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以前の「ひとこと」 : 2014年11月前半



11月1日(土) 三枚のカードを組む

 「紙を折り畳むパズル」を検索していたら、紙のパズルがいろいろ検索結果として出てきました。知っているものが多かったのですが、その中にパズルデザイナーのkohfuhさんの紙組みの習作というページがありました。もちろん以前拝見したことがあったのですが、久々に見て改めて「さすがセンスがいいなあ」と思って、手元の方眼紙で真似して作ってみました。

 最初は全く同じものを作ってみたのですが、ちょっと変化をつけてみることにしました。

図 1

 これを組んでみたのが図2です。

図 2

 すみません、ちょっとピンボケです。使った用紙は6cm×4cmを3枚です。短辺の4cmの正三角形を底面とした反三角柱のかたちになりました。

 長辺の6cmの正三角形を底面にした、平たい反三角柱が作りたいなと思って、パーツを1つだけ変えました。

図 3

 あわてて写真を撮ったので、パーツの順番が図1と変わってしまいましたが、どこがどう違うかわかりますか?

図 4

 図4の写真は、裏の見えない部分に支えを入れて立たせています。今度は6cmの正三角形ができて、満足しました。

 でも、よく考えてみるとオリジナルのkohfuhさんのデザインと違って、シンプルに頂点を合わせる構造にしているので、3パーツとも合同なスリットで作れるはずです。

図 5

 またピンボケです。今度は一回り小さく、4cm×3cmでパーツを作りました。

図 6 図 7

 裏側(グラフ用紙の裏面の白紙)表側の写真です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 以前だったらこんなラフな習作の、しかもこんなにひどい写真は掲載しないようにしていたのですが、最近は時間が取れないので、このレベルでも「まあいいか…」と思って載せてしまいました。






11月2日(日) 4枚の長方形を組む

 昨日、3枚の長方形を組むものをご紹介しました。同じように4枚が組めないかなあと思って考えてみました。

図 1 図 2 図 3

 図1のような2枚組を90度回転させたもの(図2)と合わせると、図3のかたちになるはずです。型紙は図4のようなものを4枚用意すればいいだろうと想像できます。

図 4

 さっそくこれも方眼紙に鉛筆でうすく下書きして、カッターナイフで切り抜いて組んでみました。

図 5

 最後のパーツを組むのにちょっと無理がかかって曲がってしまいましたが、思った通り組めました。

図 6

 昨日の3枚組と並べてみました。

 この4枚組、下図のように2種類の方法で平らに畳むことができました。

図 7 図 8

 あれ…?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この更新をしているのは11月1日(土)から2日(日)に日が変わるころなのですが、2日(日)は地区の文化祭があって、今年は地域の役員をしている妻が、ラジオ体操第一のピアノ伴奏をすることになっています。






11月3日(月) 4枚のカードを組む

 4枚の長方形を組んで、平らに畳んでみて、ようやく思い出しました。これ、昔作ったことがありました。最初に作ったのは2003年の1月ですから、もう10年以上昔になります。

図 1

 図1は2012年3月にリスーピアので、4枚の正六角形を組むという「平らに畳める立体パズル」のワークショップをやったときのパーツの写真です。

図 2 図 3

 図2は実際に作った模型の写真、図3はCGです。

 実は、図1のパーツの六角形のうち、相対する2つの頂点をなくして長方形にしてしまうと、昨日の形状になるのです。

 昔(2003年に)設計した型紙が出てきたので、図だけ載せておきます。

図 4

 昨日載せたパーツの図は、中央から図形の外周までつながっているスリットは長方形の対角線方向でしたが、図4では対角線方向は両方とも2つのスリットに分割しています。

 図4のほうがよい設計だなあと思いました。ただ、これを組むのはかなりむつかしくて、設計した直後には組めたのですが、数年後に組もうと思ったら非常に手こずったのを思い出しました。昔作ったものをすっかり忘れていたなんてちょっとショックでしたが、今回思い出せてよかった、と思うことにします。

