[Home]-[以前のひとこと]-[2015年4月前半]

以前の「ひとこと」 : 2015年4月前半



4月1日(水) 四角柱12本組(その1)

 先日ご紹介した、四角柱3本を少しずらして組むかたちのジョイントを工夫してみたのですが、そうしたら、そのジョイントを使って12本組が組めることに気が付いたので、さっそく作ってみました。

図 1

 図2左は先日ご紹介した、3×3×6単位の、立方体2つ分の箱を1単位ずつずらして組んだもので、図2右はジョイントを改良して筒の長さを伸ばしたものです。

図 2

 図3の左がいままでの設計で、3本組のそれぞれ2本の交叉部分では片方のパーツだけに切り欠きを入れていたのですが、これを図3右のように、双方のパーツに半分ずつ切り欠きを入れるようにしてみました。

図 3

 新しい設計(右側)のほうがパーツが弱くなってしまうかなあと思ったのですが、むしろしっかりかみ合って安定しました。

 このかたちを眺めていたら、この構造が各頂点にくるように立方体の稜構造に拡張できることに気が付きました(図4)。

図 4

 図4で、左側の構造が右側の一番手前と同じになっているのがわかりますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 新しい月、新しい年度です。さてがんばらないと。






4月2日(木) 四角柱12本組(その2)

 断面が正方形の正四角柱の直交12本組というと、例えば今までにはこんなものを作って来ています。

再掲図1:2003年11月26日
再掲図2:2007年12月11日
再掲図3:2007年12月13日

 今回のものは、これらとはまたちょっと違っています。

図 1 図 2 図 3

 いろいろな向きから写真を撮ってみました(図1〜3)。

図 4

 パーツはこんな設計にしました。ちょっと設計がよくなかったです。A4の用紙1枚に12パーツがおさまるようにしたら、ちょっと小さくて組むのが大変になってしまいました。

<おまけのひとこと>
 久しぶりに昔のページを見てみたら、今よりずっと小さなモデルを作れていたのだなあと思いました。最近はあまり細かいモデルは作るのが大変になってきました。
 それにしても初期のころ、自分の10年以上前のモデルは設計も組み立ても出来が悪いなあと改めて思います。作り直そうかなあと思いました。






4月3日(金) キャストパズル:マーブル

 先日、飯田に行った時の帰りに高森町のアピタというお店に寄ったのですが、そこでキャストパズルが売っていました。サンプルにいくつかのキャストパズルが試せるようになっていたのですが、今まで触ったことのなかった「マーブル」が分解された状態で置かれていました。下の写真のように四角い枠と球のかたちに合わせてみて、これはきれいだなあと思ったので、購入してきました。(写真は購入した自分のパズルを分解したときに撮りました。)もちろんその場では組むことはできませんでした。

 家に帰って食事を済ませた後、中の球をくるくる回しながら考えました。10分くらいいじったところで分解する動きがわかった(と思った)ので、途中の状態で止めていったん写真を撮ってから分解してみました。完全にばらばらにする前にもう一度もとに戻して、また外してみて、というのを数回繰り返した後、完全に分解して上記の写真を撮りました。

 これは面白いです。キャストパズルの中には、見ただけではわからない微妙な寸法や形状の違いによって動きを制限することで難易度を上げているものがあります。そういうパズルは確率的な試行錯誤をしなければならない場合が多くて、あまり好きではありません。その点この「マーブル」は、そういうことを要求しないので、理解できると簡単に組んだり外したりできます。またその動きがとてもエレガントだと思います。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 こうやって一週間分をまとめて更新内容を準備しているので、本当は毎日更新できるといいのですが、そうもいかないのが残念です。最近は一時期よりもこのページをご覧いただく方が少ないのですが、初心を忘れず「まずは将来の自分のため」ということで引き続き更新をしていきたいと思っています。
 (このところまた掲載したい内容のほうが増えていて、お蔵入りになっているモデルや話題があるのです。なんとかしないと…)






4月4日(土) ずらし三本組斜めカットを改良する(その1)

 四角柱が3分の2ずつ重なって直交している図1左のモデルと、それを平行な2枚の平面でカットした図1右のモデルが気に入っています。

図 1

 型紙を改良してみました(図2)。

図 2

 これまでは図2の左の型紙で組んでいたのですが、図2右にしてみました。これでパーツ同士の位置がずれないので、安定するはずです。

 組んでみました。

図 3 図 4

 あれ?

