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以前の「ひとこと」 : 2015年1月前半



1月1日(木) 元旦

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年の暮れ、年賀状のデザインはどうしようかなあと思って2014年に撮った写真を見ていたら、ひつじの写真がありました。5月に美ヶ原高原美術館に行ったときに撮ったものです。藤原吉志子「羊の旅-この世にはまだ知らない事がいっぱいある」という作品です。扉の前にひつじが立っている様子が、ナルニア国物語のようだなあと思って撮った写真だったのですが、作品のタイトルも素敵です。

<おまけのひとこと>
 1月1日(木)から7日(水)までの「ひとこと」を1月3日に更新しています。アクセスカウンタ、来週には60万を超えるかもしれません。ありがとうございます。






1月2日(金) サッカーしょうぎ

 先週、2014年の大晦日にお年越の買い物に行ったときにサッカーしょうぎというボードゲームに目がとまりました。行ったのは31日のお昼前で、食品売り場に隣接して文房具やちょっとしたおもちゃが置いてあるコーナーがあるのですが、そこで見かけたのです。

 パッケージを見て、買おうか買うまいか迷ったのですが、いったん買わずに帰りました。帰宅してネットで検索してみると、YouTubeにサッカーしょうぎ〜ルール編〜サッカーしょうぎ〜勝つためのコツ編〜サッカーしょうぎ〜親子対決編〜といった動画があって、それを見ていたら欲しくなって、夕方、神社で巫女さんをやる娘を送った帰りにもう一度お店に寄って買ってきました。

図 1 図 2

 パッケージの表と裏です。やってみるととても面白いです。このゲームを紹介しているサイトはあまり見つけられなかったので、ルールと実践例を紹介したくなりました。久々にあそびのコラム39:サッカーしょうぎにまとめてみました。ご覧いただけたらと思います。

図 3

 こんな風にマス目の座標がわかるようにアルファベットと数字を振って、プレイを記録してみました。

 その後検索してみると、パッケージの詳しい紹介はこちら(「サッカーしょうぎ」届きましたというブログ)、戦術や定跡の考察に関してはこちら(サッカー少年・少女の保護者のためのブログ)を見つけました。特に後者の考察はとても勉強になりました。

<おまけのひとこと>
 このお正月休みは、「サッカーしょうぎ」の紹介ページを作るためにけっこう時間を使いました。






1月3日(土) 初詣

 昨日(2日)、実家の母と妻と3人で、娘が巫女さんをやっている神社に初詣に行きました。朝、自宅から峠を越えて実家に迎えに行って母と自宅に戻り、それから妻も同乗して神社に行きました。娘が巫女さんをやっている神社はお正月に30万人くらいの参拝客が来るそうで、車を止めるのに時間がかかりました。駐車場待ちの列に並んでいる間に、母と妻には先に降りてもらって、私は後から合流しました。

 無事参拝が終わって3人で食事に行ったのですが、さすがに正月2日、あいているお店が少なくて大変でした。湖端のレストランで食事をしました。

 ナイフやフォークを置くためのシートのイラストが素敵でした。

 その後、もう一度峠を越えて母を送った後、自宅に戻ってから娘を神社まで迎えに行きました。楽しい一日でしたが、雪道で緊張する場面も少なくなく、ちょっと疲れました。

<おまけのひとこと>
 疲れて早く寝てしまったのですが、1月2日は「初夢」で、妻と子供たちが折り紙で帆掛け舟(だまし舟)を折ったそうです。私の分も折ってくれて、枕の下に入れてくれてありました。感謝です。