<おまけのひとこと>
 本業のほうで、10月から新しい職場で新しいミッションに変わって1ヵ月が経ちました。予想通り緊張したり不安を感じたりすることが多い1ヵ月でしたが、おおむね想定の範囲内だったかなあと思っています。以前は目が覚めたら早朝であっても起きてしまって何かしていたのですが、このところ疲れがひどいので、目が覚めても無理やり布団から出ずに身体を休めるようにしています。その反動か、週末は睡眠時間が短いです。






11月4日(火) 折り畳むパズルの特許公開公報

 先日、折り畳むパズルで8種類の問題ができる配置について、webで公開されている情報をもとに、こんな図を紹介しました。

2014年10月30日の再掲図

 その後ちょっと調べてみたところ、2007年に出願されている「特開2008-284254:折畳みパズル」という発明が、まさにこの図そのものだということがわかりました。

特開2008-28454より図1,図2

 ただ、私が検索して出てきた情報としては、岐阜物理サークル2005年1月29日(土)の例会で、同じ折り畳むパズルがすでに公開されているのです。最初に考案されたのは結局どなたなのかなあと思いました。

 特許は「先願主義」で、誰が最初に発明したかではなく、誰が最初に出願したかで権利者が決まります。ただし、出願時にすでに「公知になっている場合」は権利が与えられません。「公知になっている」というのは、雑誌等で広く公開されている状態です。また、出願しただけで権利になるわけではなくて、「審査請求」といって、時間とお金をかけて、その発明が本当に「新規性」「進歩性」があることを特許庁の審査官に審査をしてもらって認めてもらうと初めて権利を主張できるようになります。権利を主張するためにもお金が必要で、権利が継続する期間(出願した日から20年間)、毎年「年金」といって、権利を維持するためのお金を支払うことで権利が継続します。

 ちなみに上記の特開2008-28454には、従来例として「特開2006-217983:折り紙パズル(出願人:株式会社ハナヤマ、発明者:植松峰幸ほか)」が挙げられています。

<おまけのひとこと>
 ちゃんと調べていませんが、今回の場合は審査請求をされていないのではないかと思いました。(審査請求ができるのは出願から3年以内です。)






11月5日(水) 変わり絵パズル(その1)

 平面上に紙が畳まれている「おもちゃ」で、「変わり絵パズル」と呼ばれる分野のものがあります。先日来、折り畳みパズルをやっていて、そういえばこういうものもあったなあと思って作ってみました。

図1〜4

 左のものは8cm四方、右のものは5cm四方のサイズで作ってみました。どちらもパタパタと色を変えてゆくことができます。うっすら見えている折り筋のパターンが違うのがわかると思いますが、この2つは全くべつの仕組みになっています。

 どちらも「赤→青→黄→緑→赤→青…」と変化してゆきます。方眼紙でかたちを作って、色紙を貼って仕上げてあります。試作品なので出来上がりが雑です。仕組みは明日以降ご紹介したいと思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 最近また飲酒量が増えていてまずいなあと思っています。






11月6日(木) 変わり絵パズル(その2)

 変わり絵パズルですが、最初に小さなほうをご紹介します。

図 1

 赤→青→黄色の変化までをgifアニメーションにしてみました。この後、黄色から緑に変化するところは、赤から青に変化するのと同じです。

 このように、いま見えている面が外側になるように、真ん中が持ち上がるように二つ折りにして、そのまま開くと次の色が現れる、という変化の仕方をします。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 朝夕だいぶ寒くなってきました。そろそろ車のタイヤを冬タイヤに交換しないといけないです。






11月7日(金) 変わり絵パズル(その3)

 昨日ご紹介した変わり絵パズルですが、考案者はわかりません。昔の子供向けの工作の本に載っていたのをメモしてあったのです。

図 1

 最初に図の左上のように、正方形をW字型に9個つないだものを用意します。(私はグラフ用紙から切り出しました。)あまり厚くない紙がお勧めです。

 これを(見にくいですが)赤い線に沿って山折、谷折してゆきます。最後に両端の正方形が重なりますが(赤い○印)、ここを接着すると出来上がりです。

 最初の正方形9個のうち、両端が重なって接着されるので、実質8個です。その表裏で16面あるのですが、それを4色に塗り分けると、昨日ご紹介したような次々と色が変わる構造にできます。

