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以前の「ひとこと」 : 2008年8月後半







8月18日(月) 光るボール

 以前から欲しいなと思っていた、内側と外側が入れ替わるボールのおもちゃを見かけました。値段といい作りといい、オリジナルではないのですがつい買ってしまいました。

 気になったのが「光るボール」と書かれて売られていたことで、おそらく花火大会とかのお客さんがターゲットだったのだと思うのですが、何がどう光るのかわからないところが不安でした。最近、10年光続けるとかいう微量の放射性物質を用いたものが話題になったばかりですし、見た感じちょっと蛍光っぽいイメージもあったのです。

 帰宅してあけてみると、実はLEDが1個仕込まれていて、裏返るときにスイッチが入るようになっていて光るのです。

図 1 図 2 図 3

 ちなみに値段は300円でした。

<おまけのひとこと>
 今日から仕事です。忙しい・・・






8月19日(火) 万華鏡

 お盆に実家に行ったときに、万華鏡を見せてもらいました。外見はこんな感じです。

図 1

 写真だと大きさがわかりませんが、7〜8cmくらいのかわいい大きさです。

図 2 図 3

 万華鏡作家の細野朝士さんという方の作品だそうです。検索してみると、こちらとかこちらに情報がありました。実家にあったのは2ミラータイプというもので、実際の景色の中のごくごく細い鋭角二等辺三角形が切り取られて、それが正多角形を構成するものでした。写真の実家のものは正十九角形タイプで(図3の内周部分が数えやすいので数えてみてください)、景色のどの部分かはわかりにくいですが、繰り返しパターンの模様の美しさは格別でした。

 ちなみにデジタルカメラで撮影した都合上、若干視野が狭いですが、本物は完全に円形の像が見えます。実際に切り取られている風景が何なのかはほとんどわかりません。図2のほうは、レースのカーテン越しに庭の緑が見えている角度です。

 例えば、デジタルカメラの写真から鋭角二等辺三角形を切り出して画像処理でこの万華鏡の画像を作ったらどうなるかというと、こんな風にはおそらく見えません。図2をご覧頂くと、視野の左上、時計の文字盤で言えば10時〜12時あたりが白く明るく、その反対の右下の3時〜5時あたりが緑がしっかり見えて若干暗くなっています。この自然な光や色の分布が、あたかも実際のドームを見上げているように見えるのが、この万華鏡の美しさの理由のひとつなのかな、と思いました。

<おまけのひとこと>
 お盆も過ぎて、風が秋風になってきました。朝夕はだいぶ涼しい、というか肌寒い感じになってきました。






8月20日(水) 万華鏡のシミュレーション(その1)

 昨日ご紹介した、細野朝士さんの2枚の鏡を使って正多角形のパターンになる万華鏡、とても気に入ったのでコンピュータグラフィックスで真似をしてみることにしました。こんなときにはいつも使っている Povray を利用します。

 実際の景色を使う代わりに、写真の画像を使います。細かい構造がある写真のほうがおもしろいかな、と思って、とりあえず手元のデジタルカメラのメモリカードに入っていた写真の中から、図1の画像を選びました。

図 1

 余談ですが、これは今年の5月に長野県の中込の龍岡城五稜郭に行った時に撮った写真です。もみじの木に花が咲いている(のだと思うのですが)のを初めて見ました。

 この写真を、下の図2のようにコンピュータグラフィックスの世界の中に置きます。そして鏡に相当する2枚の板を置きます。この2枚の板の隙間に視点を移動して、写真の位置を上下左右に移動してみたのが、以下の図3〜図6の画像です。

図 2

 (注:図2では、板が識別しやすいように、表面の反射率を下げています。)

図 3 図 4
図 5 図 6

 いかがでしょうか。本物の万華鏡の美しさをご想像いただけたでしょうか? ちょっとテクスチャが細かすぎて少々不気味と感じる方もいらっしゃるかもしれません。 本物のほうはもっとはるかにコントラストが高く、明るいところは輝いていますし、暗い所はしっかり沈みます。通常の写真やディスプレイの画像に比べて、はるかに美しいです。また、色もパターンも多様です。CGではとても太刀打ちできないと思います。

 とはいえ、CGで作ってみるにはとても手頃です。画像そのものと、鏡に相当する板を2枚配置して、あとは光源と視点を設定すれば終わりですから、極めて簡単にシミュレーションができます。CGの心得のある方には大変お勧めな遊びです。

 いつも楽しみに拝見しているMrtn Directoryさんが、6つのユニットが互いに押さえあう構造の正八面体モデルを公開されています(こちら)。これ、濱中さんのページで、角張ったORB(2004年9月17日公開)というタイトルで公開されているものと同じですね。私も、これを拝見して早速04年9月18日のひとことで、同じユニットを使った別な準正多面体を作ってみました。

再掲図

 このコメント、"Mrtn Directory" さんの blog に簡単に書き込もうと思ったのですが、URLが入っていたのがいけないのか、スパムコメントだと認識されたようで、書き込めませんでした。ですので自分のページにこっそり書いておくことにしました。あまり意味がないかもしれませんが…