1月4日(日) 大阪城の継手の模型

 こんな継手の模型を作ってみました。ペーパーモデルです。

図 1

 これは、九州大学の木村元先生のページの謎の継ぎ手というページにあったpdfから作らせていただいたものです。

図 2

図 3 図 4

 自分で考えてみたい方のために、継手の内部の構造がはっきりわからない写真にしました。(上記のリンク先を見ると、構造や組み方がわかる写真があります。) 公開されているペーパーモデルの型紙は「のりしろ」がついていますが、今回はそれを全部切り落として、紙の厚みの部分を使って接着することにしました。少し手間がかかりますが、そのほうが妙に膨らんだりしないので、継手としてはうまく組めるのではないかと期待したのです。

 調べてみると、有名な不可能物体ぎゃらりいというサイトにも「不思議な継手」というカテゴリがあって、「大阪城の謎の継手の謎」というページがありました。(リンクはトッ プページにしてくださいということなので、「大阪城の…」のページにはリンクしません。)このページは大変情報量が多くて読んで面白いです。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 継手も面白いですね。






1月5日(月) 面白い平方数(その1)

 ずっと以前、2006年10月12日のひとことで、

49,4489,444889,44448889…

 という数字列をご紹介したことがありました。そうしたらあるが's てくにっきで解説をしていただきました。

 昔のデータを整理していたら、そのころに作った図が出てきたので紹介します。

図 1

 このように、3...34 の二乗は 1...15..56 になりますし、6...67 の二乗は 4...48..89 になります。これは筆算をしてみると理由がよくわかります。

図 2 図 3

 ずらっとゼロが並ぶので、結果は明らかだと思います。面白いと思いませんか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この更新をしているのは1月3日(土)です。丸一週間の年末年始休みもあと1日半です。






1月6日(火) 面白い平方数(その2)

 昨日のものよりはやや面白味が減っていますが、こんなパターンもあります。

図 1

 赤く色を付けた数字の位置にご注目ください。

図 2

 これも筆算してみました。このパターンの場合、筆算の途中で9がずらっと並びます。6の例だけを図2に示しましたが、3の並びでも9の並びでもずらっと9が並ぶことはすぐにわかると思います。

<おまけのひとこと>
 ちなみに、筆算の図はExcelで作っています。といっても計算を自動化しているわけではなくて、ただ単にタテヨコをそろえて数字を書くためのマス目としてだけ利用しています。






1月7日(水) ロマネスコ

 妻が「あなたが好きそうだと思って」と言って、ロマネスコという野菜を買っておいてくれました。

図 1

図 2

 フラクタル構造そのものです。本当に面白いです。

<おまけのひとこと>
 ブロッコリーやカリフラワーのなかまで、食べてもおいしかったです。






1月8日(木) Yoshimoto BOX

 裏返る立方体として有名な、Yoshimoto BOX (吉本直貴 1972)という作品があります。こちらのyu-kubo氏のサイトに、pdfの型紙が公開されています。YouTubeの動画も公開されています。こちらのblogにも作成レポートがありました。

図 1

 図1の左の立方体を、太線のように切り開きます。隙間を強調した図を図1右に掲載しました。これは平らに畳むことができます。畳んだ状態を経由して裏返すことができるという、とても面白いかたちです。あのYoshimoto Cubeの吉本直貴氏の作品です。

 展開図は図2のようになります。

図 2

 このYoshimoto BOXは、正方形の面が4面と直角二等辺三角形の面が4面あって、三角、四角、三角、四角、と交互に8面が輪になっている構造になっています。これを見ていると、いろいろな方向に発展が考えられそうです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 おかげさまでアクセスカウンタが60万を越えました。ご覧下さる皆様本当にありがとうございます。
 今週も、1/11(日)に、1/8〜1/15の分をまとめて更新しています。






1月9日(金) 多面体の面を円環状につなぐ構造 (その1)

 Yoshimoto BOXのように、多面体の面を円環状につなぐ構造を作って、それを畳んだり変形したりしてみたいなあと思いました。まずは普通の正多面体そのものについて考えてみました。

