以前の「ひとこと」 : 2016年11月後半
11月16日(水) 立方体の中の正方形(その5)
4頂点が立方体の稜の上にある、立方体の面よりも大きな正方形について考察しています。下左の再掲図のように、そういった正方形を全部描画してみると、なんだかよくわからないかたちになりました。これを注意深く見てみると、実は4つの正八面体の稜になっているということがわかりました。図1のように4色に色分けしてみました。
再掲図 図 1 よくよく注意して、一色ずつに注目して目で追ってみると、正八面体になっていることがわかります。わかりやすいようにそれぞれの色だけを単独に取り出した図を作ってみました(図2〜図5)。
図 2 図 3 図 4 図 5 いかがでしょうか? この4つを重ねた図をもう一度載せます。今度は外側の立方体は消してみました。
図 6 (つづく)
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先日、「あずみのかかし会」のグループ展にお邪魔したのですが、その出展者のおひとりである山本さんから、版画展のご案内をいただきました。
12月2日(金)、3日(土)、4日(日)、会場は松本美術館だそうです。来月の予定はまだわかりませんが、ぜひお伺いしたいと思います。
<おまけのひとこと>
11月も後半になりました。妻が乗っている車のほうは、早々と冬タイヤに交換しました。実はエアバッグ関係のリコールの案内もあって、合わせてやってもらうことにしました。2時間ほどかかるということで、代車を出していただけるということになりました。
その代車で「びゅうプラザ」に行ってみたのですが、先日書いたようにお休みだったのです。それはいいのですが、借りた代車にはガソリンがほとんど入っていなくて、ほんの数キロ走っただけで給油の警告灯が点灯してしまってちょっとひやひやしました。「もともとガソリンが少ないので給油はせずに返却していただいていいですよ」と言われてはいたのですが、できればそういう心配なしで借りられるとよかったなあと思います。
11月17日(木) 立方体の中の正方形(その6)
昨日のかたち、正方形3枚の面を同じ色で張ってみました(図1)。
図 1 外側の立方体を消してみて(図2)、
図 2 さらに、各正方形の縁の細い円柱も削除してみました(図3)。
図 3 CGでこういったいろいろなパターンを試してみるのは本当に面白くて、気が付くと時間が経っています。
(つづく) <おまけのひとこと>
先日、リスーピアのワークショップでTA(ティーチングアシスタント)をしてくれた埼玉大学の中川さんからメールをいただきました。前回の二等辺三角形3枚を組むという内容を、今月末の埼玉大学の学園祭でやりたいということです。そのモデルの発案者としての簡単な解説と、このページ「あそびをせんとや」の宣伝のドキュメントを作ったら配布して下さるそうです。ありがとうございます。
11月18日(金) 立方体の中の正方形(その7)
正八面体4つ骨格ということで、面を張ってみました。正八面体4つの相貫体になります。
図 1 まずは4色で。これだと4つの正八面体がわかりやすいかと思います。
図 2 単色(白)にしてみました。印象が変わります。
図 3 gifアニメーションにしてみました。なんというか、実に「立方体っぽい」です。「立方体っぽい」の意味は、この立体(相貫体)と、これが内接している立方体との差が小さい(差分の体積が小さい)という意味です。
「立方体の中の正方形」はここまででいったんおしまいです。
<おまけのひとこと>
「多面体のいくつかの稜の上に頂点がある多角形」の話、もう少し題材があるので次回の更新でも継続したいと思います。
11月19日(土) 倍積問題:ギリシャ三大作図問題から
ギリシャの三大作図問題という有名な問題があります。「与えられた角の三等分」「与えられた立方体の2倍の体積の立方体の作図(倍積問題)」「与えられた円と同じ面積の正方形の作図(円積問題)」です。これらはいずれもユークリッド幾何学の「定木とコンパス」では有限の手順で作図することはできないことが示されています。