 簡単に作れるので、試してみることをお勧めします。

<おまけのひとこと>
 今回のものは4つの面を次々と表示できるものですが、6面が切り替わるもの、10面が切り替わるものが発表されているようです。調べてみたいなあと思っています。






11月8日(土) 変わり絵パズル(その4)

 11月5日にご紹介した2種類の変わり絵パズルのうち、大きなほうの色が変わる様子もgifアニメーションにしてみました。

図 1

 今度は「青→黄→緑」の部分です。昨日のものと違って、折り線は4分の1のところにあって、観音開きのように開きます。

 この変わり絵パズルは、図2、図3の構造が4つつながった形になっています。うまくできているなあと感心します。

図 2 図 3

デイリーポータルzの2013年の記事でGoogle折り紙で楽しい待ち時間というのがあったのですが、図2,図3の形で角を丸く落とせば、こんな雰囲気の動きができるのではないかなあと思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この週末、11/8(土)から4日間のお休みを取る予定でした。ところが10月に終わっているはずの仕事が終わらず、休みを取れなくなりました。家族で娘の学校の学園祭に行く予定だったのですが、私だけ行かないことになりました。妻がとてもがっかりしていて、本当に申し訳ないです。






11月9日(日) 変わり絵パズル(その5)

 昨日ご紹介した変わり絵パズル、これも実は情報源は特許公開公報です。「特開2003-029634:多面表示体及びその作成方法(出願人:株式会社アタック 発明者:安城 孝男)」という公報に作り方を含めて紹介されていました。

 この発明も現状のステータスがどうなっているのか調べていませんが、株式会社アタックのサイトを見ると、印刷業からOA機器やトナーカートリッジビジネスをやっているようです。「似顔絵イラスト制作」という業務もあるようなので、デザイナーの方がいらっしゃるのだろうな、そういった方がこんな特許を出願されたのかな、と想像しました。

 このように、絵が次々変わっていく構造というと、正六角形のヘキサフレクサゴンというのが有名だと思います。西山豊先生のヘキサフレクサゴン(hexaflexagon)の一般解という論文が非常に参考になります。

 今回ご紹介した絵が変わってゆく正方形の構造は、テトラフレクサゴンと呼ばれるようです。秋山久義さんの「絵と形のパズル読本」の第4章:ペーパーフォールディングパズルに、いろいろな情報が載っています。大変お勧めです。

<おまけのひとこと>
 秋山久義さんの「パズル読本」シリーズは本当におすすめです。






11月10日(月) 安曇野かかし会グループ展

 先週、11月2日(日)に、友人の山本さんご夫妻が参加されている安曇野かかし会のグループ展を、妻と観に行ってきました。

 会場に着くと、ちょうど山本さんがいらして、それぞれの作品の作者の方に声を掛けていただいて、技法などについて直接いろいろお話を伺えてとても楽しかったです。山本さんの木炭の風景画は、blogで小さな画面で見ているのとは全然違って、本物はすばらしかったです。特に山や空、雲の感じがとてもリアルで驚きました。

 いつも飼っている犬をモチーフにされている山本さんの奥様の版画作品や鉛筆画の作品もとても良かったです。作者の対象への思いを感じられる作品で、個性的ですが癖が強いわけではない、たぶん多くの方が「かわいい」「いいな」と思う作品ではないかと思いました。

 私たちのコンサートにいらして下さった三溝さんの水彩画も素敵でした。特に古いワイン蔵の落ち着いた色調の作品がきれいでした。

 1時間ほど見せていただいた後でお茶までいただいてしまいました。ありがとうございました。こういった作品展も楽しいです。

<おまけのひとこと>
 本業のほうでテーマを5つくらい担当しているのですが、そのどれもが問題を抱えていて、毎日毎日大変です。これを書いているのは11/8(土)なのですが、10日(月)はいろいろ大変な会議があって、どうしたものかなあと思っています。






11月11日(火) ZOOBブロック(その1)

