外国人参政権とは




一応、公平な立場とされ、世界一の発行枚数を
誇る読売新聞の社説を見てくれ


社説:外国人参政権 地方に限っても禍根を残す

(読売新聞
/2009/10/10


 地方選挙に限るとしても
外国人に参政権を認めることは

憲法の規定や国のあり方という観点から、問題が大きい。

鳩山首相が、ソウルでの日韓首脳共同会見で、永住外国人への
地方選挙権付与について

「私個人の意見としては、前向きに結論を出したい」と述べた。

 韓国側の記者の質問に答えたもので、首相は
「国民感情は必ずしも統一されていない」とも付け加えた。
日本国内の議論が割れていることを意識したのだろう。

 民主党は、1998年の結党時の基本政策に
永住外国人への地方選挙権付与の実現を掲げた。
首相のほか小沢幹事長や岡田外相など推進派が少なくない。


選挙権付与に積極的な論者が根拠とするのは、在日韓国人が
地方選挙権を求めた訴訟での95年最高裁判決だ。
傍論部分で、憲法上は禁止されておらず
国の立法政策にかかわる問題としている。

だが、判決の本論は、国民主権の原理に立って
憲法15条の公務員を選定・罷免する権利は、日本国籍を持つ
「日本国民」にあると明示した。
93条の地方自治体の首長・議員を選出する「住民」も
日本国民を指すとしている。


法的拘束力のない傍論だけを根拠にするのは強引過ぎる。

外国人に地方選挙権を与えて、地域住民への公共サービスに
外国人の意見を反映できるようにしてよいのではないか
という主張にも無理がある。
地方自治体は、国の基本政策に関する問題にも密接にかかわるからだ。

武力攻撃事態法や国民保護法は有事における
国と自治体の協力を定めている。
日本に敵対する国の国籍を持つ永住外国人が選挙を通じて
自治体の国への協力を妨げることもありえよう。


韓国は2005年に在韓永住外国人に地方選挙権を付与した。
だが、在韓日本人で選挙権を付与されたのはごくわずかだ。
日本の永住外国人は約42万人に上る。
韓国が認めたのだから、という議論は成り立たない。

韓国は今年2月、在外韓国人に国政選挙権を与えた。

日本が地方選挙権を認めれば、在日韓国人は、韓国で
大統領や国会議員に投票できるうえ、日本でも
知事や市町村長、地方議員に投票できるようになる。
そのような二重選挙権を認めてよいのか、という議論も出てくるだろう。

 外国人が参政権を望むなら、やはり、日本国籍を取得するのが筋だ。
拙速な判断で、将来に禍根を残してはならない。

200910100119 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091009-OYT1T01269.htm






【社説】 「民主・小沢氏の『外国人参政権、来年実現』看過できない。

中韓など、日本政府と違う主張を地方から浸透可能に」
読売新聞
2009/12/15
・憲法の規定からも、国のあり方に照らしても
外国人に地方参政権を認めるのは問題がある。

 民主の小沢幹事長が訪問先の韓国で、「政府提案で出すべきだ。
鳩山首相以下、政府は同じように考えている」と
述べ
「来年の通常国会には現実になるのではないか」との見通しを示した。

だが、民主党にも絶対反対を唱える議員が少なからずいる。

亀井金融相も反対派だ。
1995年の最高裁判決は
国民主権の原理から
憲法15条による公務員を選定・罷免する権利は
日本国籍を
持つ「日本国民」にあると明言した.93条の地方自治体の
首長や議員を選挙する「住民]も「日本国民」を指すとした。


地方自治体は、安全保障や教育政策など国の基本政策にも
密接なかかわりを持つことが多い。一方で、日本の
近隣諸国とは
主張の違いや摩擦が厳然としてある。

例えば、韓国は竹島の不法占拠を続けるほか
日本海の呼称を認めず「東海」と改めるよう世界各国に
働きかけている。
中国は、尖閣諸島の領有権を主張し、沖ノ鳥島についても
排他的経済水域を認められない
「岩」だと訴えている。
台湾有事の際に最前線基地となる在沖縄米軍基地も
中国は縮小・撤去が望ましいと
思っていよう。

