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妖怪連句「4」

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  俳席 妖怪歌仙「八方睨み」の巻      矢崎硯水捌

高きに登り八方睨み世をにらむ        矢崎 硯水

月の舟漕ぎ遊ぶお不動           山本 秀夫

うそ寒に首長竜のぬっと出て         山口 安子

ゴーストたちが目を覚ましたる       城  依子

風なくもなんぢゃもんぢゃの樹が戦ぎ     三神あすか

薔薇の垣根に勇む軍神           武藤こやん

ウ  ぬらりひょん知らん振りして避暑の宿     矢崎 妙子

置いてけ掘で待ち合はす君         北野真知子

寄り添へる送り提灯あでやかに        高山 紀子

通せんぼする白い塗壁              硯水

小癪なり見上入道ひと跨ぎ             秀夫

狸囃子の調子昂まり               安子

足りぬ皿数へつづけて寒の月            依子

ぎょろり百目の光劣らず            あすか

ピカチュウの恩沢よもに満ち溢れ         こやん

印を結んでサタン呼ぶ人             妙子

なぞなぞの答謎なり花嵐             真知子

喜見城発ちさまよへる船             紀子

ナオ 寝肥りの大食ひ会は麗らかに            硯水

ひだる神神涎たらたら              秀夫

隠し撮りジキル博士のフォト人気          安子

獲物を狙ふ女郎蜘蛛の巣             依子

岡惚れのねずみ小僧が木下闇           あすか

井戸に転落そこは異界で            こやん

化け葛篭オークションにて値が上り         妙子

素人騙す舌先の技               真知子

にょきにょきと幽霊会社乱立し           妙子

摩天楼へとすがる震震              硯水

月煌と女神の像を飛び翔たせ            安子

百鬼夜行の秋の催し               秀夫

ナウ つちのこは蛇を従へ穴に入る            依子

こりゃ地震かも家鳴りがたがた         あすか

山里にだいだらぼっち現れて           こやん

コンドルに眼を射抜かれる春           妙子

フェアリーの疲れ蹌踉ふ花の街           硯水

空に届けと揺らすふらここ           真知子

2004年8月28日起首

2004年11月2日満尾

河童連句会(「妖怪連句bT0号)

俳席 妖怪歌仙「枕返し」の巻    矢崎硯水捌

冬ごもり枕返しに棲みつかれ       矢崎 硯水

戸の隙間から覗く雪鬼         城  依子

ひんがしに手長の人の島あらん      三神あすか

恵比寿大黒釣の競演          山口 安子

八仙は月を愛でつつ酒酌みて       武藤こやん

黄泉の国より砧打つ音         北野真知子

ウ  秋風に妖精たちの木の葉乗り       山本 秀夫

丑三つ時はいよよ賑はひ        高山 紀子

ウインクをされて困惑厠神        矢崎 妙子

ピストルを出すニューハーフさん       硯水

大変だ久米の仙人落っこちた          依子

短夜の月仰ぐ抜け首            あすか

遺伝子の組み換へ鯰暴れだし          安子

魔法省では調査打ち切り          こやん

恨めしと父の怨念海越えて          真知子

宙に狂へるオーロラの影           秀夫

以津真天声も不吉に花の雨           紀子

幻肢の痛み耐ふる春の夜           妙子

ナオ 馬の子を生んではならず孕み鹿         硯水

柱の陰でサタンにんまり           依子

海老蔵が仁王襷で「しばらーく」       あすか

だいだら坊は知らん振りする         硯水

朝ぼらけ声ばかりなる八咫烏         こやん

祝太郎も悪酔ひをする           真知子

初売りの豆腐小僧は家毎に           秀夫

かまど近くに五徳猫いて           紀子

赤き幣立てて走れる物狂ひ           妙子

恋患ひの果ては慕霊よ            硯水

月晧と愛を貪るバンパイア           依子

仮装さまざまハロウイーンなる       あすか

ナウ よみがへる菊人形の陰陽師           安子

封印せばや武者の怨霊           こやん

山彦が八つ墓村に谺して           真知子

簪占で旅に出たきり             妙子

うららかに錦斗雲にて巡る花          秀夫

隠れ里から架かる初虹            紀子

2004年11月3日起首

2005年1月20日満尾

河童連句会(妖怪連句bT1号)

