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以前の「ひとこと」 : 2009年3月後半



3月16日(月) 四角柱30本を組む(その1)

 このところ、「平行する3本を4つの方向に組む」という12本組をいくつもご紹介しています。この系列のモデルにはまだストックがあるのですが、今日はその次のステップの、「平行する5本を6つの方向に組む」30本組をご紹介しようと思います。

図 1

 一般的な視点から見たところです。ごちゃごちゃして見えるかもしれません。それぞれのパーツはそれなりの長さがあります。

図 2 図 3

 5回回転対称軸方向から見たところ(図2)と、3回回転対称軸方向から見たところ(図3)です。複雑に見えますが、とてもきれいだと思います。

図 4

 今回はパーツもご紹介しておきます。こんなパーツを30枚切り出して作ります。私はA4の用紙に12枚はいるようにレイアウトして、3枚印刷して切り出して作りました。(これだと余りが出ますが、仕方がありません。)組むのはとても大変でした。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 さて今週も忙しいです。
 最盛期に比べて、このページのアクセスカウンタの増え方はだいぶゆっくりになりました。更新が途切れがちですし、マニアックな内容なので、これでも多すぎるくらいだろうとありがたく思っています。先週末くらいにカウンタも49万を越えたようです。いつもご訪問くださる方がどのくらいいらっしゃるのかわかりませんが、本当にありがとうございます。
 2009年度は08年度よりももう少し更新のための時間が取れるといいなあと思っています。今後ともよろしくお願い致します。






3月17日(火) 四角柱30本を組む(その2)

 昨日の更新で、図2が5回回転対称軸方向、図3が3回回転対称軸方向からの写真です、といって掲載したのですが、その2つは同じ画像だったということにさきほど気が付きました。「自分で気が付いた」というところにちょっとがっかりしています。「過去のひとこと」のページのほうは修正してありますのでご覧ください。

 さて、この30本組ですが、全部組み上がれば丈夫で安定した構造になるのですが、途中は不安定です。パーツを設計して印刷して切り出し作業をしながら、これはいったい組めるのだろうか、どうしたものかと思案していました。

 考えたのは、何か適当な大きさの半球状のものの中で組めばいいのではないか、というやり方です。適切なサイズのおわんとかボールとかがないかな、と思って探してみたのですが、そうか、こういう時にこそ多面体ブロックを使えばいいのでは、と思い付きました。

図 1 図 2

 途中の写真は撮っていないのですけれども、図1のようにJOVOブロックの五角形パーツを6枚使って、正十二面体の半分のかたちを作って、その中で組み立てました。大成功でした。サイズがぴったりでよかったです。

<おまけのひとこと>
 最近、またアトピーがひどくなってきて難儀しています。これまでは首や顔には出ていなかったので、あまり目立たなかったのですが、最近は首や額、こめかみや耳や頬がひどくなって、おそらく周囲の方には不愉快なおもいをさせているだろうと思うと少々憂鬱です。






3月18日(水) 菱形六面体

 先日、リスーピアのワークショップで使った菱形六面体の写真を載せました(再掲図)。これは対角線比が黄金比になっている菱形でした。

再掲図

 実はその前に、もっと正方形に近い菱形を使った菱形六面体にしようか検討をしたのでした。そのときに作ってみた菱形六面体の写真を紹介します。

図 1

 図1の4つの立体は、いずれも同じ菱形から作った菱形六面体です。菱形の鋭角と鈍角はそれぞれ85°と95°にしてみました。(特に意味はありません。)このくらい正方形に近い菱形だと、鋭角型六面体と鈍角型六面体の違いがぱっと見わかりにくいです。そこが面白いかな、と思って作ってみたのですが、ワークショップ向けではないなと思って、採用を見送りました。

 図1の4つのうち、どれが鋭角型菱形六面体(鋭角が3つ集まる頂点がある菱形六面体)で、どれが鈍角型菱形六面体(鈍角が3つ集まる頂点がある菱形六面体)かわかりますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は朝から上の子の中学校の卒業式でした。朝からあいにくの雨の中、これで今年度のPTAの仕事も最後と思いながら学校に行きました。卒業証書授与やいろいろな方の挨拶、合唱などをききながら、中学時代のあの独特な感慨や感傷をなつかしく思い出しました。よい卒業式だったのではないかと思います。
 標高およそ1,000mのところにある中学校なのですが、会場の体育館は暖房がなくとても寒くて2時間あまりの式は大変でした。卒業式が終わってから出社して、夜遅く帰宅して、「今日は寒かったね」と子供に尋ねたら、それでも前日のリハーサルよりはだいぶましだったとのことでした。