 これはこれで対称性があってきれいなかたちではありますが、意図したかたちではありません。設計を間違えました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 4/4〜4/10の一週間分をまとめて更新しています。
 こういった模型は金曜日の夜か土曜日の早朝、もしくは土曜日の夜か日曜日の早朝に作っています。平日は全くこういった模型のことを考える時間はありません。






4月5日(日) ずらし三本組斜めカットを改良する(その2)

 型紙を適当に作ったら、作りたかったのと違うかたちになってしまったので、ちゃんと考えて設計し直すことにしました。

図 1

 図1左が昨日のモデルの型紙、図1右が考えて作り直した設計です。

 印刷して切り出して組み立ててみました。

図 2

 意図通りのかたちになりました(図2右)。

 前回の設計で作ったモデルと比較してみました。図3左が前の設計、右が今回の設計です。

図 3

 前の設計では、パーツがしっかり安定せずに隙間があいているのが見えますが、今回の設計ではきっちりしました。意図しなかったのですがこの2つは合同なモデルではありません。

<おまけのひとこと>
 この1週間(3/30〜4/3)は気温が高くて、通勤時に何を着ていこうか少し悩みました。車通勤だということもあるのですが、いつ寒くなるかわからないという気持ちがあって、冬のダウンコートをいまだに羽織っています。






4月6日(月) 前川淳:正八面体の四分の三

 雑誌「数学セミナー」が新年度を迎えて、前川淳さんの連載「折って楽しむ折り紙セミナー」のスタイルが変わりました。今までは展開図が1枚示されるというスタイルだったのが、今回からは工程図になるそうです。そのあたりの趣旨は記事に書かれているのでご覧いただけたらと思いますが、私としては1枚の展開図からかたちを作ってみるのも楽しかったですが、工程図を示していただけると作るのはやりやすくなるので、それも楽しみです。

 今回の「正八面体の四分の三」さっそく作ってみました。正方形1枚からこのかたちが折れるのはいいですね。

図 1

 100円ショップで買ったいろいろなデザインの折り紙で折ってみました。楽しいです。

図 2

 積み上げてみました。この作品、気に入りました。

 私は折り紙の本とかを買うときに、たった1作品だけでも気に入ったものがあれば、その作品の折り図(たいてい2ページくらいです)だけを目的に1冊の本を買うことがよくあります。「数学セミナー」も、前川さんのページ(見開き2ページです)のためだけに買う価値があると思っています。もちろん他のページも楽しく読ませていただいていますが。

<おまけのひとこと>
 おいしいもののことをときどき教えてくれる会社の方が、安曇野市にあるくるまやというお蕎麦屋さんがお勧め、と教えてくれました。彼は私よりも年上なのですが、気狂いそば、というのが有名だからと勧められて、頼んでしまって大変なことになったそうです。でも2時間以上かけて完食したそうです。「ぜひ気狂いそばに挑戦してみてください」と言われました。私もそばは大好きで、けっこう食べられる方だと思いますが、7人前はさすがにちょっと…
 家族連れでみんなで食べるといいんじゃないかということです。一度行ってみたいです。






4月7日(火) 正八面体骨格折りカード(その1)

 正八面体つながりで、これは自作のデザインのものをご紹介します。

図 1

 これは、正方形3枚と正三角形2枚を、□,△,□,△,□という順番に辺で連結して組み立てたものです。正方形の面には、こんな

再掲図

スリットを入れています。再掲図の正方形3枚で正八面体の骨格ができますが、それを正三角形2枚でつないでいます。なので正八面体の8つの面のうち、2面だけが正三角形でふさがれているかたちになります。この2面が平行な2面になるように、パーツを設計しようと思いました。

図 2

 まず簡単な見取り図を描いて(下手ですね)、頂点に名前を付けます。東西南北(EWSN)と上下(Up/Down)としてみました(図2)。

図 3

 正方形の面が3つあります。上下と東西の面、上下と南北の面、東西南北の水平面、です。スリットはこのように(図3)入れることにしました。こういうことを考えるときに、東西南北上下といった具体的なイメージがつく頂点名にしておくほうが楽です。

 この頂点名を頼りに型紙を設計しました(図4)。

図 4

(つづく)

<おまけのひとこと>
 4月1日の朝、会社の駐車場に車をとめたところ、常念岳のほうに虹が見えました。写真を撮ってみたのですが、虹がほとんど判別できなかったので、写真は載せませんが、なんだか気分が良くなりました。今年度はさらに大変になりそうなのですが、なんだかなんとかなりそうな気がしました。






4月8日(水) 正八面体骨格折りカード(その2)