今回のトピックは、この中の倍積問題に関係する話です。下の図1の左のように、立方体を2つつなげて、1×1×2の直方体があったとします。これをいくつかの平面で切り分けて並べ替えて立方体にできるでしょうか? というのが今回の問題です。
図 1 ちなみに平面図形では、直線で囲まれた任意の多角形は、直線で切り分けた複数の多角形に分割して並べ替えることで、同じ面積の正方形に変形することができます。これは容易に示すことができます。(任意の三角形は長方形に変形できます。2個の長方形は、サイズや比が異なっても1つの長方形に変形できます。任意の多角形は三角形に分割できますから、有限回の手順で長方形に変形できます。最後に、任意の長方形は面積が等しい正方形に変形できます。)
一方、2次元から3次元になると話は変わります。平面で囲まれた任意の多面体は、平面で切り分けて並べ替えることで立方体に変形できるとは限りません。
(つづく)
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11月19日(土)は、勤務先の永年勤続表彰の祝賀会が会社でありました。このイベントは配偶者の同伴が認められていたので、妻と二人で参加してきました。私は中途入社なので、いわゆる「新卒採用の同期」はいませんが、25年間で主に4つの事業所に勤務して、いろいろなテーマに関わらせていただいたおかげで、それなりに知り合いも多くなって、たくさんの方と久しぶりにお話ができて楽しかったです。食事もお酒も豪華でした。
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今月11月24日(木)〜26日(土)に、埼玉大学の学園祭「第67回むつめ祭」があるのだそうです。先日のリスーピアのワークショップでお世話になった中川さんが、二等辺三角形3枚を組むモデルを理学部のイベントで行うそうで、良かったらこのサイトの宣伝もかねて簡単な解説をいただけませんかというリクエストをいただきました。(直前なのにまだお送りしていなくてごめんなさい。)
モノクロで、ということだったので、CGの色とかを変えて実験しています。
図 2 お近くの方、よろしかったらいかがでしょうか。
<おまけのひとこと>
11月19日(土)の夕方に、11/19(土)〜11/25(金)の一週間分の更新をしています。祝賀会は午前10時から12時だったので、お昼過ぎには自宅に戻りました。最寄駅まで車で行って、電車で会社最寄駅に行って、そこから会社が手配してくれたシャトルバスを利用させていただきました。しっかりお酒を飲んで、楽しく帰ってきました。帰りに運転してくれた妻に感謝です。
11月20日(日) ブルース・ハノン
妻が自宅でピアノを教えているのですが、先日、生徒さんの教材の楽譜を楽器屋さんに買いに行くのに付き合いました。楽器屋さんで知らない楽譜を眺めるのは大好きです。今回、ブルース・ハノンという楽譜(とそのほかにも3冊)を自分用に買ってきました。
図 1 練習曲がとてもセンスがよくてかっこいいのです。私は主にバロック音楽を演奏することが多いですが、いろいろなジャンルの音楽を自分で鳴らしてみるのが(「演奏してみる」とは言えないレベルですが)とても好きです。
姉妹編の「ジャズ・ハノン」も買ったのですが、この「ブルース・ハノン」のほうが気に入りました。検索してみると、YouTubeにこの楽譜の中の練習曲がいくつも公開されていました。たとえば、
Blues Hanon Exercises 9 Blues Hanon Exercises 10 Blues Hanon Exercises 13 等です(もっとあります)。いずれも1分程度の短い練習曲ですが、楽しいです。
<おまけのひとこと>
知らない曲の楽譜を見て、「どんな曲かなあ」と想像するのは楽しいです。正しく曲が頭の中で鳴らせるわけではなくて、せいぜい旋律とか、伴奏の感じを「なんとなく」想像するくらいしかできないのですが、半分以上ギャンブルのように「これはきっといい曲に違いない」と思い込んで楽譜を買います。外れることももちろんあります。それも含めて曲を探すのはとても楽しいです。ちゃんと読めないからこんなに楽しいのだろうな、買ってきた楽譜の曲が運よく良い曲だった時にこんなに嬉しいのだろうな、と思います。
