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以前の「ひとこと」 : 2004年7月後半



7月16日(金) CG

 先日ちょっとご紹介したCGの仲間です。

 一部分しか見えませんが、床の影が円になっているところにご注目下さい。

 <おまけのひとこと>
 6月のコンサートでご一緒させていただいた静岡の方から、写真を送っていただきました。
 年配の方なのですが、打ち上げでは一緒にブランデンブルグ協奏曲の通奏低音を弾かせていただいて(私は鍵盤で、彼はビオラ・ダ・ガンバ)、お互い初見だったのですが、大変楽しくてよい経験ができました。
 昔から音楽が好きだったのだけれども、若いころは楽器などなかったので合唱をやっていて、40歳くらいから楽器を始めて、今年で35年くらいになる、とおっしゃっていました。 そうか、私だってまだ十分新しい楽器を始められる年代なのだなと思いました。




7月17日(土) CG(その2)

 CGの続きです。

 昨日(16日)のものは6本の円柱が交差した部分の形で、凧型六十面体のような形になりましたが、今日のものは10本の円柱が交差したかたちです。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 この三連休は、いろいろ忙しくて、結局PCにさわらずじまいでした。




7月18日(日) 鳥居

 地元のお宮のお祭りで、60人くらいで鳥居をつくりました。直径が7〜8寸の唐松を切ってきて、きれいに皮をむいて、柱を4本とって、ほぞを刻んで組み上げます。もちろん私は素人なので、人手が必要な部分だけお手伝いをして、あとは専門家が墨を入れ、チェーンソーやのみで刻んでゆくのを見ているだけなのですが、なかなか面白い作業でした。

 <おまけのひとこと>
 朝から丸一日がかりでした。




7月19日(月) CG(その2)

 一昨日の10本の円柱を組み合わせた形から、一回り細い円柱10本の部分をくりぬいてみました。

 実は7月9日にご紹介した、正十二面体の稜の構造のようなCG、これも六本の円柱の共通部分から、細い円柱6本をくりぬいたものでした。

 減色処理をしていたりして、擬似階調が出たりしていてわかりにくいと思うので、こちらに大きな画像を置いておきます。(800x600, 35kbyte)

 <おまけのひとこと>
 何日分も更新をまとめてしまうと大変ですね。




7月20日(火) 

 このお休みは、地区の行事等で忙しくしていたのですが、ちょっとでも時間がとれると、楽器を弾いていました。

 テレマンの鍵盤の易しい曲をいくつか弾いていたら、旋律楽器2本で演奏したらおもしろいかな、という曲がいくつかありました。1つMIDIにしてみました。こちらです。10分くらいで大急ぎで作ったので、まだ音がおかしいところもあります。

 <おまけのひとこと>
 今週は一日少ないので、忙しいです。




7月21日(水) ギリシャのパズル

 とあるパズルの話を読みました。ちょっとご紹介してみようと思います。

図 1

 図1のような、5本の線分でできる星型の盤面を考えます。5本の線分の両端と交点の10箇所に、表と裏の区別ができるコマを10個、置きます。とりあえずオセロのコマのように、表が白で裏が黒のコマを使うことにしましょう。

 このパズルでは、ある規則に従ってコマを1つずつ裏返してゆきます。最大いくつ裏返せるでしょうか、というのが問題です。

 裏返すときの規則は次のようなものです。まず、まだ裏返していないコマを1つ選びます。そのコマから初めて、線分に沿って1,2,3と数え、3番目のコマが表ならば、それを裏返します。このとき、2番目のコマは、表でも裏でもかまいません。「1,2,3」の3つのコマは同一直線上になければいけません。途中で曲がって数えてはいけません。

図 2

 このパズルを手軽に試すには、紙と鉛筆を使って紙の上に星型を描いて、「1,2,3」と数えながら裏返すべき位置に印をつけてゆく、という方法がお勧めです。さて、あなたはいくつコマを裏返せますか?

