以前の「ひとこと」 : 2016年9月後半
9月16日(金) 菱形六面体を平らに畳む(その2)
菱形六面体はこんな風に平らに畳めることがわかりました。
図 1 図 2 図 3 図 4 三角錐を畳むやり方が大きなヒントになりました。今日はまず解説抜きで写真だけ載せておきます。
(つづく) <おまけのひとこと>
来週は発表会で妻の歌曲の伴奏をするのですが、練習不足で心配です。
9月17日(土) 菱形六面体を平らに畳む(その3)・内堀法孝さんの個展
菱形六面体を平らに畳む話の続きです。実物をいろいろいじってみて、できそうだということがわかった後で理屈を考えました。
図 1 図 2 CGで正確な絵を描いて考えます。
図 3 図 4 ポイントは、このように2つの合同な三角柱2つに分割する、ということでした。
(つづく)
○
以前からお世話になっている、デザイナーの内堀法孝さんから、今週銀座で個展をやるという案内をいただきました。
私はこの週は仕事はカレンダー通りなので、伺うのはちょっと難しいかもしれないなあと思っています。私が関わった企画のプロトタイプもちょっとだけ展示していただけるかもしれないとのことなので、本当は見に行きたいのですが。
<おまけのひとこと>
9月18日(日)早朝に、一週間分の更新をしています。一週間分で、内容によりますがだいたい3〜5時間かかります。
9月18日(日) 菱形六面体を平らに畳む(その4)
ここからはCGではなくて普通の図です。
図 1 まず、菱形六面体の相対する面の対角線を1本ひいて、それを結びます。切り口は平行四辺形になります(図1)。この面に対して平らに畳むことができます。なので、図の向きを変えます(図2)。
図 2 折り畳み方は2つの合同な三角柱どちらも同じなので、片方だけに注目します。 張り出している右側を切り落とすと、そこは三角錐になっています。この三角錐は、先日ご紹介したように平らに畳むことができます。また左側の三角形の面も、外側に三角錐があると考えると同様に畳めます。間の三角柱の部分は、両端の三角錐(三角形)と矛盾なく畳むことができます。
こうして、菱形六面体を平らに畳むやり方がわかりました。
(つづく) <おまけのひとこと>
今日9月18日(日)は地元の神社の小宮祭です。朝から雨が降っていて、大変です。
9月19日(月) 菱形六面体を平らに畳む(その5)
実際に、菱形六面体の半分の三角柱を2つ作って畳む操作をしてみました。
図 1 三角柱2つです。
図 2 図 3 畳み始める前です。折り線はつけてあります。図3のように、底になる面は操作しやすいようにくり抜きました。
図 4 図 5 畳む操作です。図4と図5は見る方向が逆になっています。
図 6 図 7 平らになったところ(図6)と、それを裏返したところ(図7)です。
(つづく) <おまけのひとこと>
このページを更新しているのは9月18日(日)なのですが、9月19日(月)は杉並公会堂でピアノの発表会があって、そこに妻が賛助出演するので、歌曲のピアノ伴奏をしてきます。妻は歌だけでなくピアノ独奏もするので、熱心に練習しています。私はと言えば、いつもの通り練習不足です。
9月20日(火) 菱形六面体を平らに畳む(その6)
菱形六面体を平らに畳む話、いったん最終回です。昨日の模型(半分の三角柱)の図面を載せておきます。
図 1 “のりしろ”はつけていません。二重の四角の内側はくり抜きます。
このかたちを作ることができたのはとても楽しかったです。
<おまけのひとこと>
もう一つ、別な発想で、菱形六面体を平らに畳むことができそうなやり方を思いつきました。実験してある程度まとまったらまたご紹介します。
9月21日(水) 『ことり』 小川洋子
妻が図書館で借りた、小川洋子さんの「ことり」がとても良かったからと勧められて、読んでみました。確かにとても良かったです。
