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以前の「ひとこと」 : 2015年6月前半



6月1日(月) 円錐から円柱を引いた立体

 こんなペーパーモデルを作ってみました。

図 1 図 2

 データはペパクラデザイナー円錐と円柱の差(三谷純)というページからダウンロードさせていただきました。

図 3

 平面にしたときの円錐の穴のかたちや、穴をふさぐパーツのかたち(図3右下)がおもしろいです。

<おまけのひとこと>
 曲面のペーパーモデルを上手に作る技術が足りないです。
 今回、デザインを利用させていただいた三谷純先生の折り紙研究ノート(三谷純)みたにっき@はてなは大変面白いです。






6月2日(火) 四角錐を編む

 四角錐を作ってみたくなりました。

図 1

 面を編む手法で作ることにしました。この方法は四角形が連結しているというのが基本になります。なので、三角形は2面を連結して四角形だとみなして設計します。

図 2

 図2のパーツを使います。のりしろは不要で、接着剤は使いません。図3のように、ピンク色の部分が四角錐の外側に、クリーム色の部分が内側になるように編んでゆきます。

図 3

 最後の正方形を押し込むのがちょっと大変でした。

<おまけのひとこと>
 これ、頭を切り落とした箱のデザインにしても面白いかなあと思いました。






6月3日(水) 四角錐と四角柱の相貫体(その1)

 一昨日の円錐と円柱の差分の立体を見ていたら、四角錐と四角柱のものを作ってみたくなりました。最初にCGで角度や大きさを決めるため、いくつかのパターンを作ってみました。その中で図1、図2のものを作ってみることにしました。

図 1 図 2

 こんな設計図になりました(図3)。

図 3

 昨日の面を編む手法で作ってもよかったのですが、今回は普通に「のりしろ」を作って接着して組み立てるペーパーモデル方式にすることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 吉田秋生の「海街ダイアリー」を読みました。ストーリーマンガを読むのは久しぶりです。吉田秋生はデビュー作の「ちょっと不思議な下宿人」を雑誌でリアルタイムに読みました。あのころの吉田秋生や倉多江美が好きでした。






6月4日(木) 四角錐と四角柱の相貫体(その2)

 昨日の展開図を印刷して切り出して折り曲げて接着して組み立てました。図1〜図3は四角柱を差し込む前の状態です。

図 1 図 2 図 3

 図1とか図3とかを見ると変なかたちの窓が開いているように見えますが、窓の方向から見てみると、ちゃんと正方形の穴になっているのがわかります(図2)。

図 4 図 5

 四角柱を差し込んでみました。なかなかきれいだと思います。作ってよかったと思いました。

図 6

 円錐マイナス円柱のモデルと並べてみました。

<おまけのひとこと>
 「ご飯にかけるギョーザ」という商品を買ってみました。手軽に餃子の味が楽しめていいですね。






6月5日(金) 側面が正三角形の正四角錐

 6月2日(火)ご紹介した、接着しないで面を編む手法で作ったちょっと尖った四角錐ですが、側面が正三角形のきれいなピラミッド型の四角錐ならば型紙がきれいになるなあと思って作ってみることにしました。最後に差し込む底面の正方形を、紙の箱のふたのように小さな台形に改良してみました(図1)。

図 1

 印刷して折り筋をつけて切り抜きます(図2)。

図 2

 これを図3左のように、巻くように折って、小さな台形の部分を差し込むと図3右のように正四角錐ができます。

図 3

 2つの四角錐ができました。

図 4

(つづく)

<おまけのひとこと>
 こういう紙のパッケージはすでにありそうですね。






6月6日(土) 正四角錐2つで正八面体を作る

 実は、正四角錐を2つ作ったのは、用紙におさめるときに2つ分を配置するほうが効率がよいからという理由もあったのですが、この2つの正四角錐を合体させたかったからなのです。

図 1

 図1のように、ちょうど手裏剣の折り紙を折るときのように2つの正四角錐の型紙を中央で交差させます。

図 2

 この状態でまず、片方の正四角錐を組み立てます(図2)。次に裏返してもう片方の正四角錐を組みます。そうすると正八面体ができます(図3)。

図 3

 実は、2014年12月3日のひとことでご紹介した、前川淳さんの星型角錐を2つ背中合わせに組む方法と同じことが、この正四角錐でもできるなあと思い付いたのです。思い付いたらすぐに作ってみたくなって、試作してみました。今はまた分解して2つの正四角錐として飾ってあります。これが作れて満足しました。