<おまけのひとこと>
 龍岡城五稜郭は、函館と並んで日本ではたった2か所しかない洋風の五稜郭で、とても面白いところです。この図1の写真を撮ったあとで田口峠を越えて群馬に出るルートを走ったのですが、とても楽しかったです。龍岡城五稜郭とその近辺の峠紀行については、消失点よりVTR250峠のコーナーの田口峠に至るまでがお勧めです。






8月21日(木) 万華鏡のシミュレーション(その2)

 細野朝士さんの2枚の鏡を使って正多角形のパターンになる万華鏡のCGによるシミュレーションの2回目です。 今日は、先日ご紹介した光るボールの画像をベースに万華鏡CGを作ってみることにしました。

再掲図

 昨日のもみじの花の画像をベースにした万華鏡CGは、ミラー同士の角度を (180/11)度にしていて、正11角形のパターンに見えましたが、今日のものはミラー同士の角度を(180/19)度にして、正19角形のパターンにしてみました。そのため、反射回数が大きくなる画面上方になると、かなり暗くなっています。

 さらに、連続的に元画像の位置を動かしたときに見える万華鏡パターンの変化をフラッシュムービーにしたものを2枚鏡の万華鏡のCGのページに置きました。よろしければご覧下さい。

 本物の万華鏡も、ゆっくり視点を動かしていくとこんな風に映像が連続的に変っていきます。

<おまけのひとこと>
 Mrtn Directoryさん、コメントありがとうございました。ktsさん、万華鏡に関するコメントありがとうございます。






8月22日(金) あやとり(?)

 今朝は時間がないので簡単な更新です。この写真はなんだかわかりますか?

図 1 図 2

 松本のとある立体駐車場に車をとめたときに、低い階だったので階段で降りました。螺旋階段だったのですが、螺旋の中央は素通しになっていて、そこに転落防止用のロープが張られていました。下から見上げてみると、あやとりのようで面白かったので写真を撮ってみました。

 ちなみにこの写真を撮ったのは、今年の5月連休だったと思います。

<おまけのひとこと>
 リコーダーの楽譜について、めずらしくリクエストをいただきました。楽譜を提供しますと書いたのはもう5年以上前のことで、もちろん「お問い合わせいただけたら対応します」と現在も表示しているので対応しますが、PCの環境が変りすぎていて、探さないとすぐに見つかりません。










8月25日(月) おりがみ「菓子鉢」

 図書館でかんたん立体おりがみという本を借りてきました。作ってみたかったのは1つだけ、「菓子鉢」(亀山真代)という作品です。不切正方形一枚折りです。

図 1

 最初、15cm角の普通サイズの折り紙で折ってみました(図1)。すると、色の現れ方が写真のようになりました。本では裏表の色の差があまりない和紙を使っていたので気がつきませんでした。

 そこで次に、A4のプリンタ用紙から正方形を切り出して、一回り大きな21cm角の表裏とも白い正方形を使って同じ形を折ってみました。

図 2

 こちらの色のほうが気に入りました。

 ちなみに、この形はSquare Antiprismです。日本語では「四角反柱」もしくは「反四角柱」と呼ばれると思います。過去に自分のページでは四角反柱と呼んだり、反四角柱と呼んだりしています。単に「四角反柱」と言うと上下の底面が四角形で側面に三角形が8枚ある形になりますが、この折り紙の形は、その中でも特に上下の底面が合同な正方形で、側面は全て合同な直角二等辺三角形になっています。まさにこれと全く同じ立体を、05年3月23日のひとことで、カーペンターブロックを使って作ったものをご紹介していました。

 ちなみに、この「菓子鉢」の造形自体は4回回転対称形(C4対称)ですが、折り紙としてのつくりは2回回転対称形(C2対称)です。比較的覚えやすい折り紙のように思います。

図 3 図 4

 図3と図4は、互いに90度異なる方向から見たところです。

<おまけのひとこと>
 この週末は、少年野球のグランド整備で草取りに出たり、地域の青年奉仕会で神社に草刈に行ったり、何やかやと雑用をしていました。ここ何週間かは忙しい週末が続きます。






8月26日(火) 「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」

 月に1度、仕事で大学に行く機会があるのですが、そのときに生協書籍部に寄るのを楽しみにしています。6月くらいに行ったときだったかに、「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」 (島内 剛一 (著) 日本評論社)という本を買いました。これが非常に面白くて、久々にルービックキューブで遊んでいます。

写真 1

 我が家の3x3x3と2x2x2のキューブと一緒に写真を撮ってみました。昔のツクダオリジナルの純正品です。最近のルービックキューブと比べると若干回転が硬いですが、それでもつくりはしっかりしています。(子供がお楽しみ会とかで100yenショップのキューブをもらってきたりしたこともあるのですが、そういったものは正直遊べたものではないです。こういうのはちゃんとした製品がいいです。)