図 1 妻から「ちょうどこの表紙のイラストみたいな、静かで孤独な話」という説明を受けて本を借りました。主人公は「小鳥の小父さん」。小説は冒頭で主人公の小鳥の小父さんが亡くなった場面が示され、それから主人公が小さいころから死に至るまでが静かに語られます。
主人公には小鳥を大変に愛するお兄さんがいます。お兄さんは普通の言葉を話すことができません。小鳥の声に耳を傾け、自分だけの言語を作って、それしか話すことができず、その言葉は両親を含めて誰にも理解できません。唯一理解できるのは弟(主人公)だけです。
小川洋子さんと言えば、数学ファンには何といっても「博士の愛した数式」です。「博士の愛した数式」の博士も、記憶が80分しか持たないという特別な設定でした。この「ことり」も、お兄さんという特別な存在が重要なプロットになっています。
これこそ小説ならでは、というとても心に残るお話でした。
<おまけのひとこと>
「小川洋子 博士の愛した数式」で検索してみたら、この小説が英語に翻訳されているということがわかりました。英語の表題は“The Housekeeper and the Professor”(家政婦と教授)でした。 さらにびっくりしたのが、Google翻訳で“The Housekeeper and the Professor”と入力してみたら「博士の愛した数式」と自動翻訳されました。「家政婦と教授」というタイトルから想像される中身のイメージと、「博士の愛した数式」というタイトルから想像されるイメージは全く違う気がします。でも、翻訳するに当たって原作者の小川洋子さんが承諾しているはずなので、なぜこのタイトルになったのか、興味があります。
9月22日(木) 鈍角二等辺三角形24面体
菱形六面体を平らに畳む検討をしていたときに、なんとなくできてしまった多面体です。
図 1 図 2 図 3 これは24面体ですが、20面体にすると、頂点の位置は正二十面体と同じにできます。いずれ作ってみたいものです。
<おまけのひとこと>
先日、図書館に本を返しに行ったのですが、そのとき初めて財布を忘れてきたことに気が付きました。もちろん図書館なのでお金は不要なのですが、貸出カードが財布に入っていたので新しく借りることができませんでした。財布を忘れて外出するということは今まで経験がなかったので、ショックを受けました。
「最後に財布の存在を確認したのはどこだったっけ?」と思い返しました。普段は家に戻るとポケットの中身は全部机の上に並べておくのですが、その日に限ってポケットに入れたまま服を掛けて置いたのでした。その時に財布が落っこちてしまったようで、自宅の服を掛けていたあたりを見たら、落ちていました。
9月23日(金) くらべ地図
くらべ地図という便利なページがあります。デイリーポータルZのライターの三土辰郎さんが作られたページで、ありがたく利用させていただいています。
私はイギリスの湖水地方を舞台にした児童文学の「アーサー・ランサム物語全集(全12巻)」というのが昔好きだったのですが、その約半分の5つの巻の舞台になっている、イギリスで最大の面積の湖と言われるウィンダミア湖というのがどのくらいの大きさなのかな、とふと思って、「くらべ地図」で比べてみました。
図 1 「くらべ地図」は、左画面をスクロールしたり拡大縮小したりすると、右も同じようにスクロール・拡大縮小します。左画面を操作すると、左画面だけが変化します。ただそれだけなのですが、これがとても便利なのです。
長野県民である私にとって一番なじみ深い湖は諏訪湖です。諏訪湖の周囲は17kmくらいで、自転車でのんびり一回りすると2時間くらいです。私の会社の新入社員の新人研修では、ここ数年は4月末のゴールデンウィーク前の最終日に諏訪湖の周りを徒歩で一周するというのを取り入れているようです(楽しそう)。
こうしてみると、ウィンダミア湖は幅は狭いですが長さはとても長いことがわかります。では、ダム湖と比べたらどうなんだろう、といった比較がすぐにできて楽しいです。
もう一つ、上田駅周辺と上野駅周辺を比べてみました。