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 このパズルによく似た、有名なパズルがあります。それをご存知ならば簡単だと思います。




7月22日(木) 正方形を小正方形に分割する話

 7月11日7月14日、15日と、一辺の長さが素数の正方形を一辺の長さが自然数の小正方形に分割する、というパズルをご紹介しました。 そのときに情報を下さった多倍長電卓LMの作者の高橋英明さんが、その後の解析の状況についてご連絡くださいました。非常に面白いお話で、このページで書いてしまうのはもったいないなと思ったのですが、ご本人がご快諾下さったので、結論、というか重要なトピックスの簡単にご紹介させていただくことにします。

 まず、非常に面白かったのが

正方形のサイズに対する分割最小個数は単調増加ではない

というお話です。最初に情報を下さった濱中さんも、個数の逆転があれば面白いのに、とおっしゃっていましたが、この逆転は高橋さんによると、少なくともサイズ239サイズ241 のところで発生するようだ、とのことです。 また、これ以降にも個数の逆転はいくつもみつかっているそうです。また、個数の近似式として、

個数 = 4.1 * log(size)

が、かなり正確に個数を近似するようだというお話も伺いました。高橋さんから頂いた最新のメールでは、正方形のサイズは8000近くまで調べられており、なるほどここまで調べると、個数の逆転や変化の様子など、いろいろなことが見えてきて面白いだろうな、と思いました。 たいへん面白い情報を本当にありがとうございました。(私もプログラムを書いてみたくなりました。でもサイズ8000まで余裕で最小個数で分割できる高速なアルゴリズムというのは、かなり腕がないと書けないかも、と思いました。)

 なお、このパズルの変形として、例えば「立方体を小立方体に分割する」という3次元への拡張とか、「正三角形を小正三角形に分割する」という形の変更とかがあるかな、と思って、まず正三角形の分割をちょっといじってみたのですが、あんまり面白い話にならないようです。立方体のほうは「ちょっと考える」のも厄介でまだ考えていません。

 <おまけのひとこと>
 昨日、久しぶりに会った、離れた職場にいる会社の友人と飲みに行きました。「環境を変えると人は育つというけれど、淡水魚を海水に入れたら生きていけないよね」という言葉が印象的でした。




7月23日(金) 数えて裏返すパズル(その2)

 一昨日、五角星に10個のコマを並べて、表向きのコマからまっすぐ数えて3つ目のコマを裏返す動作を繰り返して、いくつコマを裏返せますか? というパズルをご紹介しました。

 さて、この手のパズルとしては、次のものが有名だと思います。8つのコマを円周上に並べます(図1)。

図 1

 適当に1つ、表向きのコマを選び、そのコマから数え始めて「1,2,3,4」で4番目のコマが表向きであればそれを裏返します(図2)。

図 2

 続いてまた1つ、表向きのコマを選んで、「1,2,3,4」番目のコマを裏返します(図3)。

図 3

 このように数える向きは右回りでも左回りでもかまいません。

 さてこのパズル、いくつまで裏返せますか?

 <おまけのひとこと>
 久しぶりにリコーダーの楽譜のリクエストをいただいて嬉しくなっています。
 時々作って「ひとこと」に載せているリコーダー用の楽譜のためのMIDIデータ、これもリコーダーのページに掲載するようにしないといけないな、と思いました。




7月24日(土) 数えて裏返すパズル(その3)

 7月21日7月23日にご紹介した、表向きのコマからある決まった数だけ離れたコマを裏返す動作を繰り返して、いくつコマを裏返せますか? というパズルの話の続きです。

 この種のパズルでは、原理的に最高でも最後に1つは残ってしまいます。ちょうど、ペグ・ソリティアというパズルで、飛び越されたペグを取り除いていくと、最後に1つだけ残ってしまいます。最後の1つを飛び越してくれるペグはもう存在しないからです。それと同じように、この「数えて裏返すパズル」も、最後の1つを裏返すために数え始める起点となる表向きのコマが他に存在しないので、1つ残ってしまいます。(自分から数え始めて自分を裏返すことが出来るのであれば、全てのコマを端から裏返してゆけることになるので、パズルとして成立しません。)

 これがパズルとして成立するためには、どんな図形(盤面)を使うかということと、いくつ数えることにするかという2つが重要です。この点で、昨日ご紹介した「8個を環状に配置して、4つ数える」というルールはよくできていると思います。

 さて今日は、七角星の形の盤面を使ってみることにします。五角星と同じように、表のコマからまっすぐ数えて3つ目のコマを裏返してください。

図 1

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 このページの真ん中あたりにある、ガードレールのついた道路のようなところを車が走っている写真を見て、安野光雅の「ふしぎな絵」にちょうどこういった絵があったな、と思い出しました。




7月25日(日) 数えて裏返すパズル(その4)

 昨日に続いて、七角星です。昨日はコマの数は14個でしたが、今日のものは21個です。この星型の丸印のところに、表裏が区別できるコマを、最初は全て表向きで置きます。表向きのコマのうち、どれでも好きなものを選んで、選んだコマから1、2、3とまっすぐに(直線に沿って)コマを数え、3つ目のコマが表向きだったら裏返します。裏向きのコマからは数え始められませんし、すでに裏返ったコマを再び表に返してはいけません。