永住外国人に地方選挙権を認めれば北朝鮮、韓国、中国などが
自国出身の永住外国人を通じて、日本政府の方針とは異なる主張を
地方から浸透させようと影響力を行使できる余地が生まれる。

朝鮮総連幹部は北朝鮮の国会議員を務めている。
韓国は今年2月、在外韓国人に国政選挙権を与えた。

日本が地方選挙権を付与すれば、在日韓国・朝鮮人だけに
「二重選挙権」を認めてよいのか、という議論も
出てくるだろう

韓国は、以前から在日韓国人への地方選挙権付与を日本に求めてきた。
しかし、日本への働きかけを
強めれば、「内政干渉」との反発を呼び起こし
いま以上に議論を複雑にさせる恐れがある。

 あくまでも日本の国内問題であることを忘れてはなるまい。
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20091214-OYT1T01111.htm






以下は著名な憲法学者の論文です、詳細については、目次の・憲法解釈・で見てください
【政治】外国人参政権導入は憲法に違反
 しかも日本の安全保障に重大な害を与える危険な法案です
長尾 一紘/中央大学法学部教授  2010/02/17

■1,
国政と地方政治の区別
外国人の地方選挙権の問題につきましては学説は
これを認めてもよいとする見解(許容説)と
これを導入すれば憲法に違反するとする見解(禁止説)があります。

私はこの度この問題について論文を書いて、これまでとってきた
許容説が誤りであることを認め、禁止説が正しいということを
明らかにしようとしました
なぜ学説を変える必要があったのか。
この点について述べることにしたいと思います。

学説変更が個人的な心境の変化などではなく
日本の位置する国際環境の変化、
そして日本人の国家意識の
欠如の認識にもとづくものであるからです
もともと、国政選挙は
許されないが地方選挙ならば許されるとの見解(許容説)は
国政と地方との切り離しが可能であることを前提としています
ところが、この数年の間にこの切り離しができないことが常態になっています。




■2,
在日の二重の選挙権

まず日韓問題をみることにしましょう。
昨年2月に韓国では選挙法が改正され
在日の方々は
日本にいながらにして大統領選挙

そして国会議員比例選挙の投票権をもつようになりました。
そして韓国内で居住申告をすれば
国会議員選挙区選挙の投票権のみならず

地方選挙の選挙権、被選挙権をももちうることになりました
しかも、居住申告は、日本における住民登録を
そのままにして行うことができます。

永住資格を失うことなく居住申告ができるのです

現在居住申告者の数は6万人を超えるといわれております
このようなことは、在日の方々が
韓国の国民である以上喜ぶべきことであると思います。
しかし、日本の選挙についても選挙権をもつということになると、

話はまったく別になります。在日の方々は、二重の選挙権をもち
日本の一般国民よりも、

より高い有利な地位に立つことになります。
これよりも重要なことは、忠誠の問題です





3,対馬は韓国領?

韓国人は、憲法上、国家に対する忠誠が要求されております
国防の義務が国民に課されており、 徴兵制度がとられております
日本と韓国の国益が対立する場合、韓国人はこの忠誠義務にしたがって
行動することになります。
日韓の国益が対立する事態において、在日が
日本の選挙権を行使する場合
韓国の国益のために投票するのでしょうか
それとも祖国を裏切るという道を選ぶのでしょうか。
このような事態は、いま現実の問題になっています。
数年前から、韓国において対馬は韓国固有の領土だ
日本はこれを不法占拠している、とする声が高まっています
昨年来、50名の国会議員が
「対馬返還要求決議案」を提案しようとしております
この案は、現在外務関係の小委員会に付託されているそうです。
馬山市議会では
数年前に「対馬の日」をもうけております。
対馬問題についての世論調査では
約半数が
韓国領土とみているといわれています。
対馬には連日多数の韓国人が
来島し、不動産を多数購入しております。