11月21日(月) 正四角錐の中の正五角形(その1)
立方体や正八面体の中の正方形、という話題をご紹介してきましたが、その続きの話題です。折り紙で有名な前川淳さんの数学セミナーの連載で、正四角錐を斜めに切断すると正五角形が現れる話が以前出ていました。これは面白いなあと思って、そのうち自分でもいろいろ考えてみたいと思っていました。今日はまずCGだけのご紹介です。
図 1 図 2 図 3 ここで言う「正四角錐」は、底面が正方形であるだけでなく、4つの側面は正三角形の「等稜多面体」です。
さて、正五角形の頂点はそれぞれの稜のどこにあるのでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
スポーツで、地元のチームや地元出身の選手を応援する、という経験が子供の頃にはありませんでした。(そもそも対象になる存在がなかったのです。)最近は、サッカーは松本山雅、相撲は御嶽海を密かに応援しています。
11月22日(火) 正四角錐の中の正五角形(その2)
CGを作ろうと思って、まずは座標を計算してみることにしました。図1のように座標系を考えて、正四角錐の半分を描きます。(対称性があるので、これで充分です。)
図 1 計算してみると、このようになりました。φは黄金比です。
図 2 図 3 正四角錐をもう1つ、反対側に追加すれば正八面体になります。正八面体と正五角形の図にしてみました。この場合は仮に平面で切ったとすれば、切り口は正五角形ではなく、「凧形六角形」とでもいうべきかたちになります。
さて、正八面体の中の正五角形を全部描画したらどうなるでしょうか? 正五角形はいくつあるでしょう?
(つづく) <おまけのひとこと>
これはとても面白い結果になりました。次回の更新でご紹介します。
11月23日(水) 立方体2つを1つの立方体に(その1)
先日ご紹介した、「1×1×2の立方体2つ分の直方体をいくつかの平面で切り分けて、1つの立方体に組み直す」話の続きです。
これは理屈の上では簡単にできます。まず、1×2の長方形の面を2の三乗根(2^(1/3))とその二乗(2^(2/3))の長方形に変形します(図1)。その後、できた直方体を回して、1×(2^(2/3))の面を2の三乗根の正方形になるように「裁ち合わせ」します(図2)。
図 1 図 2 …と、言葉だけで書いてもわかりにくいので、最初のステップを図3〜図5に載せます。
図 3 図 4 図 5 この図を描くのは楽しかったです。
(つづく) <おまけのひとこと>
これらの図は目分量で適当に描いています。もちろん、角度や長さはパーツをコピーすることで同じになるようにはしています。
11月24日(木) 立方体2つを1つの立方体に(その2)
昨日の作図、「長方形を比率の異なる別の長方形に裁ち合わせる」ことを伝える図でした。でも実は、図面上では平行四辺形を、底角が同じで辺の比が異なる同じ面積の平行四辺形に裁ち合わせる図そのものになっています(図1)。
図 1 これは、赤・青・黄の3つのオブジェクトを画面の中でコピーして、位置と重なり順を変えるだけで、それらしい立体的な見取り図が作れてとても楽しいのです。
図 2 図を作り直さなくても、画面の中で回転させると姿勢を変えることができます。
図 3 赤・青・黄色のそれぞれの図形はこんなかたちです(図4)。
図 4 これを印刷して切り抜けば、平面上のパズルになるかなあと思いました。
(つづく) <おまけのひとこと>
ずっと昔、2次元上で組む六本組木をご紹介したことがありましたが、それを思い出しました。この原理で何か面白いパズルが作れないかなあと思っています。
11月25日(金) 立方体2つを1つの立方体に(その3)
立方体2つ分の直方体を1つの立方体にすることを考えています。まずは1辺を目標の寸法になるようにして、次に残った2つの辺を目標の辺の長さにするようにします。(なんとなく、グラム=シュミットの正規直交化の手順を連想しました。)