図 2 こんなスケール感なのか、ということがわかって面白いです。上野公園は小高い山の上なので、上野駅の公園口と広小路口は標高が違いますが、上田城も河岸段丘の崖の上に築かれているので、実は駅や千曲川からは標高差があります。残念ながらこの地図ではそこまではわかりませんが、そういったことを想像しながら眺めるのもとても楽しいです。
<おまけのひとこと>
上記の三土さんのサイトの「街角図鑑」を先日図書館で借りました。面白かったです。
9月24日(土) 60°- 120°の菱形六面体を平らに畳む(その1)
正三角形を2つ合わせたかたちの菱形である、60°- 120°の菱形を使った菱形六面体を平らに畳む方法があることに気が付きました。 正八面体の向かい合う2つの面に、面の大きさが同じ正四面体を貼り付けると60°- 120°の菱形の菱形六面体になります。図1は、菱形六面体の2つの鋭った頂点を切り落とすと正四面体2つと正八面体になる様子を図示してみたものです。
図 1 先日ご紹介しましたが、正四面体は2つの面に適切な折り目を入れると、平らに畳むことができます。畳まれた状態ではちょうど1つの面と同じ正三角形になります。
正八面体は、伝承折り紙の紙風船のように平らに畳むことができます(図2)。折り紙の紙風船は立方体の形ですが。
図 2 ということは、この菱形六面体は平らに畳めるはずです。やってみました。
(つづく)
○
とても久しぶりに、しごと・あそびごと・ひとりごとが更新されていました。こちらに移転されるそうです。懐かしく拝見致しました。お元気そうでなによりです。
私も、この「あそびをせんとや」のサイトを2010年から3年ほど休止していました。2014年の1月から少しずつ再開して、2年半ほど経ちました。Netの環境はどんどん変わります。以前、Javaアプレットで作っていたwebブラウザで動作するパズルなども、新しい環境で動くようにしてゆきたいなあと思いつつ、ほったらかしになっています。今後、このサイトもどうしてゆこうかなあと思っています。
<おまけのひとこと>
9月24日(土)の夜に、一週間分の更新をしています。
9月25日(日) 60°- 120°の菱形六面体を平らに畳む(その2)
展開図を作って組み立ててみました。図1、図2は菱形六面体の初期状態です。何度か畳んだり広げたりした後なので、折り目が残っています。
図 1
図 2 畳んだところです(図3)。おもりを載せないで、畳まれた様子がわかるようにしてみました。
図 3 この模型も底になる面は中央に窓をあけてあります。これによって畳んだり広げたりする操作がしやすくなりますし、体積が変わるときの空気の出入り口になります。
図 4 窓のあいた面が横になるようにしてみました(図4)。
(つづく)
○
秋のお彼岸に実家に行って、お墓参りをしてきました。いつもなら秋分の日に行くのですが、天気が悪かったのと体調が悪かったので、週末にさせてもらいました。実家に帰ったら、見覚えのない急須と湯呑でお茶をいれてもらいました。
図 5 なんでも、50年ほど前に亡くなった祖母のものを、母が土蔵から見つけてきたのだそうです。割とモダンなデザインだなあと思いました。
<おまけのひとこと>
9月19日(月)の敬老の日の祝日は、妻が東京の発表会で歌とピアノを演奏する予定だったのですが、妻の体調不良で行かれませんでした。前日の18日(日)に私が必死で伴奏の練習をしていたのが遠因かなあ(練習不足で直前までまともに弾けないのがストレスになったのかなあ)と申し訳なく思っています。
9月26日(月) 60°- 120°の菱形六面体を平らに畳む(その3)
昨日の「平らに畳める菱形六面体」の展開図です。「のりしろ」は描いてありません。
図 1 展開図の対称性を高くしたくてこのような図になったのですが、立体としての対称性を考えると、正四面体部分の畳み方を変えたほうがよいかなと思いました。畳み方としては、先日ご紹介したものよりこちらのほうがスマートかなあと思います。
○
実家に行ったとき、また猫と遊んできました。