4,過ぎたるは及ばざるがごとし

韓国政府は、選挙対策上も、日本に対して
強い態度をとらざるをえないのが実情です。
いずれ、対馬問題が日韓の重要な外交問題に浮上するものと思われます

北方領土や竹島、尖閣諸島などの問題で、日本領土であることは
まったく明白な事実であるにもかかわらず、常に後退を繰り返してきた
歴代政府の失政のつけが回ってきました。
ついでにいえば、対馬のつぎは、沖縄ではないかとの声も聴かれます
日韓問題に話を戻せば、対馬市の有権者は、約3万人です。
市議会議員の最下位は
685票です。
外国人の選挙権が導入されれば、対馬を韓国領土だとする議員が
数名は当選することに
なるでしょう
国際平和は、隙を作ることによって破綻します。
友人を同居させ、家族会議にも同席させて発言権を認めるようなことをすれば、必ず友情は破綻します
相手方に無条件の譲歩を重ねることが友情の絆に なるわけではありません
外国人の選挙権は、自分のファミリーの家族会議に友人の参加権
決定権を
認めることに等しいということに留意する必要があります





■5,EUは参考にならない

EU諸国の例はまったく参考になりません。
ドイツの例をみることにしましょう。

EUにおいて、構成国相互の地方選挙権保障が決定されたとき
ドイツ政府は
大変困りました。外国人の選挙権導入は
民主主義と国民主権に反することから憲法に違反する
というのが通説の立場であり、また連邦憲法裁判所の立場でもあるからです
民主主義は、国民の自己統治を要求します。
国民主権は、国政の決定権は国民のみに属することを要求します。
ドイツは、やむを得ずして憲法改正をしました。

憲法改正後の現在でも、EU市民以外の外国人に選挙権を与えることは
憲法に違反するとされています。
ちなみに、フランスも、憲法改正を必要としました
日本におきましても、憲法が改正されない以上、外国人に地方選挙権を
与えることは違憲であるとみるべきです(国政選挙権については、

憲法改正そのものが不可とされております)





6,外国人選挙権の問題は安保問題である

外国人の選挙権問題は、在日問題から、日中問題に重心を移しつつあります
中国人永住者は、現在、約14万人おります。
1年間に約1万人づつ増加しております。
在日韓国人との間で数が逆転するのは、単純計算でも17年後です
実際にはずっと近い将来に逆転するものと思われます
外国人選挙権が導入されると、対馬と同様の問題、さらにいえば
比較にならないほどの深刻な問題が日中間に生じうることになります。
日本最南端の与那国島でおこなわれた
町長選挙では
自衛隊誘致が主な争点でしたが、
当落の票差はわずか103票でした。
沖ノ鳥島について、中国は岩礁にすぎず日本の領土とは認められない
としております。この島は小笠原村に属しますが

この前に行われた村長選挙では、得票は713票でした
外国人に選挙権が与えられた場合、このような地方に外国人が移住し
選挙を
左右する事態が生じうることは容易に予測することができます
日中の間において友好関係を維持するためには
最低限度の距離をとる必要があります。
過剰の優遇は、多くの場合友情を破壊するという結果をもたらします
家族会議のメンバーに友人を加えるような愚は、さけなければなりません。
いたずらに対立と緊張を高めるだけのことです
外国人選挙権法案は、日本の安全を危機にさらすだけでなく
国際平和を害することになります





■7,地方が国政を決定する

いまや地方選挙の結果がそのまま国政を左右する事態になっています
沖縄の名護市の選挙では基地反対派の市長が当選しましたが
鳩山総理は
この住民の意思を尊重する旨の発言をしております。
日本の安全保障の問題は、国政の根本問題です
国政の根本問題が自治体選挙の結果如何によって左右 されるという事態は
原則的にあってはならないことです。
1000名程度の住民が日本の国政の
基本問題を決定するという事態は
議院内閣制本来の趣旨からも問題です
このような事態は、国家意識の欠如、防衛意識の欠如という
特殊日本的な現象からきております。
このような日本固有の特性は、近時ますます顕著になっているようです
他の国において明確に区別されうる国政固有の問題
(軍事、外交、領土などの問題)と地方自治体レベルの問題が
日本においてだけ区別されえない事態に
なっております。
このような事情が続くかぎり、地方選挙への外国人参加は、結果的に
国政そのものに
外国人ないし外国が重要な影響を及ぼすものとして
国家主権、国民主権、そして民主政治の原理に