3月19日(木) 傾いた三本組木

 菱形ベースで三本組木も作って見ました。角度は昨日の菱形六面体と同じです。このくらいの微妙な角度だと、特に写真に撮ってしまうとぜんぜんわかりません(私には)。

図 1

 実物を肉眼で見ると、片方は傾いているということがわかるのですが、どちらだかわかりますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 景気が悪くていろいろ暗い話が多くて気が滅入ります。










3月22日(日) バッハ

 週末ですし、ちょっと音楽の話題を。

 次の週末の金曜日に、ロビーコンサートにお手伝いでちょっと出演するのですが、その主催をしているPapalin氏のblogに、「バッハの音符たち」のレビューが紹介されていました。(私もこの本は好きで、このシリーズのうちの「ブラームスの音符たち」の感想を05年4月24日に書いていました。それはともかく、)それを読んで、ちょっと思い出したことを書き留めておこうと思いました。

 自分が高校生くらいのころからバッハが好きになりました。当時は家にあったレコードの全集で作曲家の生涯を知り、いわゆる「名曲」を聴きました。幸か不幸かバッハは器楽曲しか聴いたことがありませんでした。(家にはいくつかの全集があったのですが、その中に無伴奏チェロ組曲の5番が全曲入っているものがあって、この曲にはすごくはまりました。これがリュート組曲の3番と同じ曲だと知って、全音のギターピースの楽譜を買って一生懸命練習したのですが、一番弾きたかったプレリュードは結局途中の山場を越せませんでした。)

 大学に入って、いろいろな音楽サークルをめぐった挙句、バロックの合唱団に入りました。半分以上は社会人の方の団体で、当時は20〜30人くらいはいたでしょうか。(後にもっと少人数の団体になりました。)その最初の年のサークルのクリスマス会のときに、バッハの h-moll (ロ短調ミサ曲)を歌おう!ということになりました。クリスマス会は、いつも練習会場にしていた大学の記念館だったかの古い古い建物で、練習の後に続けてひらかれたのですが、楽譜が何冊か取り出されて、誰かがピアノを弾きはじめ、みんなが思い思いに近くの楽譜を覗き込んで、人もパートもばらばらの配置で歌いました。

 最初の長い“キリエ”を歌いました。恥ずかしながら私はh-mollを歌うのはもちろん、聴くのも初めてで、もちろん楽譜を見るのも初めてでした。モダンピッチのピアノの伴奏で、もともとバリトンの声域の私にはバッハのテナーはかなり厳しい音域でした。(ミサ曲ですから、歌詞は同じ繰り返しなので難しくありません。)でも、歌いながら曲のあまりの美しさ、すばらしさにもうとても感動してしまって、この曲をそれまで知らなかったことに対する無念さと、バッハの声楽曲より器楽曲の方が上だという浅はかで誤った思い込みに気付いた恥ずかしさと、この曲を知ることができ、歌うことができる喜びと、音域の苦しさと楽譜を追う忙しさで、それこそ顔を真っ赤にしていた記憶があります。

 この曲(第1曲目のキリエ)は五声のフーガなのですが、それぞれがばらばらの位置にいるので、いろいろなところからいろいろなパートが聴こえてきます。また、同じ楽譜をのぞきこんで歌っている隣の人が違うパートだったりするのです。h-mollのキリエの、あのしつこく何度もうねるような畳み掛けるような音の動きに包まれて、夢心地でした。もう25年も前なのに、今でも思い出すことができます。

 その後、CDなどでこのロ短調ミサ曲の演奏をたくさん聴きました。正式に演奏会などで歌ったことは結局ないのですが、練習では何度も歌いました。でも、この初めての時のショックというか感動を超える体験は結局ありません。この曲についても、音符や小節の数やら構造やら、やはりかなり分析されたり意味づけされたりしている解説も読んだり、また練習を指導して下さった先生から伺ったりしましたが、だから余計に感動したかというと、そうでもなかったと思います。

