早期付与実現に向けた政策懇談会をもったのに続き、約500人が参加する 当選祝賀懇親会を開いた。

金漢翊団長は「総選挙で民主党は17人全員が当選した」と称えた上で

「地方参政権は義務を果たし、地域に貢献している同じ住民としての権利だ。

いっそうの貢献のためにも不可欠」と訴え、 早期付与に理解と協力を求めた。

参席議員全員がスピーチを行い、「しっかりやって恩返ししたい」

「人権を守るためにも必ず」「指紋押捺撤廃の時も頑張った。地方参政権でも期待に応える」など力強い発言が相次ぐと、会場は熱気に包まれた。

議員側を代表した中野寛成衆院議員は、「人権後進国ではなく、人権発展国として

この問題こそ解決されるべきだ」とし、「議員立法ではなく政府案として

来年の通常国会に提出する。 友愛・共生の精神で、力をあわせよう」と呼びかけ

ひときわ大きな拍手を浴びた。

大阪府連以外からも、川上義博参院議員(永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員
連盟事務局長)と白真勲参院議員が駆けつけ、「来年の通常国会でやる」と約束。

川上議員は特に「皆さんに約束し、ウソをついたら、ウソ政党になってしまう」

と並々ならぬ決意を表明した。

根強い慎重論に対応

永住外国人への地方参政権付与問題をめぐっては、政府や与野党の首脳から

総選挙後も 前向きな発言が相次いだ。

鳩山由紀夫首相が9日、韓日首脳会談後の共同記者会見で「前向きに結論を出したい」と
歴代首相として初めて強い意欲を示したほか、民主党の小沢一郎幹事長が9月19日、李相得 韓日議員連盟会長との会談で、「何とかしなければならない。(来年の)通常国会で目鼻を つけたい」と改めて表明、公明党の山口那津男代表も同26日、「これまで独自に(付与)法案を提出した経緯もある。次の国会で法案を出したい」と言明した。

政府と与党の首脳が積極姿勢で揃い踏みした例はこれまでにない。野党・公明党が不動の
姿勢を再確認した意味も大きい。地方参政権付与への距離は目立って縮まった。しかし
その分、反発の声も強まっている。
鳩山首相が記者会見で「国民の感情、思いが必ずしも統一されていない。それを統一する
ために内閣として議論を重ね、政府として結論を見い出したい」と語ったのも、野党・自民党
支持層ばかりか政府部内や民主党内の一部にも反対論がなお根強いことの反映だ。

党論として地方参政権付与を掲げている民主党にあって、総選挙当選者のうち143人が新人で、この大半が推進派と目されているものの、理解度や覚悟は必ずしも十分とは言えない。

地方参政権獲得運動本部(本部長=鄭進中央団長)では、「状況が煮詰まるにつれ、賛成・
反対・中立など各議員の立場をきめ細かく確認し、賛成の意思表示をしていても、妨害を排してでもやる覚悟があるのかないのか、見極める必要がある」とし

「確固とした賛成議員を上積み
するためにも、新議員を中心に多様な方法で働きかけを強化する」との方針だ。