<おまけのひとこと>
 いつもならば土曜日から次の金曜日までの一週間分を更新するのですが、今回はこの話題までご紹介したくて8日分になりました。






6月7日(日) 四角柱の交差の紙モデル検討

 最近、立体の交差の模型を作ってみているものをご紹介していますが、普通に接着して組み立てるものが増えてきました。本当は接着しないで安定するペーパーモデルが好きなのです。四角柱の交差に関しても、基本に立ち返ることにしました。

図 1 図 2

図 3 図 4

 図1〜図4は、寸法の同じ正四角柱の筒を、軸が直角になるように交差させて、軸に対して15度ずつ回転させたものです。回転角は順に0度、15度、30度、45度になります。

 0度のものと45度のものはこれまで接着しない紙の筒を組むモデルをたくさんご紹介してきました。今回は、その間の角度の15度とか30度とかのものを作ってみようと思いました。ジョイントはどんな構造になるでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 6月6日(土)の朝に、6/7〜6/13の1週間分の更新をしています。
 昔、庭に野イチゴ(ワイルドストロベリー)を植えたのですが、それが庭中に広がっています。

 たぶん収穫すれば大きなマグカップ1杯以上にはなりそうですが、例年なんとなく収穫せずにそのままになっています。






6月8日(月) 四角柱の交差:15度回転(その1)

 昨日のCGから、まず15度回転のモデルを作ってみることにしました。

図 1 図 2

 この2つの面の形状がわかれば、展開図をデザインできます。

図 3

 図3の上が、相手の四角柱が通る部分を図示したもので、そこから実際のパーツのデザインを決めたのが図3下になります。三角形を2つ切り抜きます。長方形が5つ並んだかたちになりますが、左右の長方形が重なって四角柱になります。重なる面のスリットは、もう一方の四角柱のスリット(図3下の中央の四角形のパーツ)と噛み合うことで、外れにくく安定するだろうという目論見で設計しました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近の我が家(私と妻)の中で、ブラームスの晩年のピアノ小品や歌曲がブームになっています。きっかけは5月4日の荻窪でのピアノの発表会でブラームスを聴いたことでした。ここ20年近くは古楽ばかり演奏するようになりましたが、それ以前にはピアノが好きで、弾けもしない楽譜をたくさん集めて、ぽつぽつと弾いてみて楽しんでいました。ブラームスの晩年の小品集の op.116, op.117, op.118, op.119 はそれぞれ2〜3種類の版を持っています。






6月9日(火) 四角柱の交差:15度回転(その2)

 昨日の型紙から実物を作ってみました。

図 1

 あーかっこいいいなあと思いました(自画自賛)。筒にしているので、内部を通り抜けている様子が見えるのもいいです。

図 2

 上からのぞいてみました。これを組むのはちょっと大変です。

<おまけのひとこと>
 ブラームスは4つの交響曲やピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲が有名で、私もまずはこういった大規模な編成の曲から聴きはじめました。そのうちに、室内楽がいいなあと思うようになりました。特に3つのヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、弦楽六重奏、クラリネット五重奏など、ものすごく好きな曲がたくさんあります。
 高校を卒業するくらいまでは、家にあったレコードのクラシック音楽全集と、NHK-FMのエアチェックと、ごくたまにコンサートを聴きに行くくらいで、情報源は限られていました。でも楽しかったです。






6月10日(水) 四角柱の交差:30度回転(その1)

 続いて、30度回転のほうもデザインしてみました。交点とかは計算で求めてもいいのですが、計算機に頼っています。コンピュータは本当に便利です。

図 1 図 2

 こんな設計図になりました(図3)。

図 3

 一昨日のものと同じ原理です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 ブラームスは歌曲もすばらしいのです。ちょっと調べてみたら、ヴィオラとピアノの伴奏の歌曲があることがわかりました。
Brahms op.91-1
Brahms op.91-2
楽譜を見ると(IMSLP:Brahms op.91)、ピアノパートも私でもかろうじてなんとかなりそうです。なので、昨年私たちのコンサートに出演してくれた、カナダのイアンさんに「今度この曲をやりませんか?」とメールしたら、ぜひやりましょう!というお返事をいただいて嬉しくなっています。
もっともいつになるかわかりませんが…