俳席  妖怪歌仙「倉ぼっこ」の巻   矢崎硯水捌

   閂のきしむ朧や倉ぼっこ          矢崎 硯水

目玉ぱちくり穴を出る蟇         北野真知子

春泥にまみれし髑髏ころがりて       矢崎 妙子

戦場ヶ原幽鬼さ迷ひ           山本 秀夫

高麗笛の音色妖しく暈の月         三神あすか

狸踊らず夜寒寝につく          武藤こやん

ウ  言問うて画霊佇む庭の秋          高山 紀子

雨降り小僧スキップをする        城  依子

ひーらりと一反木綿巻きついて       山口 安子

御息所は息殺しつつ              硯水

泣き女潜む屋敷の開かずの間          真知子

憑物おちて月も涼しく             妙子

蓮見酒久方ぶりの隠れ里             秀夫

金神奈落忌み畏るべし            あすか

かざしたる玉の霊験あらたかに         こやん

こそこそ岩に忍び込む精            紀子

花篝酒呑童子がとんぼ切る            依子

ようずの風にはしゃぐ山彦           安子

ナオ 人魚棲むサザンの海へ春の旅           硯水

涙がやがて真珠にもなり           真知子

化け葛篭開けてびっくり二号さん         妙子

笑ひ地蔵の声も艶めき             秀夫

赤い雪降らせて消えし雪女郎          あすか

炉に練炭をくべる火男            こやん

ネットから自殺願望募り合ひ           紀子

戸惑ってゐる闇の元締め            依子

有難や金霊するり迷ひ込み            安子

疫病神はしばし消沈              硯水

廃坑の口ぽっかりと居待月           真知子

夜なべ木乃伊の骨がこつこつ          妙子

ナウ マンモスの響く足音冷まじく           秀夫

Vサインするモリゾー・キッコロ       あすか

片隅に写る子供は心霊か            こやん

底なし沼へ誘へる声              紀子

花吹雪中天めざし昇る龍             安子

春の野にたつ安倍晴明             依子

2005年1月22日起首

2005年4月 8日満尾

河童連句会(妖怪連句bT2号)

 俳席  妖怪歌仙「家鳴り」の巻      矢崎硯水捌

   大掃除家鳴りの住処視つけたり        矢崎 硯水

影が蠢く春陰の土間            城  依子

神の鹿あらはれ山も笑ふらん         武藤こやん

ごろ太道には足取りの怪          矢崎 妙子

鞘はらひ月光ゲを斬る物狂ひ         北野真知子

ぐるり囲んで伸びる毒茸          山口 安子

ウ  儚げに鬼の捨子が啼き出して         三神あすか

慌てふためく傘のおん化け         山本 秀夫

すれ違ふ文庫妖妃(ふぐるまようび)媚ふくみ  高山 紀子

京の都の夜行・歌垣               硯水

デジカメで撮っても何も写らざる          依子

スノーマン消え残る朝月            こやん

冬ざれの丘のなぞなぞ解けぬまま          妙子

おのれの庵に辿り着けない           真知子

猿田彦おみき呑み過ぎ悪酔ひし           安子

点睛の龍告げる風雲              あすか

物の怪も怯えるほどの花吹雪            秀夫

三途の川につづく曲水              紀子

ナオ 歩き神旅を重ねて春暮れて             硯水

青行灯の炎ゆらゆら               依子

気がつけば誰もがみんなゾンビなり        こやん

舐め廻されるぺロリ太郎に            妙子

雷にやはな男は押入れへ             真知子

ろくろっ首を口説く古蚊帳            安子

怨めしと後妻(うはなり)打ちの生き魑魅      あすか

鞭の跡から太る寝肥               秀夫

祈祷師の声に病虫むしの息             紀子

バグのお次はとんだウイルス           硯水

クローンの人間うまれ望くだり           依子

弘法さんの木乃伊冷まじ            こやん

ナウ 秋の田を卍に刈るは何者ぞ             妙子

あっかんべーと赤い舌だし           真知子

金霊の落ちてびっくり御出居様           安子

栄枯を語る琵琶の精どち             秀夫

匕首を光らせ夜叉は花に舞ひ           あすか

立見の席で惑ふ佐保姫              紀子

2005年4月13日起首

2005年7月2日満尾

河童連句会(妖怪連句bT3号)

俳席妖怪歌仙「ひだる神」の巻      硯水捌

夕焼けよ小焼け峠よひだる神        矢崎 硯水

みんみん蝉の千の耳鳴り         北野真知子

積年の恨みは岩をしみ出して        山本 秀夫

古城の扉開く気配が           城  依子

望月をからめて龍は呑み込まん       矢崎 妙子

斧を振り上げいざやかまきり       高山 紀子

ウ  英彦の山天狗一行紅葉狩          山口 安子

空中浮遊いかに降りよう         武藤こやん

寝乱れの姿をのぞく付喪神            硯水

あの世から来てつらい後朝          真知子

魂魄に叶わぬ恋と思し召せ            秀夫

月をよぎるは鎌鼬なり             依子

老医師が透明になり寒々と            妙子

おとなう声の主は顔なし            紀子

「おこしやす」家鳴りガタガタお出迎え      安子

猫耳フィギア飾られてあり          こやん

政敵に蜜とおもわせ花の毒            硯水

穢れをまとい流れゆく雛           真知子

ナオ しばてんの春の宴は淵の底            秀夫

打出の小槌真ん中に置き            依子

オバQがしっかり狙い定めたる          妙子

川姫すっと水着姿で              紀子

土用あい盗視つづける人面樹           安子

一反木綿塀に絡まり             こやん

   梵論師の尺八の音の尻すぼみ           硯水

    霊気吸いこむ屋久島の森           真知子

   密やかに若きシャーマン集いきて         秀夫

    剥がしにかかる石綿の壁            依子

   ふるさとの泣く子も黙る赤き月          妙子

    毒茸スープおふくろの味            紀子

ナウ 黒塚の鬼女の刃の冷まじく            安子

    いつしか罪も消える蓮糸           こやん

   そぞろ神肩を叩いて「旅に出よ」          硯水

    シャボンの玉にさっと這入りて        真知子

   笑まいつつニンフの踊る花の梢          秀夫

夢か現か貝櫓立つ               依子

2005年 7月7日起首

2005年10月9日満尾

河童連句会(妖怪連句bT4号)