[Home]-[以前のひとこと]-[2014年3月前半]

以前の「ひとこと」 : 2014年3月前半



3月1日(土) 六本板組木の回転:デザインの変更(設計編)

 6枚の板状の組木ですが、CGでいろいろとデザインを変更してみています。使うパーツの寸法(タテ・ヨコ・高さ)や配置距離や角度を変えると、いろいろとイメージが変わります。その中で、実際に作ってみたいなと思えるかたちがあったので、設計してみることにしました。

図 1 図 2

 図1は一般的な視点から見たところで、図2は回転対称軸方向から見たところです。図2の中心のように、パーツの板の稜(エッジ)が集まっているのがきれいかなと思って、実物を作ってみたくなりました。

図 3

 パーツは図3のように設計しました。これを6枚切り抜いて、折ってつくります。


(つづく)


<おまけのひとこと>
 3月1日(土)は先日の大雪の臨時休業の振替出勤日でした。15時から17時に仕事の月度報告会があって報告をしました。あまり出来が良くなくて、終わった後で隣の職場の部長さんが「言いたいことがよくわからなかったから教えて」と言って、2時間ほど議論というか指導をしてくれました。おかげで帰るのが遅くなってしまいましたが、ありがたいことです。

 実家から連絡があって、先日の大雪で屋根が傷んでしまったとのこと。心配ですが見に行くこともできませんでした。でも、修理の手配はできたということで、よかったと思っています。






3月2日(日) 六本板組木の回転:デザインの変更(制作編)

 昨日のデザインの模型を実際に作ってみました。

図 1 図 2
図 3 図 4

 図1と図2は昨日のCGと同じような方向から見ているものです。図3は、同じく3回回転対称軸方向から見ているのですが、図2とは逆の方向から見ているものです。図4は板状パーツの一番広い面の法線方向から見ているものです。中心に立方体があるのがイメージできます。

 実際に作ってみて、満足しました。やっぱり実物はいいです。

<おまけのひとこと>
 実はこの模型をデザインして制作したのは、お正月休みです。もういくつか、そのときに作った模型があるので、おいおい掲載したいと思っています。








3月4日(火) 素数の分布について

 珍しく平日の更新です。

 素数の間隔で新定理発見 極端な偏りなく分布、米英数学者

という記事がありました。記事の説明にはいろいろ疑問を感じるところがありましたが、非常に面白い話だと思います。

 素数というのは、1と自分自身以外では割り切れない数で、小学生でも簡単に理解できる概念なのですが、数学においてとても面白い対象です。たとえば素数に関して未解決の予想に、「双子素数が無限に存在する」というものがあります。双子素数というのは、差が2の素数のペアのことで、たとえば3と5、11と13、29と31などが双子素数になります。

 素数が無限に存在するというのは古代ギリシャの時代から知られていて、その証明も非常に面白いものがたくさんありますが、双子素数が無限に存在するのか、それとも有限個しかない=最大の双子素数が存在するのか、未解決です。多くの数学者は双子素数は無限に存在すると考えていますが証明されていません。

 素数の間隔というのは、数が大きくなってゆくとどんどんまばらになっていきます。素数以外の数を合成数というのですが、たとえば、連続して素数が現れない区間(合成数が連続する区間)というのは、いくらでも長い区間があることを示すことができます。100でも1万でも1兆でも、合成数が連続する区間があるのです。

 N個の合成数が連続する区間というのは、

(N+1)!+2, (N+1)!+3, ..., (N+1)!+(N+1)

がそうです。!は階乗の記号で、たとえば4!ならば 1×2×3×4を表します。(N=10,000とかにすると、その階乗といったらものすごい桁数になりますが。) (N+1)!+2 は2で、(N+1)!+3で、... (N+1)!+k  は k で割り切れる(ただし 2≦k≦N+1)のは明らかだと思います。

 では、数が大きくなってゆくと、素数どうしの距離は離れる一方になるのでしょうか? 双子素数予想は「そうではない」と予想しているのです。いくら素数がまばらになっていったとしても、どんなに大きな数を考えても、それより大きな双子素数はある、と予想しているのです。

 今回の発見は、「差が600以内の素数のペアは無限に存在する」=「どんなに大きな数を考えても、それより大きくて、差が600以内の素数のペアが存在する」と言っているのです。昨年の春に、「差が約7千万の素数のペアが無限に存在する」ということが示されて、その数字が大幅に引き下げられたのがこの結果のようです。

 想像もできないような大きな数字、たとえば桁数が1億桁とかの数字を考えても、それを超える、差がわずか600以内の素数のペアを必ず見つけることができるのです。600の差なんて、1億桁のうちのわずか3桁です。

 さきほどの話で、1億桁の数字(1億そのものではありません。1億はわずか9桁の数字にすぎません。)が表す数値の数だけ合成数が連続する区間だって存在するのです。でもそれよりもさらに先にも、差がわずか600以内の素数のペアが無限に見つかるのです。

 面白いなあと思います。

<おまけのひとこと>
日曜日の晩に娘が帰省してきました。お酒が飲めるようになっていて驚きました。このサイトを開設したのは14年前、当時はまだ小学校にあがる前だったのに、もう成人です。感慨深いです。






















[←2014年2月後半]  [↑表紙へ]  [2014年3月後半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2014年3月前半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2014 hhase