6月11日(木) 四角柱の交差:30度回転(その2)

 30度バージョンも組み立ててみました。

図 1

図 2

 15度のものに比べてこちらのほうが安定する感じです。

<おまけのひとこと>
 若いころはあんまりピンとこなかった、ブラームスの小品のop.76-4(変ロ長調)とかop.76-7(イ短調)とかがとても気に入って、聴いたり弾いたりしています。歳を取ると、若いころはよくわからなかった食べ物のおいしさがわかるようになったりしますが、音楽も同じようなこともあるなあと思います。






6月12日(金) 四角柱の交差モデルの比較

 今週ご紹介したモデルの比較です。

図 1

 左が15度、右が30度です。

図 2

 カッティングマットに寝かせてみました。こうすると回転角が全然違うことがよくわかります。

図 3

 遠くの雑誌(数学セミナー)の上に載っているのが15度と30度のモデルで、手前のカッティングマットに載っているのは大きなサイズで作った30度のモデル(左)と、先日ご紹介した四角柱が完全に突き抜けたモデル(右)です。

図 4

 図3の手前の2つを寝かせました。

 この一連のシリーズも面白かったです。この原理で、例えば格子のような構造も作れますが、そこまでやらなくてもいいかなと思ったので、今回はいったんこれで終了です。

<おまけのひとこと>
 今年の前半にいろいろ作り溜めていたものが、そろそろ底をつきそうです。また仕込まないと。






6月13日(土) 「微分・積分は何のためにあるか」

 雑誌「数学セミナー」2015年6月号は「微分積分の質問箱」という特集なのですが、その最初の記事「微分・積分は何のためにあるか」川平友規 が面白かったです。

【回答A】
微分積分は何のためにあるのか? 微分はものの「形」を見るため、積分はものの「量」をはかるため。

【回答B】
微分積分は何のためにあるのか? 「位置の微分は速度」、「速度の積分は位置」という原理はあまりにも基本的だし、これを知らないと解析学は始まらない。

【回答C】
微分積分は何のためにあるのか? そもそも人間が完全に理解できるのは線形代数だけだから、どんな関数でも局所化して、線形化しないと理解が進まない。それが「微分」というものである。

【回答D】
微分積分は何のためにあるのか? なんといっても微分方程式の存在は大きいよね。

 すみません、これだけ抜粋してもなんのことやら、という感じだと思うのですが、それぞれの回答に対しての解説、そして最後には川平先生ご自身だったこう答えますというものが載っていて、とても面白い記事でした。ぜひご参照ください。

 高血圧で3ヶ月に一度、近所の病院に通院しています。

図 1

 こちらがその病院(診療所)です。別荘か山小屋のようなつくりです。待合室は高い吹き抜けになっていて、薪ストーブが置かれています。ウッドデッキもあります。広い窓からは八ヶ岳が見えます。それ以外の3方向は森の中です。およそ病院という雰囲気ではなく、居心地がいいですし、先生もスタッフの方々もきめ細かい気遣いをして下さいます。

図 2

 こちらがすぐ隣にある薬局です。山小屋風で雰囲気も似通っています。妻に写真を見せたら、最初はどこの写真なのかわかりませんでした。子供たちがまだ小学校や中学校のころにはときどきお世話になっていたのですが、ここ数年は妻は行ったことがなかったのと、子供が具合が悪くて病院に行くときには建物や回りの様子などあまり眼に入らないのでしょう。私が行くときには問診を受けて薬を処方していただくだけなので、体調が悪いわけでもなく、のんびりしたものですから、こんな写真を撮る余裕もあるのです。

<おまけのひとこと>
 この更新をしているのは6月6日(土)ですが、6月13日(土)、14日(日)はリスーピアでワークショップをやっています。






6月14日(日) リスーピアワークショップ

 6月13日(土)、14日(日)にリスーピアでワークショップをやってきました。午前と午後の2回ずつ、計4回だったのですが、ありがたいことにとても多くの方にご参加いただけました。ご参加下さった皆様本当にありがとうございます。