 立方体と正八面体の面を順にめぐるように稜を切断することを考えます。立方体も正八面体も稜の数はどちらも12です。面が円環状につながるということは、つながっている稜の数は面の数と同じということですから、面をひとつながりの輪にするためには、立方体ならば6本、正八面体ならば4本を切断する必要があります。ちょっと考えて、例えば下のように切ればよいことがわかります。黒い太線が切断した稜を表します。

図 1

 これはまあ紙模型を作ってみなくてもいいかなと思いました。

 ちなみに図1右の正八面体の面を順にめぐるルートを見ていると、ずっと以前のひとことでご紹介した「スフェリコン」を思い出しました。

図 2

 スフェリコンは正八面体に外接します。このかたちを転がすと、すべての面が順に床に接して転がってゆきます。図1右の正八面体の面を巡る順番が、スフェリコンを転がしたときに床に接してゆく順番と同じなのです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 図1左の立方体の絵のカットされる稜ですが、xyz方向(上下・左右・前後)が1本ずつ3本つながったものが2組になっています。この3本連結が4組で立方体ができます。わかりますか?






1月10日(土) 多面体の面を円環状につなぐ構造 (その2)

 多面体の面を順にめぐる経路について、立方体と正八面体について考えてみたので、次は立方八面体と菱形十二面体について考えてみることにしました。

 多面体の面を順にめぐって戻ってくる経路を考えるというのは、その多面体の双対多面体の頂点を順にめぐって戻る経路(ハミルトン閉路)を考えるのと同じです。ということで、立方八面体のハミルトン閉路を考えて、そこから菱形十二面体の面を巡る経路を考えて、型紙を作って試作してみることにしました。

 準備として、下の図1、図2のような図を用意しました。

図 1

 立方八面体は、立方体の稜の中心を頂点とする立体です。図1左は立方八面体の頂点を○印で表し、それをどうめぐってゆくかを考えることにしました。図1右は立方八面体の平面グラフです。頂点が12あります。ここに番号を振ってゆきます。

図 2

 図2左は菱形十二面体の見取り図です。陰線処理(本来は見えていない部分を点線とかにする処理)はしていません。菱形が12枚あるのがわかるでしょうか? 図2右は菱形十二面体の平面グラフです。各面に番号を振ってゆきます。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この図を描くだけでもちょっと時間がかかりました。
 先に結論を書くと、今のところ Yoshimoto BOX のように「裏返せる」かたちには到達していません。紙の輪なので紙を曲げれば裏返せますが。やっぱり Yoshimoto BOX はすごいです。






1月11日(日) 多面体の面を円環状につなぐ構造 (その3)

 昨日ご紹介した図を使って、まずは適当に立方八面体のハミルトン閉路(すべての頂点を1度ずつ巡って出発点に戻る経路)を書いてみました(図1)。

図 1

 図1の右側の平面グラフの太線がハミルトン閉路を表します。これを、対応する菱形十二面体で考えてみました(図2)。

図 2

 図2では、太線は切り開く稜を表しています。切り開く部分は2回回転対称になっています。「1つながり」になっているので、各面の菱形は、必ず2辺が切り開かれます。面の番号で、5番と11番だけが平行な辺が太線になっていて、それ以外の10の面は隣り合う辺がカットされます。

図 3

 展開図を考えてみました。これを実際に印刷して輪にしてみました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日(11日(日))は地元の道祖神の幟建(のぼりたて)がありました。その後で地区の新年会があって、昼間からたくさんお酒をいただいてきました。






1月12日(月) 多面体の面を円環状につなぐ構造 (その4)

 昨日の型紙から紙模型を作ってみました。

図 1 図 2

 図1が、昨日の図の11番の面の方向から見たもの、図2が昨日の図の5番の面の方向から見たものです。この2面だけが、連結している面が菱形の相対する平行な辺になっています。図1のほうは頂点の次数が3の鈍角がつながっていますが、図2のほうは次数4の鋭角がつながっていきます。