 その後この団体は人数が減少して、各パート2〜3人くらいの小規模な合唱団になりました。そんな人数で教会でバッハの初期のカンタータ(4番とか106番とか)を歌ったりしていました。これはこれでとても楽しかったのですが、自分が演奏した(もしくは聴いた)バッハの中で一番感動した体験は、やっぱりあの初めてのロ短調ミサ曲です。こんな風にこの名曲に出会うことができて本当に幸せだったと思います。

<おまけのひとこと>
 この「あそびをせんとや」のリンク集を新しくしなければいけないなと思い続けてすでに7年(!)も経っています。我ながらあきれるしかありません。2001年に私と一緒にリコーダーアンサンブル、バロックアンサンブルを始めてくれたT氏のblogをいつかご紹介しようと思っていて、いまだにご紹介していませんでした。こちらのDifferent Drumsという、音楽と本のblogです。ぜひご一読ください。(私のページと違って音楽の話題は幅広いです。)

 今年度PTAで大変お世話になった(先日OskerのKeyMazeを下さった)Nさんからメールをいただきました。「このところ以前のページが文字化けして覗けなくなっています」とのことです。わざわざお知らせ下さって本当にありがとうございます。私の自宅の環境は今はWinXPのHome Editionがメインで、IE6とIE7くらいしかすぐには試せないのですが、私の環境からアクセスする限り、特に問題はないようです。NさんはMac使いで、おそらく環境が違うのですが、試せません。今度、外から別の環境でアクセスしてみないといけないなと思いました。このページをご覧下さっている方で、過去のページが文字化けしたり乱れたりして読めないということがもしあるようでしたら、大変お手数ですがお知らせ頂けるとありがたいです。(こういうときはblogのように簡単にコメントがいただけるような仕組みのほうがよいのでしょうね。)






3月23日(月) 菱形二十面体

 最近、菱形多面体を紹介しています。菱形多面体というと、対角線比が1:√2の(シルバー比の)菱形12枚による菱形十二面体が最も対称性の高い美しいかたちだと思います。

菱形十二面体

 これ以外に、対角線比が黄金比( 1 : (1+√5)/2 )の菱形による、別なかたちの菱形十二面体、菱形二十面体、菱形三十面体といった菱形多面体があります。この中でも対称性が高いのは菱形三十面体で、これはいろいろな手法で模型を作ったことがありますが、実は菱形二十面体の模型を作ったことはなかったと思います。少なくともここ「あそびをせんとや」でご紹介をしたことはないと思います。

 以前、帯を編む手法でいろいろな多面体を作ったものをご紹介しましたが、そのときに菱形二十面体のパーツの設計だけはしてあったのです。でも、どうせ手間をかけるなら対称性が高い美しい形を作りたいと思って、設計だけでとどめていたのでした。

 最近また菱形多面体に興味が出てきて、一度はこれを作らないといけないなあと思ったものですから、この連休に作ってみました。

図 1

 図1は、菱形二十面体の対称軸方向から見たところです。5回回転対称(C5対称)のかたちをしています。菱形三十面体は、このようなC5対称軸が6本あるのですが、この菱形二十面体はC5対称軸は1本しかありません。図1では中心に5つの菱形が桔梗の花のように集まっていて、その外側に5つの菱形があって、10面が見えています。この10面によるお皿のようなかたちを2枚上下に貼り合わせると、菱形二十面体ができます。

図 2 図 3

 図2,図3は横から見たところです。図2は画面中央の垂直方向がC5対称軸になっています。この方向からだと、これが菱形十二面体を横から見たところだという印象がまだ残っているのですが、図3の方向から見ると、この立体がどんなかたちなのか、ぱっと見て判断するのが難しくなるのではないかと思います。

図 4

 「ぷるぷる立体画像」にしてみました。いかがでしょうか。こういうかたちは手にとってさわってみて、いろいろな方向から眺めてみて、どんなかたちなのか感じてみるのが楽しいです。

<おまけのひとこと>
 楽器屋さんに行ったら、「駐車禁止」の立て札に譜面台が使われていました。



 楽器屋さんらしいといえばその通りなのですが、なんだか譜面台が可哀想になりました。譜面台というのは屋外で使われることもありますけれども、さすがにこれは本来の譜面台の仕事ではないだろうと思います。