図 2 実家は昔商売をやっていたこともあって敷地が広いのですが、街中だというのにタヌキやキツネが出るくらいで、野良猫もたくさんいます。
庭に置き忘れた買い物用のカートの中で、野良の子猫が3匹遊んでいました。
図 3 野良なので、ちょっとでも近づくとぱあっと逃げてゆきます。
<おまけのひとこと>
ときどき、過去の自分のページを見直してみているのですが、(つづく)と書いておきながらつづきが書かれていない話題があります。今や自分でも何をつづきに書こうと思っていたのか忘れてしまったものも多いです。我ながらつづきが気になる話題もあります。一度「づづきを書いていない(つづく)」をリストアップしてみようかなあと思っています。
9月27日(火) 四角形2枚のパーツで多面体を(その1)
2009年のリスーピアのワークショップで使った図1のようなパーツがあります。
図 1 当時はこれを3枚ずつ使って、立方体と二種類の菱形六面体を作るというワークショップをやりました。
図 2 我ながらこのパーツはあまり設計が良くなかったのです。図2のようにジョイントを外側にすると、「つめ」がすぐに外れてしまいますし、内側に折り込むと出来上がりはきれいなのですが作るのが難しいです。接着しないと形が安定しません。そんなわけで、余ったパーツを再びワークショップで使う機会がなく、手元にそれなりの数が余っています。
せっかく余っているので、これを使っていろいろ工作してみようと思いました。先日来、平らに畳める菱形六面体の実験をしていたのですが、その材料はこのパーツを用いています。
先日ふと、「菱形を2つに折って三角形2つにしたら?」という案が浮かんで、いろいろ作ってみています。まずはパーツ1枚から四面体を作ってみました。
図 3 ジョイント部の角度がすべて鋭角になっているためか、接着しなくてもしっかりかみ合って外れません。思いがけず丈夫な模型になりました。この用紙の菱形は、対角線比が黄金比の「黄金菱形」です。なので、二つ折りすると正三角形ではなくて鋭角二等辺三角形になります。この、微妙に正三角形ではないところが面白いです。
(つづく) <おまけのひとこと>
このパーツ、欲しい方はいらっしゃいますでしょうか? 送料とかを考えると、いなそうですね。
9月28日(水) 四角形2枚のパーツで多面体を(その2)
昨日のパーツを2枚使って、八面体も作ってみました。これも接着していません。微妙に隙間があいてしまっています。いずれ飽きたら分解して平らに伸ばしておこうと思っています。
図 1 図 2 これも微妙に正八面体とは違います。二等辺三角形なので、稜の長さは2種類あります。ここで使っている二等辺三角形は、正三角形より頂角がちょっと小さい(尖った)三角形です。なので等しい2辺の長さは底辺より長いです。昨日の四面体は、6本の稜のうち2本が短くて、4本が長いのですが、今日の八面体は4本が短くて8本が長い稜になります。どこが長くてどこが短いのか考えるのは面白いです。
(つづく) <おまけのひとこと>
次に、パーツを3枚使ってデルタ十二面体を作ろうかなあと思いました。作り始めてから気が付きました。そのとき作ろうとしていた構造(展開図)からは、単に菱形六面体そのものができるのです。パーツを三角形2つに折る必要がありませんでした。
9月29日(木) 立方根が出てくる式を簡単にする(出題編)
こんな問題を知りました。
図 1 (2+√5)^(1/3)+(2-√5)^(1/3) を簡単にしなさい、という問題です。
高校生くらいにちょうどいい難易度かなあと思います。
<おまけのひとこと>
解答は来週の更新でご紹介します。
9月30日(金) 立方根が出てくる方程式を解く(出題編)
もう1問、似たような見かけの問題です。
図 1 (6x+28)^(1/3)-(6x-28)^(1/3)=2 を解きなさい、という問題です。
最後に検算するのも楽しいです。
<おまけのひとこと>
こちらも解答は来週の更新でご紹介します。久しぶりに手を動かしてこういう計算をノートに書くのが楽しかったです。