図 3

 平らに畳んでみました。無理をして紙を曲げれば裏返せないこともないですが、Yoshimoto BOX のようにはいきません。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 実はこの展開図、最初は間違ったものを作図してしまいました。印刷し終わって、折り線に折り筋を2本ほどつけたところで誤りに気付いて作図に戻りました。






1月13日(火)  多面体の面を円環状につなぐ構造 (その5)

 菱形十二面体の面の円環構造、もう少し対称性が高いものはできないかなあと思って少し考えてみました。

図 1

 図1で、1→2→6→7→8→12 で正六角形になります。そうすると手前の3→4→5、奥の9→10→11の2つの正三角形が残ってしまいます。そこで、それらを巡る経路を対称性を考慮して考えてみたのが図1です。このハミルトン閉路に対応する菱形十二面体の面の連結構造を考えてみました(図2)。

図 2

 今度は、奇数番の面(1,3,5,7,9,11)が平行な辺の対がカットされる構造になります。菱形十二面体は次数4の頂点が6つ、次数3の頂点が8つありますが、すべての次数4の頂点が2面ずつに分断されます。また次数3の頂点のうち6つは1本だけ稜がカットされ、残りの2つは3本とも稜がカットされます。昨日のものよりも素直な構造です。

図 3

 展開図を考えてみました。この展開図の上下(北極と南極)が、次数3の頂点で3本とも稜がカットされている頂点になります。ヘアピンカーブのように大きく蛇行しているコーナーの内側が、次数3の頂点で1本だけ稜がカットされている頂点になります。

 これを作ったらどんな風に変形できるのか、楽しみに作ってみました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この展開図、以前どこかで見たことがある気がするのですが、検索してみても見つかりませんでした。
 11日(日)の地区の新年会で、昼間からお酒を飲みすぎて午後に3時間くらい寝てしまいました。生活のリズムが狂ってしまいました。






1月14日(水) 多面体の面を円環状につなぐ構造 (その6)

 昨日の型紙で菱形12枚の輪を作ってみました。次数3の頂点で、完全に切り開かれる部分を開いて畳んでゆくと、図1→図2のようになります。

図 1

図 2

 とてもきれいなかたちですが、平面にはなりません。

図 3

 もう少しいじっていたら、図3のように平らにすることができました。いろいろなかたちに変形できて楽しいです。

<おまけのひとこと>
 このシリーズはいったんここまでにしたいと思います。






1月15日(木) 立方体の稜を4色で塗り分ける

 先日、立方体の面が1つながりになるように稜を切り開く例を紹介しました(図1)。そのときに、「xyz方向(上下・左右・前後)1つずつの3本連結されたもの」が2組あります、と説明して、それが4組で立方体が構成できますという話をしました。

図 1

 図1を見るとすぐに気が付くと思うので、答を書いてしまいます(図2)。

図 2

 この構造、ジョイントを工夫すればちょっとしたパズルになるかもしれないなあと思いました。既にあるような気もします。また、立方体ではなく菱形六面体で同じ構造でパズルにすると難易度が上がりそうです。

 図2の4色の立方体、6つの面を囲む辺の色を見ると、4色の面が2面、2色の面が4面あります。2色の面は「青-黄」「黄-赤」「赤-緑」「緑-青」の組み合わせです。「青と赤」「黄と緑」の面はありません。

 では、同じ色の稜はつながっていなくてもよいことにして、12本の稜を青・赤・黄・緑で塗り分けて、立方体の6面すべてが4色の辺で囲まれるように塗り分けるにはどうしたらいいでしょうか?

図 3

 図3のような絵を描いて、○の中に数字なりアルファベットなりを書いてみるのがお勧めです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 ブロック玩具などで多面体構造を作るときに、どのように色分けしようかというのは常に考えることです。多面体の面や頂点や稜を対称性が高く塗り分けるというのはとても面白い問題ですし、きれいに塗り分けるととても美しいです。






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