反するものとされなければなりません





8,外国人に対する公約

ちなみに、外国人の背後に外国政府の意志が働いていることは

決して珍しいことではありません。
民団は、在日韓国人の組織ですが、その運営費の6割から7割が
韓国政府の補助金によるものであることは周知のとおりです。
したがって、民団の選挙権要求は
韓国政府の要求でもあります。
民主党の民団に対する選挙権実現の公約は

外国政府への公約ということになります。
いうまでもなく、公約は、
通常の国では国民に対してのみおこなうものです
日本における国家意識の欠如は異常の事態に達しているといわねばなりません
民団がこれに対応して昨年の選挙において、組織をあげて民主党の
選挙運動に取り組んでおります。
ちなみに、韓国では
外国人が選挙運動に参加すれば
懲役3年以下の犯罪として罰せられます
外国人の選挙権については、数え切れないほどの問題点がありますが
スペースの都合もあり、在日問題、日中問題のみに絞りました
これだけでもいかに危険な法案かということがおわかりかと
思います。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20100215.htm







外国人参政権が国民生活を壊す/山田 宏(杉並区長)

Voice212() 1748分配信 / 国内 - 政治


教科書採択への外国人の猛抗議

 111日、政府・民主党首脳会議の場で
永住外国人に地方参政権を付与する法案を
この通常国会に提出するという方針が決定された。
報道によれば、この会議の場で民主党の小沢一郎幹事長が
「日韓関係を考えると政府がやるべきだ」と主張し、この法案は
議員提出ではなく政府提出法案として
準備が進められることになったという。


むろん民主党内にも、この外国人参政権問題について根強い批判があるし
連立を組んでいる国民新党の亀井静香代表も反対の姿勢を示しているから
法案の行方はいまだ固まったものとはいえないが、しかし万が一
この法案が可決するような事態となれば、間違いなく
国民生活を大きく侵害する危険性をはらんだものになるばかりではなく
将来的に、日本の在り方に深刻な影を落とすものとなるだろう。

有権者のなかには、今回の問題を聞いて
「地方参政権ぐらいなら永住外国人に与えてもいいのではないか」
と考えている人も多いようである。だが、これはそう簡単な問題ではない。


 まず、私自身が経験したことをお話ししたいと思う。
2005年、杉並区が扶桑社の歴史教科書を採択したときのことである。

いずれの国であれ、自国の国民の子弟の教育内容は
その国の国民が責任をもって決めるのが当然である。
どの教科書を選ぶかも国民の重要なテーマで、小中学校の場合
それは市町村の教育委員会の権限になっている。その権限に基づいて
杉並区の教育委員会が扶桑社の歴史教科書を採択するのではないかと
マスコミで報じられるや
全国の民団(在日本大韓民国民団)から抗議の手紙が殺到した。
全国各地の民団の各支部から続々と舞い込んできたのである。
どの歴史教科書を採択するかは民団が強く関心をもってきたテーマであり
彼らの主張する歴史認識に反する教科書を
採択しないよう強く求めてきたのだ。

そればかりではなく、杉並区議会でこの教科書採択のことが質問に上ると
民団の関係者と思しき人びとが大挙して傍聴に訪れて傍聴席に陣取り
大きな声で野次を続けた。
議会の傍聴席でそのような行為は禁じられており
議長も注意をするのだが、どんなに注意されようとも意に介さない。
さらに、区長室の前にも多人数で押し掛け
シュプレヒコールを繰り返したのであった。


もし、外国人参政権が付与されていたらどうなっただろうか。
外国人が区長や区議会議員に対する選挙権をもつようになり
そのうえであのような激しい抗議活動が行なわれたとすれば
与野党を問わず、彼らの顔色を窺おうとする議員が出てきただろう。
また、たとえばルール違反の抗議活動を排除しようとした場合
これまでならば
「日本人が責任をもつべき教育の内容について
このような干渉をするのは失礼ではないですか」
と主張することもできたが、外国人参政権が認められていれば
「同じ有権者なのに、われわれを日本人と差別するのか」
という話にもなりかねない。


