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以前の「ひとこと」 : 2010年10月後半



10月16日(土) アンサンブル・ゼファーのコンサートのお知らせ

 今年も、私の所属する古楽アンサンブルのグループ「アンサンブル・ゼファー」のコンサートを開催します。場所は例年と同じ、ハーモニーの家です。昨年までの反省を踏まえ、今年はプログラムはやや短めにしております。(もちろん無料です。)休憩時間には簡単なお茶等のサービスも致しますので、お近くの方でお時間がある方はお出かけください。

第5回 アンサンブル・ゼファーコンサート
日時:2010年11月6日(土)
14:00開場 14:30開演
(16:30終了予定)
場所:三井の森 ハーモニーの家 渡邉暁雄メモリアルホール
入場料:無料

 今年は音大でチェンバロを学んできたという方が新しくメンバーに加わり、その方の2段のチェンバロを提供していただけることになっています。

<おまけのひとこと>
 コンサートまであと3週間、先日「親知らず」を抜いたため2週間ほど笛が吹けず、「こんな時期に歯を抜いたのは失敗だったかも」とやや反省しています。ただ、急に痛み出しても困るので、仕方がなかったかなあとも思うのですが。






10月17日(日) ドイツ語のウムラウトの入力(MS Word)

 コンサートのプログラムの原稿を書いています。自分が何かのコンサートを聴きに行ったとき、曲目解説や歌曲の対訳を読むのが楽しいので、充実したものにしたいと考えています。(例年8ページくらいになります。)

 ドイツ語やイタリア語の歌詞の入力のとき、ウムラウト(母音の上に2つの点が並んだ文字)やエスツェット(ギリシャ文字のベータみたいなかたちの文字)、母音の上にグレイブ・アクセント(バックスラッシュ)が着く文字などを入力しなければなりません。

 これらの文字をMSワードで入力する方法を調べてみたところ、基本は [Ctrl]+[その記号]を押した後に、その母音を入力するという方法で入力ができることがわかりました。ウムラウトならば[Ctrl]+[:]の後で母音(a,o,u等)です。エスツェットは[Ctrl]+[Shift]+[&]の後でSだそうです。

<おまけのひとこと>
 使う機会はほとんどありませんが便利ですね。






10月18日(月) 吉崎もとぞう

 先日見学してきた、吉崎もとぞう「紙のアート展」で展示されていたアイディア試作品の1つをまねして作ってみました。

図 1 図 2

 シンプルですけれども面白いですね。

<おまけのひとこと>
 実はこれ、今朝(10/18の朝)の更新のときにあわてて作ったものです。ちょっとした試作に用いるB6サイズ(182×128mm)の「キャンパス・カード」という情報を整理するカードを用いています。このカードは大学生協とかで売っているもので、表には罫線、裏には5mm方眼が薄く印刷されている厚手の丈夫なカードです。














10月23日(土) 鍵盤?

 忙しくて、また1週間ほど更新をお休みさせていただいてしまいました。しばらくはこんなペースでの更新になりそうです。すみません。



 これ(図1)は先週撮った写真なのですが、何の写真だかわかりますか?(すぐ下に正解の図2があります。)

図 1

 先週、仕事で別の事業所に車で外出しました。その事業所は、自家用車通勤者が4,000人を超えるような大所帯なところで、外出者用の駐車場も複数箇所にあります。自家用車での外出入場者は事前にwebアプリケーションの予約システムで予約をする仕組みになっているのですが、入り口に近い便利な駐車場はすぐに予約でいっぱいになってしまいます。今回も遠い駐車場になってしまって、やれやれと思っていました。

 仕事を終えて駐車場に戻るときに歩道橋を渡りました。バリアフリーのゆるやかな斜面が併設された階段がついているのですが、その踊り場のところに、図1のような影ができていました。光源はオレンジ色の街灯なので、影といってもひじょうにおぼろげなものです。いつも携帯しているデジタルカメラで3枚ほど写真を撮ってみました。

 自宅に戻って画像を確認してみると、予想通り「真っ暗」な画像でした。極端なガンマ補正をしてみると、とてもノイズが多いものの、何を撮ったか確認できる程度の画像にはなりました。図1、図2はそのような補正後の画像です。

図 2

 ご覧の通り、歩道橋の手すりの縦軸のところに、ホームベースを縦長にしたような五角形の板がついています。その影が図1のように鍵盤のように見えたのでした。

<おまけのひとこと>
 このところとても忙しくて大変です。






10月24日(日) テノールとリュート・チェンバロのコンサート

 昨日(10/23)、John Elwes(テノール)と渡邊順生(リュート・チェンバロ)のコンサートを聴かせていただく機会がありました。

 チェンバロの弦は通常は金属弦です。鉄とか真鍮の様々な太さの弦を張ります。一方、リュートというのはガット弦(羊の腸)を張ります。音色はぜんぜん違います。金属弦は鋭くて硬い音、ガット弦は柔らかい音がします。リュート・チェンバロというのはガット弦を張ったチェンバロで、ラウテンクラヴィアとかラウテンヴェルクなどとも呼ばれるそうです。