 昨日の設計図を印刷して切り抜きました。

図 1

 組み立て途中と(図2)、組み上がりです(図3)。

図 2 図 3

 図3、正三角形の面が床面と天井面になるように置いてみました。図2から図3への組み立ては、パーツが連結している分だけ動きが制限されているので、3枚の正方形を組むよりも大変でした。あまり何度も組み立てと分解はできないです。

 地域で、防災無線の端末を各家庭に置くことになりました。

図 4

 3月29日(日)に説明会があって、写真の端末を受け取ってきました。自分の過失で壊してしまった場合は3万5千円だそうです。仕様を決めて、一から設計しているのだと思いますが、それにしても市内で少なくとも1万台以上は導入するはずなのですが、極めてシンプルな設計、デザイン、機能であることを考えると、コストにはかなり余裕があるのではないかなあと思っています。

 これまで、近くの道路の車の走行音などで地域の放送の連絡が聞き取りにくいことがあったので、そうはいっても室内で聴けるのはありがたいです。また、発信機は公民館にあって、受信機が各家庭にあるので、緊急時に停電していても、双方の非常電源(電池やバッテリー)で確実に連絡できます。携帯やスマートフォンなどはどうしても何らかのインフラを必要としますし、すべての家庭にあるわけではないので、非常時に確実に情報伝達できる手段として有効です。こういったものを決めて導入するというのは大変だなあと思います。

<おまけのひとこと>
 最近またお酒の量が増えてしまっていて、まずいなあと思っています。






4月9日(木) 短冊3枚直交組の斜め切断の角度を変える(その1)

 先日ご紹介した「短冊3枚直交組の斜め切断モデル」ですが、気に入っているのですが、少し「平べったい」なあと思っています(図1)。

図 1

 少し角度を変えてみたくなりました。まずはCGで角度を少しずつ変えてみて、どんな形を作ろうか検討しました。

図 2

 図2は、パーツの断面の長方形のサイズは変えず、また切断する2平面の距離も変えずに、3枚の短冊の角度だけを変えたアニメーションです。詳しく説明はしませんが、短冊の一番広い面の中心(2面あります)を結ぶ直線を軸に回転させています。アニメーションでは0度から45度まで回しています。90度回すともとのかたちと同じになります。

 これを眺めながら、45度の半分の22.5度のモデルを作ってみることにしました(図3、図4)。

図 3 図 4

(つづく)

<おまけのひとこと>
 毎朝シャワーを浴びています。ここ数年、シャワーの後では必ず浴室の壁と床をすべてタオルで拭いて、水滴が全くなくなるようにしています。だいたい10分弱かかるのですが、これをやらないと落ち着かないというか気持ちが悪いというか、そんな習慣が身に付きました。朝、決して時間に余裕があるわけではないのですが、それでも必ずこれはやっています。






4月10日(金) 短冊3枚直交組の斜め切断の角度を変える(その2)

 昨日のモデル、こんな型紙を設計しました。

図 1

 これを切り抜いて組み立ててみました。

図 2 図 3

 これはこれできれいだと思います。直交モデルと比べてみました。

図 4
図 5
図 6

 図4〜図6、徐々に視点を下げてみています。CGもいいですが実物を作るととても楽しいです。

<おまけのひとこと>
 昔はものをたくさん持っていたいと思っていました。最近はものを減らしたいなあと思うようになりました。






4月11日(土) 四角柱の稜線合わせ直交6本組(その1)

 2015年1月に、四角柱の稜線を合わせた交差の構造を使ったペーパーモデルをいくつかご紹介しました。

再掲図

 このジョイントを利用したこんなかたち

図 1

 を作ってみたくなりました。

図 2

 さっそくこんな型紙を用意して、これを6枚、A4用紙にレイアウトして印刷して、さて切り出そうかと思ったときに、「あれ、これで組めるんだっけ?」と思いました。ちゃんと考えることにしました。頭の中だけではわからなかったので、図を描いてみました(図3)。

図 3

 青い矢印は、四角柱のどの稜の上に切り欠きが入るかを示しています。さて、この6つのパーツのうち、どれとどが同じでしょうか? パーツは何種類必要でしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 いつものように4/11〜4/17の一週間分を4/12(日)にまとめて更新しています。
 先週(4/6〜4/10)もとても大変でした。4月から新しい組織になって、火曜日(4/7)に管理職の飲み会がありました。さすが偉い人の飲み会は違うなあと思ったのは、とてもおいしい日本酒の差し入れをたくさんいただけたことと、最初にビールをグラスに注いでから、乾杯してビールを飲むまでに15分以上ご挨拶があったことです。その後はハイピッチでビールを飲みました。