 これは歴史教科書に限った話ではない。
道徳や倫理、公民の教科書についても、たとえば外国の一定の勢力が
日本の各自治体に圧力をかけ、自分たちに都合のよい
教科書を採択させることが可能になるのである。


さらに教育についていえば
いま市区町村が独自に教師を採用することが
認められるようになった。
杉並区では「杉並師範館」という教師養成塾を設け
外部から講師も招いて
独自のカリキュラムに基づいて教育を行ない
すでに第
3期生までで71名の卒塾生が
実際に杉並の学校に配属されている。
もし、外国人参政権によって外国人勢力が
このようなプログラムに圧力をかけられるようになれば
教科書ばかりではなく、教育の根幹である教員育成にまで
大きな影響力を行使できるようになるだろう。


あるいは学校に対して直接、圧力をかけることも考えられる。
最近、教育現場ではモンスター・ペアレントも問題になっているが
もし外国人勢力が自分たちの歴史観や主義主張に合わないような
教育をする先生や学校運営に対して抗議活動を始め
それを「有権者として市長や区長に報告する」と言い募れば
校長や先生は深刻な圧力を感じざるをえない。
そんなことも日々起こりかねないのである。


誤解してもらっては困るのだが、私は、ルール違反の抗議活動は
断じて許されないと考えるが、外国人が自国の歴史観に誇りをもち
それを主張すること自体はごくごく当たり前で
問題だとは考えていない。


そもそも歴史とは、どの立場から見るかによって
まったく異なるものである。
戊辰戦争をどう見るかということ
1つをとっても
会津と長州とでは見方がまったく異なる。
日本国内ですらそうなのだから、ましてや外国の人たちが
自国の歴史に誇りをもち、自国のために行動をすることはありうるし
それが時と場合によっては日本人の考えと衝突することがあるのも
ごくごく当然のことなのである。


むしろ、それが当たり前のことであるからこそ、そのような外国の方々に
日本での
1票を与え、公権力を左右できる力を与えることが
本当に正しいことなのかどうか、ということが問題になるのである。
ここは真剣に考えなければならない問題である。


対馬が韓国領になる日?

前提として理解しておかねばならないのは、都道府県であれ市町村であれ
地方自治体は国の統治機構の一つであり、地域を通じて国政に
大いに影響力を発揮する立場にあるということである。
先般の名護市長選挙は、まさに象徴的な事例だろう。
普天間基地の辺野古移設に反対する首長が選出されたことで
今後日本の安保政策は大きな転換を迫られるであろう。


ほかにも、たとえばある地域に原子力発電所を建設するとき
電力会社や国は、その自治体の知事や市長、議会などと
交渉しなければならない。建設にあたって、最終的に決定権をもつのは
都道府県や市町村だからである

このとき外国人参政権が認められていれば
ある特定の意図をもった外国人グループが
原子力発電所の建設候補地に住み、参政権を背景に
一定の影響力を行使することも考えられる。
とくに原子力発電所の候補地となるのは、たいてい小さな市や町だから
小さなグループでも大きな影響力を発揮しやすい。
資金力のある組織なら、なおさらである。


外国船の入港できる港湾に関する権限も、都道府県と
政令指定都市がもっている。
これは自衛隊の施設やアメリカ軍基地の利用などにも通じる話であって
外国人参政権があれば、「米軍の艦船の入港を認めない」
といった反対運動も起こしやすくなる。


ましてや対馬のように、韓国の一部の勢力が
「対馬は自国領土だ」と主張しているケースもある。
対馬市に在日韓国人が大量に住民票を移し、自分たちの代表を
多数市議会に送り込んで「対馬は韓国領だ」などという決議を
成立させたらどうなるか。
あるいは、尖閣列島をその市域に含む石垣市に中国系の永住外国人が
大挙押し掛け
「尖閣列島は中国の領土だ」という決議を行なったらどうであろう。


もちろん、そのような事が起こったからといって
いきなり領有権を左右する具体的な問題に直結するわけでもないだろうが
こういうものはボディブローのようにじわじわと効いてくる。
気が付くと、対馬や尖閣列島が日本領ではなくなっていた
ということも起こりうるのだ。