3月24日(火) 機械式時計

 今年のお正月に、「大人の科学」シリーズの「棒テンプ式機械時計」というのを買いました。

図 1

 針は長針しかありません。文字盤が透明なのがいいです。下に錘をつけて、その重みで棒が往復回転運動をすることでゆっくり時を刻みます。写真上部に、黒い2つの玉が棒に刺さっているようなものが写っています。これが鉛直方向を軸に、行ったりきたりの回転運動をします。2つの玉の位置を中心から遠ざけると速度が遅くなり、中心に近づけると速くなります。これで時計の進み具合を調節します。

 悩みは、「すぐにとまってしまうこと」と、「おもりがかっこわるい」ことです。おもりは、付属の丈夫な黒いビニール袋に使用済み乾電池をたくさん入れているのですが、これが家族に不評で、「ごみ袋みたい」と言われます。説明書きには「おもりは300g程度が望ましい」と書かれているのですが、この重量の、おもりとしてふさわしいものが家の中で見当たりません。説明書にはペットボトルに水を入れたものを使ったりもしているのですが、それはそれであまり見栄えがよくありません。

 結局、ホームセンターまでおもりを探しに行ってしまいました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 先週末くらいからだいぶ暖かかったのですが、昨夜からまた寒くなっています。寒暖の差が激しくてたいへんです。






3月25日(水) 機械式時計(その2)

 「大人の科学」シリーズの「棒テンプ式機械時計」の話のつづきです。格好のいい「おもり」を家の中で探したのですが見つからなかったので、ホームセンターまで見に行きました。

 お勧めの重さは300gということだったので、だいたいその程度だろうと思えるものをいろいろ探しました。最初は金属製の工具はどうだろう?と思って見てみたのですが、300gというのは意外と重くて、通常の工具だとそれほどの重量はなさそうなのです。もちろん巨大な工具は別ですが、それだと値段も大きさもかなりなものになってしまうので、さすがにそれはちょっとどうかと思いました。

 そんな中で「これは!」と思ったのは南京錠です。それこそ蔵か何かに鍵をかけるためのものでしょうか、かなり大きくて重量もありそうなものが見つかりました。デザイン的にも、機械時計にぶら下がっている大きな南京錠というのは、「黒いごみ袋風のビニール包み」に比べればかなり改善されるのでは、と期待できます。

 ほとんどこれを買おうと決めた後、一応もう一回りだけお店の中を見てみようかと思って丁寧に店内を回ってみたところ、なんとそれまでには気が付いていなかった、そのものずばりの「錘(おもり)」を見つけました。しかも、重量も50g単位で選べるようになっています。

 これは、糸につるして垂直出しをして位置を決めるときなどに使う錘でした。「ふれ止め」機構がついていて、従来製品よりも揺れがおさまるのがはやい、などと効能書きも書かれています。デザイン的にも赤と銀色で、時計の「黒・赤・銀」のデザインにマッチしています。南京錠はやめてこちらを買うことにしました。

図 1 図 2

 早速、時計につるしてみました。デザイン的には気に入りました。満足です。

<おまけのひとこと>
 実はこの機械時計キットも錘も、買ったのは今年のお正月で、そのため値段を忘れてしまいました。錘の値段は確か千数百円だったと思います。ちょっと高いかな、とも思ったのですが、でもいつまでも「黒いゴミ袋風」なのはいやだったので、思い切って買ってしまいました。
 この機械時計、時計としては全く使えません。しかもきまぐれに止まります。でもかちかちと動いている様子が好きで、いまだに壁にかけてあります。この文章を書いているたった今は止まっていますが…






3月26日(木) 日時計

 今日は忙しいので写真だけです。こんな日時計をみかけました。

図 1 図 2

 針や棒が文字盤に落とす影を読み取るタイプとは逆の、文字盤のほうの影を読む方式です。シンプルですが、いいデザインだなと思いました。

<おまけのひとこと>
 今朝は道路にうっすらと雪が積もっています。また寒いです。冬タイヤをまだ交換していなかったのですが、正解だったと思っておくことにします。








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