図 1

 さてこの21個のコマのうち、いくつまで裏返せますか? これは昨日までのものとは理屈がちょっとだけ違います。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 この画像をビットマップか何かで保存して、ペイントソフトで目印をつけて遊ぶ、というのが手軽かもしれません。




7月26日(月) 数えて裏返すパズル(その5)

 表向きのコマを選んで、そこから数え始めて3つ目とか4つ目のコマを裏返すというパズルをご紹介しています。今日は、昔作ったアプレットを即席で改造して、このルールで遊んでみました。

 上の画像、もしくはこちらからリンクしています。これは多面体骨格ですので、「まっすぐ」数えることができません。とにかく、稜に沿って「1,2,3」と数えることにします。

 七角星とかも作ってみようかな・・・

 <おまけのひとこと>
 03年2月11日にご紹介した、将棋ボードパズルですが、作った直後に数時間やってみて、できなくてそのまま放ってあったのですが、先日久々にやってみたら、いまさらながらようやく解けました。




7月27日(火) 夕顔

 今日は雑談です。

 ご近所から夕顔をいただきました。大きくて重いです。寸法がわかるように、A4の大きさのカッティングマットを並べておいて見ました。長さが80cmくらいあります。

 Webで夕顔の食べ方をいろいろ調べてみました。「郷愁の食物誌」ゆうがお(夕顔)の味噌汁とか、野菜畑のエッセイとか、日本家庭料理紀行とか、たくさんのページがみつかりました。

 <おまけのひとこと>
 子供たちは今日が一学期の終業式です。




7月28日(水) 規則の発見(その3)

 「過去のひとこと」のページをちょっとさかのぼって見てみたら、5月26日5月28日に、「規則の発見」という話を書いて、(つづく) としてありました。 ところが、その続きを本日に至るまで書いていなかったことに気がつきました。2ヶ月も間があいてしまいましたが、ここで書きたかった話を思い出したので、書いておくことにします。

 前回は、以下のような話で中断していました。

 「ジンクス」とか「縁起をかつぐ」といった言葉があります。本来、因果関係がないと思われる事象の間に、何か意味を見出そうとする心の働きというふうに理解しています。 一昨日、今日とご紹介したような、一見規則がなさそうな文字列をたくさん提示しているうちになんとなく判断基準ができてくるという能力と、こういった「ジンクス」を見出す心の働きというのは、根は同じなのではないか、という気がしています。

 この続きの話です。

 私たち人間に限らず、生き物には「学習」という能力があります。「学習」というのは、因果関係があろうと無かろうと、2つのことが同時にもしくは連続して起こったときに、それを憶える能力だと言ってもよいでしょう。「条件付け」などとも呼ばれると思います。

 こういった能力というのは、おそらく生き物にとって、生存に有利に働くでしょう。 例えば夕方の西の空の雲がどうだったら翌日の天気はどうだ、とか、他の生き物の様子がこうだから今年の冬は寒そうだ、とか、こういう感じの地形はなんとなくあぶない、とか、理屈や原理がわからなくても、将来を予測し、自分が生き延びる確率を高めるために、このような複数の出来事を関連付けて憶える能力というのは役に立つでしょう。 そういった能力に遺伝的な要素があるとすれば、その能力を持つ個体が、より選択的に生き残ると予想できます。

 今、身の回りにある様々な機械、特にコンピュータとか携帯電話とかはとても複雑で、「なぜ、この操作をしたらこういうことが起こるのか?」という理屈や原理をきちんと説明できる方は少ないと思います。ところが、そんなことは全くわからなくても、「この操作をしたらこういうことが起こる」という現象さえ理解できれば、みんないくらでも使いこなしています。

 ほんの10年20年前ならば、相手が日本中どこにいても、電車で移動中であれトイレの中であれ即座に会話ができるなんて、テレパシーのような「技術」が実現するなんて予想も出来ませんでした(私は)。 まるで魔法のような「こんなことができたら」ということが実現されて、本当にすごいなあと思うのですが、こういったことも生まれたときから当たり前という世界にいると、不思議でもなんでもないのだろうなと思います。

 今の私たちの社会というのは、「理屈はどうでもいい、とにかくうまいこと将来を予測できる規則をみつけること」が生存に有利な社会なのだな、と思います。そしてそれは私たち生き物がそういうふうに進化してきた当然の帰結なのかな、と思います。 ・・・ というわけでジンクスは滅びないのですねきっと。

 <おまけのひとこと>
 なんだか当たり前の結論になってしまいました。




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