対馬市も石垣市も、いずれも人口
3万人から4万人ほどの市だから
このような事も、まったく想定できない話でもない。
なにしろ、現時点でたとえば特別永住者
(戦前は日本国籍を有していたが
戦後、サンフランシスコ講和条約により日本国籍を離脱した者。
在日韓国・朝鮮人および台湾人が主たる対象だが、現在、大半は
韓国・朝鮮籍)が
42万人
一般永住者が
50万人弱(うち中国人が約14万人)いるのだ。
法務省の平成
20年末現在における
外国人登録者統計についての発表によれば
特別永住者の数はその前年に比べ
9924人減少しているが
一般永住者は前年に比べ
52299人増加している。

このように書くと、「それは極論であって
全体の有権者数に占める永住外国人の数は限られているのだから
影響力は高が知れているのではないか」と考える人もいるかもしれない。
だが、忘れてはいけないのは、市長や知事は
いわば
1選挙区1人の小選挙区にいるようなものだということである。
小選挙区の政治家は反対に弱い。
なるべく全員を満足させるような政策を打ちやすく
外国人に参政権があれば、彼らの意見を公約や
マニフェストに踏まえるケースも増えるはずだ。


さらに、基地の受け入れなどの問題は
反対と賛成で意見が真っ二つに分かれる場合も多い。
たとえば、名護市長選挙の結果も、基地反対派の稲嶺進氏の得票が
17950票に対し、推進派の島袋吉和氏の得票は16362票。
その差は
1588票であった。
わずか数千票が、結果を正反対に変えてしまうことも
けっして考えられないことではないのである。


とはいえ、先ほど、一般永住者が
1年間で
およそ
5万人増加したと紹介したが
今後ますます日本に永住を希望する外国人が増えることも想定される。
外国人が増えれば、当然そのコミュニティができてくるだろうし
そのコミュニティをどのようにわれわれの社会と融和させるか
という問題も起きてくるだろう。
すでに現在でも、地域によっては
そのような問題に直面しているケースもあると聞く。


たしかに、外国人が多数住むようになれば
彼らをわれわれのコミュニティの外に置いておくのは
むしろさまざまな軋轢を生みかねないという意味からも危険であろう。
だが、いままで述べてきた背景から、安易に参政権を付与するのは
問題だと考える。
われわれが参考にすべきは、ドイツの事例ではないだろうか。


かつてドイツでも、外国人の参政権について議論が盛んに行なわれた。
しかし最終的には、
1990年に連邦憲法裁判所が
外国人参政権は違憲だという判断を下した。
ドイツ基本法第
202項に
「国家権力は、国民により、選挙および投票によって行使される」
という趣旨が定められており
外国人はここでいう「国民」に該当しないとされたからである。


その後、
1992年にEUの創設を定めたマーストリヒト条約で
「域内での外国人の地方参政権の付与」が規定されたのを受け
ドイツもマーストリヒト条約批准後に憲法を改正して
EU加盟国国民に限り外国人地方参政権を認めた。
だが、それ以外の外国人については、引き続き参政権は認められていない。


このような背景もあって、ドイツでは
各自治体に外国人評議会がつくられた。
この評議会の議員は参政権をもたない外国人
(つまり
EU加盟国以外の国籍の外国人)の選挙によって選出される。
そして彼らを通して、外国人の意見を市政に反映させ
コミュニティの融和を図る努力をしているのだ。


逆に、外国人に地方参政権を与えたケースとしてオランダがあるが
これによりオランダではイスラム系の外国人が
大量に参政権をもつようになり、その結果、地方コミュニティが
バラバラになって異文化対立が先鋭化するようになったといわれる。
やはり明確に線引きすることが重要なのだ。


日本人が外国で暮らすときに日本に誇りをもつのと同じく
外国人は外国人としての誇りをもって日本に住んでいる。
思考実験としてあえていうならば、たとえば日本とある国が
戦争状態になったとき、その国にアイデンティティをもつ外国人は
日本ではなく相手国に忠誠を誓い
その国に与して戦おうと考えるかもしれないだが
彼が外国人である以上、そう考えるのも自然なのである。
お互いの誇りを尊重するためにも、政治的に「他者」であることは
確保されるべきであり、だからこそ参政権は
外国人に安易に付与されてはいけないのである。