写真 2

 この本のいいところは、いろいろな解法の手順がきちんと分類・整理・考察されているところです。揃えること、解くことよりも、どのような一連の操作でどのような変換が起こるかを列挙した「手順集」になっていて、そこが楽しいです。今日はこの本が採用している表記法を紹介して、明日以降その表記を利用して2,3の手順を記載してみようかなと思っています。

図 1

 まず、キューブに対して図1のような座標系を定義します。6つの面を天地東西南北(t,b,e,w,s,n)と表して、一連の手順の間は6つの面の中央のピースの色が変らないように操作するものとします。

 なお、この本では大きなキューブの中央のピースを1面体(6個ある)、稜の部分のピースを2面体(12個ある)、頂点の部分のピースを3面体(8個ある)と呼んでいます。それぞれを「センターキューブ」「エッジキューブ」「コーナーキューブ」という呼び方も最近は見かけますが、各ピースの色の数をも表しているこの「■面体」という呼び方も合理的だなと思います。

 6つの面を、時計回り(CW)に90度回転させる操作と、反時計回り(CCW)に90度回転させる操作を下の図のように表記します。

図 2

(つづく)

<おまけのひとこと>
 むつみ荘101号室というwebの4コママンガのサイトが面白くて、一気に読んでしまいました。






8月27日(水) ルービックキューブ手順研究・・・「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」より

 「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」 (島内 剛一 (著) 日本評論社)という本に載っている手順を調べて楽しんでいます。今日はちょっとその紹介です。

 本の32ページに載っている、「(隣辺)向き変え」:隣接した2つの辺の向きを同時に変える、No.24 の手順です。表記の意味は昨日のひとことの説明図をご覧下さい。

図 1

 図1の一番下のマトリクス表記の意味ですが、[T S]が[S T]に、[T E]が[E T]に変ることを示しています。[T S]とはTop(上面)とSouth(南面)の間の2面体、つまり白と黄色のエッジのピースを表し、[T E]は同様に白と赤のエッジのピースを表します。それが向きを変えることを示しています。また、それ以外の行列表記がないのは、それ以外のピースの位置および向きは、この手順の結果変化しないことを表します。

 この手順の表記を良く見ると、全部で20手になっています。これを前半の10手と後半の10手に分けてみます。ちょうど中間の10手目では、図2のようなパターンになります。

図 2

 さらに、この手順を良く見ると、同じパターンが出てきていることがわかります。途中経過を図示してみます。

図 3

 図3のピンク色の部分の、(t-n-b-s-)e- という5手を A と表記し、クリーム色の部分の (sbnt)e という5手を A' と表記することにします。そうすると、この「隣接する2辺の向きを同時に入れ替える 手順24」は、(A A')・(A' A) と表すことができます。

 仮に A'が、 (sbnt)e ではなくて e(sbnt) だったとしましょう。図3のピンク色の2つのキューブの絵で、先に右側のマル5の操作を先にやって、その後で左側のマル1からマル4をやったとするのです。そうするとどうなるかというと、これは操作Aの完全な逆順になるため、ここで完全に元に戻ってしまいます。

 では問題です。今回の (A A')・(A' A) の前半と後半を逆にして、 (A' A)・(A A') としたら、結果はどうなるでしょう? また、(A A') を 2回、3回と続けたらどうなるでしょう?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨夜は近隣6市町村のPTAの会合に出席したのですが、背景説明をしてくれと話を振られて説明したら、私の理解が間違っていたようで、関係者にご迷惑をおかけしてしまいました。いろいろ反省しています。






8月28日(木) ルービックキューブ手順研究・・・「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」より (その2)

 「ルービック・キューブと数学パズル (数学ひろば)」 (島内 剛一 (著) 日本評論社)という本に載っている手順集を調べてみている話の続きです。

図 1

 昨日、図1の5手の手順をそれぞれA , A'と呼んで、

  • (A A')・(A' A)
  • (A' A)・(A A')
  • (A A')3
  •  としたらどうなるでしょう、という「問題」を出しましたが、その答えを図示しておきます。

    図 2

    図 3

    図 4

     というわけで、 ( (A A')・(A' A) )2 = ( (A' A)・(A A') )2 = (A A')3 = 恒等変換 なのですね。面白いです。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     昨日は東京に出張でした。中央線に乗っているとき、外から盛んに蝉の声がきこえました。列車が走っているのに蝉の声が聞こえるのがなんだか不思議でした。






    8月29日(金) 「ふる里の手毬」

     「ふる里の手毬」新井 智一著 \4,200 源流社(1990)という本を図書館で借りてきました。最近は忙しくてなかなか工作もできないのですけれども、多面体っぽいものを作るヒントになるかなと思ったのです。

     webで検索してみたら、浜松独楽の会 web libraryというサイトに、サンプルがたくさん掲載されていました。

    手毬・その1
    手毬・その2
    手毬・その3
    手毬・その4
    手毬・その5
    手毬・その6
    手毬・その7
    手毬・その8

     眺めているだけで楽しいです。

    <おまけのひとこと>
     今朝は時間がないので簡単な更新です。










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