緩和ケアの現場では、患者さんやご家族に病状の説明をする機会は毎日のようにあります。そしてそのほとんどは、よくない情報「BAD NEWS」です。BAD NEWSを伝えるのは気が重い仕事です。そのため、「BAD NEWSは患者さん側も伝えられたくないだろう」などと勝手な理屈をつけて、それを伝えるという大切な仕事から逃げてしまう医者も少なくありません。 しかし、GOOD NEWSだろうとBAD NEWSだろうと、それは患者さんの人生にとって大切な情報です。伝えるか伝えないかを、医者が勝手に決めてしまっていいものではないと思います。 もう一つ、医者は病院での日常会話が医療用語なので、ついつい病状説明の時にも医療用語を使って説明してしまうという、気がつきにくい間違いを犯します。しかし日頃普通の世界で暮らしている人は、医療用語で話をされても、知らない国のことばで説明されているのと同じです。 ここでは、私が日頃、病状の変化をどのように説明しているかを書きます。これがベストという自信はさらさらありませんが、約10年間の緩和ケア医生活の中で、各項目についてかなり洗練されてきたかなと思っています。 「この項目について、どのように説明しているか知りたい」というご希望がもしあれば、「ご意見箱」にお送り下さい。検討させていただきます。また、「これは違うんじゃないの?」という場所を見つけた方も、「ご意見箱」にお寄せ下さい。 |
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<呼吸不全の説明> <癌性リンパ管症の説明> <浮腫の説明> <腹水貯留の説明> <全身倦怠感の説明> <「できるだけのことを」について> |