図 1

 今回は、過去にもやった「紙のカードを組む」シリーズのある意味総集編のような回になりました。図1の4つのモデルの型紙を全部配布して、3枚組2種類と正三角形4枚組までやりました。

図 2

 ボロメオの輪の話をしたり(図2)、

図 3

 3枚の長方形を組んだ時の頂点を結ぶと正二十面体になる話をしたりしました(黄金比の話はしませんでした)。

 ここ「あそびをせんとや」をご覧いただいているという方がご来場下さって、お土産をいただきました。事情があっていただいたものの写真をここには掲載できないということなのでご紹介できませんが、とても嬉しかったです。ありがとうございます。

 当日会場で各テーブルに置いた「組み方」の説明のpdfファイルをしばらく(あと一週間くらい)公開します。ご興味のある方はご覧ください。

<おまけのひとこと>
 6月21日(日)の朝に、6/14〜6/26の2週間分をまとめて一気に更新をしています。
 先週末はワークショップで不在だったため、更新ができませんでした。ワークショップ会場で、「当日お渡しできなかった『つくりかた』は、このホームページで公開します」とお約束したので、それだけは15日(月)に掲載しました。でも、普段とアクセスはあまり変わらなかったようです。






6月15日(月) 東京滞在

 リスーピアのワークショップは午前の部が11時から、午後の部が14時からです。会場の設営やお手伝いいただくスタッフの皆さんにワークショップの内容をお伝えする等の準備があるため、朝は9時半に集合です。長野県の自宅から行こうとすると、始発で行っても国際展示場駅に着くのが9:46なので、到着は10時になってしまいます。しかもちょっとでも電車が遅れたら、開場の10:30に間に合わない可能性があります。ご迷惑をかけてはいけないので、必ず前日に移動して前泊するようにしています。

 過去10年くらいで、すでに10回くらいはワークショップをやらせていただいているのですが、有明のサンルートとかワシントンホテルとかが予約できるときにはそこに宿泊するようにしています。昨年は大学の同期会があったので、上野に泊まりました。ビッグサイトでイベントがあると、サンルート有明やワシントンホテルが予約できないことがあって、そうすると「りんかい線」や「ゆりかもめ」の沿線で宿を探します。今回はチサンホテル浜松町に泊まりました。(確か2回目です。前回は2009年ころだったと思います。)

 以前は朝食付きのプランを選ぶことが多かったのですが、最近は朝食なしのプランを選ぶようになりました。朝食バイキングとかだと、貧乏性でつい食べ過ぎてしまうのです。ワークショップとか音楽の発表会とか、ひとまえで何かやるときにはおなかがいっぱい過ぎるとよくないので、少し控えるようにしているのです。なので今回もシンプルな素泊まりのプランにしました。

 チェックインを済ませて部屋に入ってみたら、6階の線路側でした。ちょうど窓の目の前がモノレールのレールでした。かなり大きな走行音が聞こえます。これはちょっとつらいなあと思って、フロントに行って相談してみました。すると、会費無料のスマイレージカードに入会すると、入会時は無料で部屋のアップグレードができるということを教えていただいて、同じ6階の線路と反対の海側の部屋に変えていただくことができました。

 変えていただいた部屋に入ると、窓はこんな感じでした。

図 1

 窓から離れたところから見ると(図1)、視野角が狭いため、道路をはさんだ目の前の建物だけが窓いっぱいに見えます。

 窓に近づいて外を見るとこんな感じです。

図 2

 先に窓に近づいて図2のような景色を見た後で、窓から遠ざかって図1を見ると、建物がとても大きくなったような錯覚が起こります。面白いです。

 このホテルからパナソニックセンターに行くには、日の出駅から「ゆりかもめ」を利用します。休日の朝にこの駅を利用する方はほとんどいないみたいです(図3)。

図 3

 ゆりかもめに乗っていると、プラレールやトミカの情景の中を走っているようでとても楽しいです。

<おまけのひとこと>
 初日13日(土)の夕方、就職活動をしている娘が夕方水道橋まで来ているというので、浜松町まで来てもらって一緒にお酒を飲みました。お寿司屋さんでお刺身の六点盛りと海鮮シーザーサラダ、なめろうなどを取って、あとはいろいろと飲み物を飲みました。3時間ほど二人でいろいろ話をしました。就職活動は大変そうですが、本人が納得できるところに決まるといいなと思っています。






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