4月12日(日) 四角柱の稜線合わせ直交6本組(その2)

 今回つくりたい、シクロヘキサンのようなかたちを作るには、昨日のパーツ3枚と、その鏡像3枚が必要です。6本は2種類を1つおきに交互に組みます。

図 1 図 2

 作ってみました。図1のような置き方で自立します。図2のような置き方もきれいです。

 ちょっと意外で面白かったのは図3のような置き方です。

図 3

 平行な2本の四角柱の組が3組、交差しているのがおもしろいです。その印象を強調してみたくなりました。

(つづく)

 …よく考えたら、このかたちはこの模型の一部でした。

再掲図

 そう考えるとパーツの種類とか向きとか悩む必要はありませんでした。最近、忙しすぎてつい1週間前に考えていた模型のことを忘れてしまうことがあります。

<おまけのひとこと>
 先週、4月8日(水)の朝は思いがけない雪でした。うちの車は冬タイヤは5月連休まで変えないようにしています。(5月連休に雪が降ることもありますが、さすがにすぐにとけます。)既にタイヤを交換している方は大変だったようです。






4月13日(月) 四角柱の稜線合わせ直交6本組(その3)

 パーツ同士を近づけて、パーツ(四角柱)の長さも少し短いモデルを作ってみることにしました。

図 1 図 2

 図1がパーツを一番寄せた状態です。もっと近づけるとあたかも1枚の板のようになりますが、これはこのままのジョイントだとうまくいきません。

図 3 図 4

 色付けしてみました。図4の方向から見ると、これ以上パーツを近づけると別のパーツとの干渉が始まることがわかると思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 図2のかたちも魅力的です。これもそのうち検討してみたいと思っています。






4月14日(火) 四角柱の稜線合わせ直交6本組(その4)

 昨日のかたちの型紙を設計して、組み立ててみました。

図 1 図 2

図 3 図 4

 実物を見て、いろいろな向きに置いてみて、いろいろな向きから見てみるととても楽しいです。これも作ってみてよかったと思った作品になりました。

<おまけのひとこと>
 平日は家族と顔を合わせることがほとんどありません。4/11(土)の朝に、妻から「昨日美容院に行ったんだけど、気が付いていないよね」と言われました。はい、気が付きませんでした。






4月15日(水) 『偏愛的数学〜脅威の数〜』

 先日、松本市の丸善に行ったとき、数学関係の本を数冊、全部で1万円くらい買ってきました。その中の1冊が偏愛的数学〜脅威の数〜でした。こちらの紹介が良いです。これだけでも十分なご紹介な気もしますが、この本のほぼ最初に出ている話題がすごかったのでご紹介します。

 こんな関係があります。この式そのものは「ふーん」といった程度の印象です。ところが、ここに出てくる6つの6桁の数字の最上位桁を1つずつ消していっても、同じ関係が維持されるのです。

 これだけでも驚きですが、逆に、最下位桁から1つず消していってもやはり等式が維持されます。

 さらに、両側の数字を消していっても、はやり等式が維持されるのです。

 なんだか凄すぎて、凄さを感じる感覚がマヒしてしまいそうです。ひょっとしてどんな数字を持ってきてもこの関係が成立するのではないかという間違った仮説を立ててしまいそうなくらい驚きました。

 店頭でこの本の4ページ目にこの式が出ていて、これを見ただけでこの本を買うことに決めました。

<おまけのひとこと>
 将棋の電王戦の最終戦(5戦目)で阿久津八段がわずか21手でコンピュータに勝利したそうです。コンピュータに角を打ち込ませて馬を作らせる隙をわざわざつくって、10手目にはその馬が捕獲できるような「はめ手」を指したのだそうです。人間ならすぐに気が付く手順なのだそうですが、コンピュータは広く手を探索するため、10手先までは普通は読まないのだそうで、いわゆる「水平線効果」を使った作戦です。(Wikipediaの「水平線効果」を見たら、すでに「電王戦FINAL5戦目における阿久津主税八段 vs.AWAKE(21手目で投了)」が例として挙げられていました。)
 人間相手なら指さないような手をプロ棋士が指すのはどうか、という感想もあったようですが、ルールの中で勝つために最善を尽くすのがプロだと思うので、私は「有り」だと思いました。






[←2015年3月後半]  [↑表紙へ]  [2015年4月後半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2015年4月前半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2015 hhase