「八つ縄文織り(やつじょうもんおり)」は、信州諏訪で農家の女性達によって伝えられた織りの技法を進化させ文様の拡大・縮小を自由に行うことができる織り方です。八ヶ岳山麓に花開いた縄文文化の文様は「大らかさ」と「爽やかさ」、「力強さ」を感じさせ、後の「民藝」の原点となり「八つ縄文織り」の名の由来になっています。



八ヶ岳の主峰 赤岳(2899m)





 織りの計画をたてる時、組織図に描かれた柄の、拡大、縮小が自由にできたらどんなに楽しいだろうと常々考えてきました。発想が自由に「織り」に展開できる、その事が「手織り」の原点ではないかと思っています。

 経方向の柄の拡大は、あすび(綜絖)通しが柄を決めるので、同じパターンを繰り返すことにより比較的簡単に行うことができます。これとは反対に、緯方向は3倍にしたいからといって、足を踏み換えずに3回緯糸を通しても無意味ですし、緯糸を3倍太いものを使っても有用な柄を織り出す事は難しいものがあります。
 こんな時使われるのが、「平織り」との混織です。続けて同じ踏み木を踏むことはできませんが、間に「平織り」を入れると、経、緯糸は押さえられ、「平織り」をはさんで連続して同じ踏み木を踏む事が可能となります。この時、「平織り」の緯糸を見えないよう細い糸を使用すると、視覚的に緯方向にも拡大されてきます。
 ただ問題は、平織りを踏める踏み木があるかないかです。平織りを踏めない場合はあすび枠数、踏み木の本数を増やさなくてはなりません。また、同じあすび通しを何回も繰り返すと、経、緯糸が浮く間隔が長くなり組織が柔軟になってきてしまいます。
 諏訪地方にも柄の縮小、拡大を自由に行う方法が伝えられてきました。経糸の配色順番を途中で変え、総切り替え(経糸を1本毎に色を変える整経法)で整経し、緯糸を「太い糸」→「細い糸」と交互に繰り返し(追い杼)、途中で「細い糸」を2回通すと市松柄が織れてきます。

「八つ縄文織り」の原型、「ぼろ機」の市松

 この手法は、「ぼろ機(裂き織り)」によく使われてきました。この方法の長所は、柄の大きさを経方向、緯方向とも自由に変化させられる事と、組織に浮きが無く、しっかりとした布を織れる事にあります。これは、先にあげた柄の拡大、縮小方法の欠点を充分に補うものです。

 この方法を更に充実、発展させ、経、緯方向とも自由に柄の拡大、縮小が行なえる方法により織られた 織物を総称し「八つ縄文織り(やつじょうもんおり)」と呼んでいます。
  八ヶ岳山麓に壮大に展開する民藝の故郷、縄文文化の柄の、「おおらか」で「さわやか」な「力強さ」を 織り表せる事を願うとともに、たくさんの手織りを楽しまれる方々が、より自由にその世界を拡げられ、伝えられた信州諏訪の織りの文化が、また手織りに託された先人の心が、末永く伝えられることを願い名付けられました。

右写真: 八ヶ岳西麓にある棚畑遺跡から発掘された「国宝 縄文のビーナス(土偶)」 茅野市HPより転載


八つ縄文織り作品No.01  ¥16,000(送料・税込) 八つ縄文織り作品No.02  ¥18,000(送料・税込)
   経糸: 綿30/2   緯糸: 綿20/12・30/2   使用筬:45目/寸間(7ヨミ5テ)両目



*「八つ縄文織り作品集Vol.2」ができました。20作品が織りの計画(整経方法、あすび通し、踏み木の踏み順等)と共に掲載されています。
 (¥1,200 送料・税込み)ご希望の方はmail、お電話でお申込み下さい。(Vol.2の詳細は作品集Vol.2からご覧ください)
*「八つ縄文織り作品集Vol.1」  \1,000 (送料・税込み)

*「柄の展示室」に掲載された柄は全て「八つ縄文織り」で自由に拡大することができます。
*「八つ縄文織り」の特修コースがございます。(要予約) @整経・織りA体験の2コースがあります。詳細はmailまたはお電話でお尋ねください。



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