特別永住者も付与の妥当性なし

外国人参政権問題が議論されるときには、特別永住者の問題が
大きくクローズアップされることが多い。
たとえば小沢一郎氏は自身のホームページで次のように記している。


「主として永住外国人の大半を占める在日韓国・北朝鮮の人々は
明治
43年の日韓併合によって
その意に反して強制的に日本国民にされました。
すなわち、日本が戦争によって敗れるまでは
大日本帝国の同じ臣民でありました。
日本人としてオリンピックに参加し
日の丸を背負い金メダルを取っています。
また、日本のために多くの朝鮮の方々が日本人として
兵役につき,戦い、死んでいきました。
このような意味においては
英連邦における本国と植民地の関係よりも
ずっと強く深い関係だったと言えます。
私達はこのような歴史的な経過の中で
今日の問題があることを忘れてはなりません」


たしかに、このような意見もあるだろう。しかし、終戦後
在日韓国・朝鮮人は「強制的」に日本に留められたのではない。
日本政府は引き揚げ船を準備し
在日韓国・朝鮮人で帰国を希望する人は
朝鮮半島へ送り届け
終戦時に
200万人いた在日韓国・朝鮮人のうち
昭和
21年末までに約140万人が朝鮮半島に帰っている。

また、いまだ一部に
「在日韓国・朝鮮人は戦前の強制連行によって連れてこられたのだから」
という話を前提にする人もいるが
これはいうまでもなく問題を履き違えている。
そもそも厳密にいえば、朝鮮人の強制連行など存在しなかった。
戦時中、日本では昭和
14年に制定された国民徴用令に基づいて
軍需産業を中心に労働力確保のために徴用が行なわれた。
当初は朝鮮人への徴用令の適用は免除されていたが
戦局の悪化にともない昭和
199月より徴用されるようになった

当時は朝鮮半島も日本国の一部であり、小沢氏が文章に書いているとおり
同じ国民として戦ったのである。
なにも朝鮮の方々だけを強制的に働かせたのではない。
しかも、先ほど述べたように、いま日本に住む特別永住者は
朝鮮半島に帰国できたにもかかわらず
自分の意思に基づいて残った人々だ。
ある種の感情的な動機から、そのような特別永住者への
参政権付与を進めようというのは、妥当性を欠く

参政権を与える外国人として、在日韓国人・朝鮮人を中心とする
特別永住者だけでなく、国が永住許可を認めた一般外国人も含める
という議論もあるが、これに至っては論外で
特別永住者どころではない問題をはらんでいる。


とくに問題となるのが中国人で、一般永住者のなかに占める比率も
中国人がもっとも高い。
中国は、韓国と並んで日本と特別な歴史的関係をもち
国内で反日的な教育をしている国でもある。
今後、中国国籍の一般永住者がますます増大し
その一般永住者に対する参政権が認められるようなことになれば
明らかにわが国の政治への影響力は絶大なものとなろう。


しかも一般永住者になるのは簡単である。法律上の要件として
素行が善良であること、独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
(原則として引き続き
10年以上本邦に在留していること
罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。
納税義務等公的義務を履行していること
公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと等)
などが挙げられるのみだ。


 さらにいうならば、日本は国籍取得もあまりにハードルが低すぎる。
帰化する際の要件も再検討する必要があるだろう。
少なくとも日本の歴史について一定の理解をもち
天皇や皇室に対する正しい認識をもつなど
日本国民として必要な要件をきちんと定め
アメリカはじめ諸外国が実施しているように
きちんと国籍取得試験を行なう必要があるのではなかろうか。


民主主義の体を成さぬ暴挙

いままで縷々述べてきたが、そもそも外国人地方参政権は
日本国憲法に違反する。
憲法
15条第1項に「公務員を選定し、及びこれを罷免することは
国民固有の権利である」と定められているからである。
違憲の疑いの濃い法律を国が軽々につくること自体が、そもそもおかしい。
少なくとも、広く国民的な議論を尽くしたうえで
決めるべきものではないのか。