 いつも楽しみに拝見している、梅岡楽器のブログ「チェンバロ漫遊日記」の2010年5月の21日あたりから、鍵盤奏者の渡邊順生さんが所有されているリュート・チェンバロの紹介と、その楽器を使ったヨハネ受難曲の話が書かれています。その時に、受難曲では最も重要な役割を受け持つ福音史家(エヴァンゲリスト)がJohn Elwesだったのだそうです。(3月に安曇野でチェンバロの福間彩さん、リコーダーの宇治川朝政さんと一緒にコンサートをされたソプラノの広瀬奈緒さんもこのときのヨハネで歌われたそうです。この時期もとても忙しかったので聴きに行かれなかったのですが、返す返すも残念です。)

 それはともかく、毎年自分たちのコンサートをやらせていただいている、大変響きのよい「ハーモニーの家」のホールで、あの渡辺さんのリュート・チェンバロの伴奏で一流のテノールが聴ける、というのでとても楽しみに行ってきました。

 プログラムは、前半がダウランドが5曲と、Nicholas Lanier(1588-1666) という作曲家のグラウンドが1曲と、その後で鍵盤独奏でフローベルガーの組曲20番(プログラムには30番となっていましたが、急遽20番ということでした)とフェルディナンドIII世への追悼曲、最後にパーセルの歌曲が3曲と鍵盤独奏の小品(有名な A New Groundともう1曲)でした。後半はバッハのリュート組曲第1番(BWV996)とリュートのための作品(BWV998)を鍵盤独奏で演奏され、最後にアイリッシュソングが5曲でした。アンコールの1曲を除き、全てが英語の歌でした。

 本当にすばらしい演奏で、とても感激しました。歌の表現の繊細さ、美しさは感動的でした。こういうプログラムを、イギリスの生粋の超一流のテノールの演奏で、響きの大変よい小さなホールで間近に聴けたというのは本当に得がたい幸運でした。

 このお二人は、10月29日(金)に大阪のいずみホールでシューマンの歌曲のコンサートをされるそうで、近ければぜひ行きたいところですが行かれません。残念です。なお、いずみホールの演奏家紹介のJohn Elwesのページはわかりやすくてお勧めです。

<おまけのひとこと>
 クラシックのテノール歌手といっても、イタリア系の「三大テノール」のような歌手もいれば、古くはヘフリガーとかシュライヤーといったドイツ系の歌手もいますが、最近だとボストリッジとかのイギリスの端正なテノールが古楽には合っているような気がしています。本当に「いつまでも聴いていたい」と思えるような、すばらしいテノールでした。






10月25日(月) リュート・チェンバロ

 コンサートの話の続きです。鍵盤の独奏で、バッハのBWV996(リュート組曲第1番)と、BWV998(プレリュード、フーガ、アレグロ)が演奏されました。これがまた本当にすばらしかったのです。

 バッハがリュートのために作曲したと思われる曲はあまり多くはなく、バッハ作品番号(BWV)の955〜1000と1006aの7曲がリュートのための曲だろうと分類されています。これらの曲をギターで演奏できるように編曲された楽譜が現代ギター社とか全音楽譜出版社とかから出版されています。

 30年ほど昔、私がまだ高校生だったころから、ギターでバッハを弾きたくてこういった楽譜を少しずつ買い集めて手元にそろえてきました。いまだにまともにはほとんど弾けないのですが、今回久しぶりにリュート・チェンバロでこれらの曲を聴いたので、久々に楽譜を取り出して眺めてみました。(コンサートが近いのに、そんな時間があれば練習をすべきなのですが…)

図 1

 見てみたのは「現代ギター 1981年10月臨時増刊」の、名曲演奏の手引きPART3「バッハ/リュート作品のすべて」という本です。紙の質は率直に言ってあまりよくないのですが、情報量はすばらしいです。たとえばBWV996(リュート組曲第1番)の筆写譜には“aufs Lauten Wercke”(ラウテンヴェルク=リュート・チェンバロで)と書かれていること、楽譜が2段譜表でのこされていること、当時のリュート曲はタブラチュア(現代でいうところのギターのタブ譜)でかかれることが普通であったこととか、日本の上野学園が所蔵するBWV998の自筆譜には“pour la Luth o Cembal”(リュートもしくはチェンバロで)と書かれていることなどがちゃんと解説されています。また、この本にはギターで弾ける全曲の楽譜と、二段譜やタブラチュアの原典ファクシミリが掲載されており、それぞれの曲の解説もすばらしいのです。

 時代を感じさせるのは掲載されている楽器の広告で、YAMAHAのクラシックギターが、たとえば5万円、7万円、10万円、20万円…などというモデルが掲載されているすぐ隣に、ルネッサンスリュートが8コースのモデルが8万5千円、10コースが12万5千円などと出ています。30年前は、クラシックギターと同じくらいの値段でリュートが輸入販売されていたのか、とびっくりします。

 …話が逸れましたが、リュート・チェンバロは歌ととてもよく合う楽器で、羨ましくなりました。リコーダーやフルート(トラヴェルソ)の通奏低音としても、独奏楽器としてもすばらしいと思います。また機会があったらぜひ聴きたいなと思いました。

<おまけのひとこと>
 当時の8万5千円は決して安い値段ではありません。大学生のころ、私は奨学金とアルバイトで学費と生活費を自力でまかなっていましたが(ちなみに自宅からの通学ではありませんでした)、それでも20万円台のパソコンを買ったり、15万円くらいで当時出たばかりの電子ピアノを買ったりしていました。今考えると、当時リュートを買っておけば…と悔やまれます。








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