 今週末(11/14)はどんな内容で更新しようかなあと思って、ちょっと地下室を探してみたところ、こんなブロックを買ってあるのを思い出してひっぱり出してきました。

図 1

 これはZOOB(ズーブ)ブロックというもののようです。図1のように5種類のパーツがあります。それぞれのパーツの色は1色しかありません。形と色が1対1に対応しています。潔い、わかりやすい選択だと思います。

 パーツの両端は、ゴルフボールのようなボール型(オス)と、そのボールを包む形状(メス)の2タイプあります。両端がオス型のもの、両端がメス型のもの、オスメス型のものがあります。また、両端をつなぐ円柱の途中に「くぼみ」があるものとないものがあります。この「くぼみ」どうしを組み合わせることができます。

図 2

 図2は基本的なブロックの組み合わせ方を示したものです。「くぼみ」どうしをつないだもの(黄色と灰色)、オスメスのジョイント(黄色と赤)、メス型と円柱をつないだもの(赤と緑)、メスどうしをつないだもの(緑と青)、です。

図 3

 こんなふうに「タイリング」っぽい構造を作ることもできます。これで何か多面体を作ってみようかなと思いました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 これを買ったのはたぶん小淵沢アウトレットのボーネルンドだったと思います。少なくとも5年以上前だと思います。250個入りで7〜8千円くらいしたと思います。






11月12日(水) ZOOBブロック(その2)

 まずは基本の立方体構造をできるだけ少ないパーツ数で作ってみようと思いました。

図 1 図 2 図 3

 図1と図2が同じモデルを別方向から見たところです。両端がメスの青、両端がオスの黄色をクロスさせたものを6セット用意して、それぞれが立方体の各面になるようにつないだものです。とてもしっかりしたかたちになります。

 図3はグレーのパーツ12個で同じかたちを作ったものです。構造はとてもしっかりしていて、お手玉ができるくらい丈夫です。(お手玉はやりにくいですが)

(つづく)

<おまけのひとこと>
 紙折ってる場合だろ…?のkawachoさんの"Compound of Five Tetrahedra"が素敵です。(更新再開のコメントありがとうございました。ずっとお礼を書こうと思っていて書いていませんでした。) いずれ作ってみたいなあと思っていますが、思っているだけかも。






11月13日(木) ZOOBブロック(その3)

 昨日の立方体をちょっと拡張してみました。

図 1 図 2 図 3

 青パーツ2つをクロスさせたものを6セット用意して、それを黄パーツでつなぎました。

 このブロック、意外とかたちが決まりません。ゴルフボール様のオスパーツのくぼみがかみ合って形を保つしくみなのですが、当然くぼみは飛び飛びにあるわけなので、ほんの少しだけ角度を変えるということができないのです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 だいぶ寒くなってきました。






11月14日(金) ZOOBブロック(その4)

 さらに拡張してみました。青と黄色のパーツをクロスさせたものを赤パーツで連結しました。

図 1 図 2

 赤パーツに注目すると、立方八面体骨格になっています。青と黄色が12パーツ、赤が24パーツです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 職場の飲み会がありました。全部で30人近くいるのですが、幹事さんが予定を調整してくれたところ、最大でも参加人数は15名程度ということになりました。出席できるという人数が一番多い日を設定したのですが、結局参加者は9名だけとささやかでした。






11月15日(土) ZOOBブロック(その5)

 ZOOBブロックでこんなかたちを作ってみました。

図 1

 グレーで作った三角形を10個、鎖のように絡ませています。最初に水平に三角形を1つ作って、その3辺に三角形を1つずつ組み合わせて、追加した3つの三角形の残りの2辺ずつ(計6個)に、また三角形を1つずつ組み合わせた形になっています(1+3+6=10)。なので、あまり対称性は高くありません。

 このブロックはどちらかというと図2〜4のような、姿勢を変えて遊ぶようなもののほうが向いているようです。

図 2 図 3 図 4

 サンプルの真似をして作ってみたスキーヤーです。いろいろなポーズをとれるのが面白いですが、バランスやジョイント角の制限があって、思ったポーズを取らせるのがちょっと難しいです。

<おまけのひとこと>
 ZOOBブロックの多面体の写真はまだ数種類ストックがありますが、ご紹介はいったん今日までにします。






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