参政権とは、その国の将来を決める権利である。
その国の国民にのみ与えるのは、きわめて当然の話である。
世界を見渡しても、外国人参政権を認めている国は少数であり
認めている国も、先ほど紹介した
EUのように
対象者を
EU加盟国籍者などと限定している国が大半なのである。

このように多くの問題を含む外国人参政権について、民主党は
昨年の総選挙マニフェストでいっさい触れなかった。
「個人的には前向きに考えるべきだと思うが
党内で結論が出ている状況ではない」(鳩山代表)との理由で
記載が見送られたのである。
国民の批判が強いものは隠し、保守系の票を取り込もうとしたのだろう。


しかも、さらに問題なのは小沢一郎幹事長が
日本国内で公式にこの問題を問うより先に、韓国でこの法案を
次の通常国会で提出すると「公約」したことである。
『産経新聞』(
113日付)は、「小沢氏は政権交代直後
李大統領の実兄でハンナラ党国会議員の李相得氏に
『何とかしなければならない。通常国会で目鼻を付けたい』と言明。
12月のソウル市内での講演では
『日本政府の姿勢を示す意味でも政府提案として出すべきだ』
と強調した」と報じている。


さらに今年
112日に行なわれた民団の新年会では
参列した民主党の山岡賢次国会対策委員長が
「法案が
1日も早く今国会で実現するように全力で取り組みたい」と述べ
(朝日新聞
113日付)
赤松広隆農水相は「民団の皆さまには昨年、特にお世話になった。
投票はしてもらえないが、全国各地でいろんな形でご支援いただき
308議席、政権交代につながった」と語り
「民主党中心の政権で地方参政権問題が解決するとの思いで
応援してくれたと思う。その意味で公約を守るのは当たり前だ」
と語ったという(産経新聞
113日付)。

彼らがマニフェストに高々と掲げ、日本国民に問うという手続きを
踏んだうえで外国人参政権の問題を進めるなら、まだ話はわかる。
だがその部分を隠し、外国人にだけ約束するのでは
まるで民主主義の体を成していない。
マニフェストにないからこの問題には取り組まないと思って投票した人は
民主党に騙されたのである。


民主党政権には、自分たちがどこの国の政権かという認識が
欠如しているともいえるだろう。
「友愛」を看板にした無国籍政権
さらにいえばまったくの媚中・媚韓政権である。
中国、韓国に対して「対等」ではなく、「卑屈さ」ばかりが際立つが
このような「卑屈」な国家関係ができあがれば、いずれ必ず争いが起こる

「対等」という関係のなかには、相手への恐れや尊敬がある。
そのバランスが崩れればケンカになるとわかっているから
お互いバランスをうまくとろうと努力もする。
だが「卑屈」がもたらすのは上下関係である。
上の者は下の者に押し付け、下の者はそれを受け入れるのみ。
これが習い性になれば
上の者は下の者を侮り、傲慢に振る舞うようになる。


そんな状態がいつまでも続けば、いずれ下の者は追い込まれて爆発する。
行き着くところまで行くしかなくなるのだ。


政治の衝に当たる者は、
7世紀初めに隋という中国の大帝国を前にしても
「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す」
と国書を送った聖徳太子の気概を拳拳服膺してほしい

お互いがお互いに誇りをもつ者として認め合いながら、お互いを尊重する。
そのような対等の関係を築けない「根底における卑屈さ」こそ
民主党政権の最大の欠陥である。
昨年、中国の習近平副主席来日の際、民主党が
1カ月ルールを破って
天皇陛下との会談を実現させたことは、その最たるものであった。


天皇陛下と会見する際、
1カ月前までに
文書で申請しなければならないというのは、きわめて単純なルールだが
だからこそ守ることが大事なのだ。そのシンプルさのなかでこそ
お互いの誇りは保たれ、誰に対しても公平さが確保できるのである。


外国人参政権問題もまさに根を同じくする問題である。
これを断固阻止すべく、良識ある国民はこぞって立ち上がるべきであろう。
民主党のなかにもまだ、「自分は国民や国家を代表する議員で
党の従属物でない」と考える議員がいるはずだ。
この法案阻止にこそ、その証しを見せるべきである

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100212-00000001-voice-pol