結局最初の直方体はいくつの部品に切り分けられるのかな?と思って図の上で考えてみました。
図 1 色の淡い線画なのでわかりにくいと思いますが、最初のステップで3つに切り分けられるパーツの中で一番大きな五角柱の黄色いパーツは3つに切断されます。それ以外の大小2つの直角三角柱は2つずつに切断されます。
というわけで、7つのパーツに切り分けて並べ替えれば、1×1×2の直方体は1辺が2の三乗根の立方体に組み替えることができるだろうということがわかりました。
3Dプリンタとかで試作してみたいなあと思いましたが、当てもないですし、今回はここまでにすることにしました。ペーパーモデルを作ろうかなあとも思いましたが、パーツが7つもありますし、大きさがかなり違うパーツもあるので、紙で作るのもあまり適切ではない気もします。そのうちに何か良い材料を思いついたら作ってみるかもしれません。
<おまけのひとこと>
今日の図は寸法が変です。まずはおおよそのイメージをつかみたくて、長さの比率が変でも、いろいろな線が重ならないように図を描いてみたのです。だいたいわかったのでもう少し正確な図を描き直そうかなあと思ったのですが、重要な線が重ならない適切な視点を上手く設定できなかったのであきらめました。
11月26日(土) ペンローズの三角形(その1)
先日、直方体を3つに切って別の比率の直方体に変換する図を作った時に、これを切り抜いて積み木のように遊んだら面白いかな、という話を書きました。そのときに思い付いたものを作ってみました。まずは写真をご覧ください。
図 1 ペンローズの三角形の構造を紙のパーツ3つで作ってみました。一瞬でも「あれっ?」と思えればいいのですが、写真でも実物でもあまりびっくりしないモデルになってしまいました。
図 2 ばらしたところの写真です。(背景が悪いのかもしれません。)
(つづく)
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サッカーのJ2、地元長野県の松本山雅を応援しているのですが、残り2試合というところまではJ1自動昇格の2位をキープしていたのですが、得失点差で三位に後退してしまい、4チームでのトーナメント戦を勝ち抜かないとJ1復帰ができないという状況になってしまいました。実際にスタジアムに応援に行ったことはないのですが、密かに応援しています。
大相撲の御嶽海も新三役(小結)ということで応援していましたが、さすがに上位陣との対戦は厳しくて、すでに9敗してしまいました。それでも入幕1年目で三役昇進というのは大変なことだと思って、こちらもひそかに応援しています。本場所中は取り組みが終了する18時くらいに勝敗を確認して一喜一憂しています。
<おまけのひとこと>
11月26日(土)に、11/26〜12/2の一週間分の更新をしています。
11月27日(日) ペンローズの三角形(その2)、高校生物の問題
昨日の写真のペンローズの三角形は、こんな図を描いて切り抜いて組んでいます。
図 1 もっとたくさん切り取って、ほかにも不可能なかたちや不可能ではないかたちを組んでみたら面白いかなと思っています。
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高校の生物の教科書に載っていたというこんな問題がNetで話題になっていました。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
セルロースは( )と形が違う。
A.デンプン B.アミラーゼ C.グルコース D.酵素
東京書籍(株) 高校生物基礎教科書(新編・生物基礎)19p理科の問題ですが、国語というか論理の問題のような気もしました。 あと、論理的にはどの選択肢を選んでも間違いではないです。(セルロースは、デンプンともアミラーゼともグルコースとも酵素とも形は違います。)もちろん、この4つの選択肢はすべてカテゴリが異なっていて、同じ階層の用語は1つだけですので、それを選ぶことが求められているのですが。
面白い問題だなあと思ったので、ご紹介しました。
<おまけのひとこと>
「酵素」というのは特別な働きを持った物質の総称で、アミラーゼというのは酵素の中の1つです。お仕事をしても酵素自身は壊れたりしません。酵素アミラーゼのお仕事はデンプンをばらばらに分解してグルコース(糖)にすることです。
セルロースというのも、何らかの方法でばらばらに分解すると、デンプンと同じくグルコース(糖)にすることができるのですが、酵素アミラーゼはデンプンが専門で、セルロースには無力です。(なぜならデンプンとセルロースは形が違うためです。)
セルロースは植物の細胞壁とかの材料で、木材が丈夫なのはこのセルロースのおかげです。私たちが木材を食べられないのは、セルロースを分解できないためです。
…なんて、こんなところに書いても仕方がないことですが。
11月28日(月) 11月の雪
11月23日(水)の夜遅くから雪が降りました。数日前から天気予報で予測されていて、テレビやラジオの天気予報はもちろん、高速道路のラジオの交通情報でも「23日から24日にかけて大雪が予想されているので、タイヤチェーンの携行や冬タイヤの準備をお願いします」とアナウンスされていました。
我が家では妻と私とそれぞれが車を持っています。今は地方ではどこもそうだと思いますが、大人の人数と車の台数はほぼ同じだったりします。妻の車のタイヤは11月上旬に替えてありました。私の車のほうはまだでした。もう何年も前から、ディーラーの「安心メンテナンスパック」の契約をしていて、タイヤ交換は無償で(正確には契約時の前払いで)やってもらえます。祝日の23日の朝、タイヤを車に積んてディーラーに行くことにしました。
いつもなら事前に電話で予約をするのですが、今日はおそらく予約はいっぱいだろうと思って、直接行くことにしました。途中、数カ所のガソリンスタンドではいずれも車がタイヤ交換や空気圧の確認のため長い列を作っていました。
10時くらいにお店に到着すると、やはり「ご予約いただいていない方はちょっと…」と言われたのですが、翌日、高速道路で出社しないといけないため、時間がかかってもいいから、遅くなってもいいからお願いできませんか、と無理を言って車を置いてきました。
天気もよかったので30分ほど市立図書館まで歩いて、そこまで妻に迎えに来てもらいました。幸いにして夕方には「交換が終わりました」という連絡をもらって、妻に送ってもらって車を取りに行きました。
タイヤ交換を受けてくれた若いスタッフの方によくお礼を言って、「お店の他の方から『なんで仕事を受けんたんだ』と叱られていたら申し訳ないと心配していました」と言ったら、「大丈夫です、そう言っていただけただけで充分です」と言ってくれました。
どうしてもだめなら自分で交換すればよかったのですが、1シーズン保管していたタイヤの空気圧を上げなければいけないし、ホイールバランス調整は自分ではできないし、ここ何年も自分では換えていないのであんまりやりたくないし、もともと契約してお金も払ってあるサービスなので自分でやるのもちょっともったいないような気もするし、どうしようかな…と思っていたのですが、忙しいタイミングだったにもかかわらず気持ちよくやっていただけて本当に感謝しています。来年はもっと早く交換しようと思いました。
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24日(木)の朝は、5時過ぎに起きて家の前を軽く雪掃きをして、6時過ぎには家を出ました。会社には7時半過ぎに到着しましたが、いつもなら8時を過ぎるとだいぶ人が出社してくるのですが、その日はとても少なかったです。
図 1 会社の玄関の窓の外のカエデに雪が積もって垂れ下がって窓に接していました。
<おまけのひとこと>
自宅のリビングの出窓の窓枠の左右が、結露のためだいぶ傷んできています。住み始めてそろそろ20年、雨どいや雪止めを直したり、外壁を強化したり、窓を二重窓に強化したり、これまでも少しずつ手を入れています。今年はこの出窓の周辺を直そうかなと思っています。
11月29日(火) Croubelisのフルート二重奏(その1)
Netで特にあてもなくなんとなく楽譜を探すことがあります。まだ知らない、自分でも技術的に演奏が可能かもしれない良い曲があるのではないかなあという漠然とした期待で、いろいろなサイトを見て回るのは楽しいです。先日、11月23日の勤労感謝の日に久々に家で時間が取れたので(タイヤ交換のために車をディーラーに持って行った後で)、そうやってサイト巡りをしていました。そうしたら、Simoni dall Croubelis(1727-1790)という作曲家のファクシミリ譜のpdfに出会って、面白そうだったので自分で清書してみました。
図 1 もともとの楽譜は手描きでこんな感じです。
図 2 昔の楽譜としてはかなり読みやすいほうで、これならこのまま印刷しても演奏に使えるかなと思われる品質です。
最初のテーマの出だしのリズムがちょっと凝っていて感心しました。以下、3つの譜例を挙げます。
譜例1 譜例2 譜例3 譜例1が原曲のリズムです。オリジナルの手描きの楽譜をみたとき、一瞬、これで1小節分の音符があるのかな?と心配になりました。3拍目、4拍目は4つの八分音符なのですが、あえて最初の八分音符だけが連結されていません。フレージングが強調された書き方です。
素朴に考えると、譜例2のような旋律も可能なはずです。さらに素朴に全部の音符の音価を同じにすると譜例3のようになります。古楽(バロック音楽)や、近年のジャズの流儀では、音符の長さやリズムを崩して、あえて不均等に演奏するスタイルがあります。実際の演奏のときに、厳密に譜例1のように演奏する必要はおそらくなくて、少し崩してもいいのだろうなあと思っています。
(つづく) <おまけのひとこと>
今回の譜例1〜譜例3の画像、間違えてjpeg形式で保存してしまいました。この程度の楽譜は簡単に作れると思って、データを保存してありませんでした。こういう画像はpngとかの可逆圧縮のほうがサイズも小さくてノイズもなくてきれいなのですが、もう一度最初から作り直すのも面倒なのでこのまま載せます。
11月30日(水) Croubelisのフルート二重奏(その2)
昨日のCroubelisのフルート二重奏、2楽章と3楽章も清書してみました。いずれもよい曲だと思いました。
譜例1 譜例2 八分音符や十六分音符は、通常はリズム(拍)に合わせて区切って連結します。そのほうがわかりやすく演奏しやすいためです。昨日の第一楽章もそうでしたが、曲のフレージングを優先した表記になっていて、面白いです。
このCroubelisという作曲家に興味がわいてきたのですが、Netで調べてもほとんど情報がありません。デンマークの作曲家らしいということ、1727年から1790年と18世紀に生きた人だったようだということ(ちなみに、フリードリヒ大王の宮廷で鍵盤奏者として活躍したバッハの次男のC.Ph.E.Bachが1714-1788、バッハの末っ子の「ロンドンのバッハ」J.C.Bachが1735-1782、ハイドンが1732-1809、モーツァルトが1756-1791ですから、そんな時代の人だったようです)、それなりに作品は遺しているらしいということ、くらいしかわかりませんでした。
数字だけだとわかりにくいので、年表を作ってみました。
Croubelisには他にもフルートが入った曲がいくつもあるようなので、どんな曲なのか見てみたいと思いました。
<おまけのひとこと>
年表というのも楽しいもので、見ているといろいろな感想が湧いてきます。エマニュエル=バッハ(J.Ph.E.Bach:バッハの次男)は、自分が20歳を過ぎて生まれた異母弟のクリスチャン=バッハ(バッハの末子)の面倒をみていたのですが、そんなに歳が離れているのに弟のほうが自分よりさきに亡くなってしまったのだなあ、とか、モーツァルトはやっぱり短命だなあ、とか、左利きは短命と言われているけれどエマニュエル=バッハは長生きだったなあ、とか(バッハの息子たちの中で、エマニュエル=バッハだけは左利きだったためにヴァイオリンなどの弦楽器があまり得意ではなく、鍵盤を最も得意としていたそうです)、ごく若いころにモーツァルトはクリスチャン=バッハになついていたというエピソードがあったけれど、エマニュエル=バッハとクリスチャン=バッハの歳の差は、ちょうどクリスチャン=バッハとモーツァルトの歳の差と同じなんだなあ、とか、いろんなことを思いました。