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以前の「ひとこと」 : 2003年5月前半



5月1日(木) フレームパズル他

 29日に、近く(でもないか)の少し大きな町まで買い物に行きました。いずれ見かけたら買おうと思っていたパズルなどをいくつか買ってきました。

 以前から気になっていたフレームパズルを見かけたので、とりあえず2つ買ってきました。これは、witful.netというサイトのEdi Nagataさんの考案されたパズルで、大変すばらしいものです。上記のサイトでは、同じパズルの木製や金属製の高級なバージョンも販売されています。子供などがやるには、そういった丈夫なパーツのもののほうが安心かもしれません。

 いずれも、左側のちょっと不思議なかたちをした枠(フレーム)の中に、4つの合同なピースを重ならず、はみ出さずにはめ込んでくださいというものです。フレームの面積のほうが広いので、隙間が空きます。ところがピースやフレームのかたちが絶妙で、簡単にはおさまりません。隙間があくため、フレームの形が直接のヒントにはなりません。 私はパズルの歴史には詳しくないのですが、このような隙間が出来るはめ込みパズルというのは、少なくとも私にとってはこの Edi さんの Pencil Case が初めてでした。 (あ、実際にやるのは初めてだったのですが、一応それぞれ15分ずつくらいかかりました。)

Pencil Arrow

 このページをご訪問くださる方は、パズルがお好きな方も多いでしょうから、このパズルもやったことのある方も多いと思いますが、せっかくなので紹介させていただきました。これは発泡ウレタンのような若干やわらかい素材で出来ているパズルで、CDケースに入っていて、1つ580円です。特にペンシルパズルのほうがデザインが秀逸だと思います。大変お勧めです。

 このページをご訪問くださる方から、ときどき「3Dジオシェイプス」とか「ボヨンゴロ」とかの入手方法を教えてくださいというメールをいただくことがあります。ジオシェイプスについては、最近またいくつかWebで通販をしてくれるところがあるようですが、ボヨンゴロについてはなかなか情報がありません。

 私が購入したのは、井上百貨店というところの、アイシティ21という店舗の玩具売場だったのですが、一昨日ここに久々に行ってみたら、ボヨンゴロが2セット展示されていました。店員さんに、時々ボヨンゴロをどこで買えるかという問い合わせがあるのだけれど、と尋ねてみたら、電話でのご注文&発送も承っておりますとのことでした。

アイシティ21(0263)98-4521(代表)
(0263)97-3927(玩具売場直通)

 <おまけのひとこと>
 ああ、5月になってしまいました。



5月2日(金) 菱形十二面体を描く

 ちょっと菱形十二面体の話をしようかと思ったのですが、その準備のための絵を用意していたら、以前、昨年の6月4日あたりからご紹介したのと同じように、まず簡単に絵を描く方法の説明からしようと思いました。今日は画像のピクセル数が大きいものが多くてすみません。データサイズ(バイト数)はたいしたことがないのですが。

 多面体について考えるときは、ノートやいらない紙の裏とかにフリーハンドで絵を描いてみることがあります。完全な真っ白な紙でも別にかまわないのですが、罫線やマス目がある紙ならば、それを利用することもあります。例えば今日の菱形十二面体のときは、ノートの罫を利用出来るときには、だいたいこんな風に描くことが多いです。

 これだとちょっと縦長ですが、まあ適当に描いているので、こんな程度です。 平行な辺を全て平行で同じ長さに描けば、それなりになんとか見られる形になります。

 これだと不親切なので、もうちょっとわかりやすく描き方を説明してみます。それぞれのステップで、新たに描き加えた線を太くしてあります。

 1. 菱形を1つ描きます。 2. 全く同じ菱形を、縦にずらして描きます。さっきのノートの例のときには、最初に描いた菱形の中心が、新しい菱形の頂点になるようにしましたが、そこは「適当」です。 3. 1と2で描いた2つの菱形の上の頂点を結ぶように、第3の菱形を描きます。幅はこれまでの2つと同じです。 4. 同様に、下側にも同じ大きさ・形の菱形を描きます。

 5. 新しく描いた小さな菱形の4つの青い辺に注目して、それと同じ角度・長さの辺を描き加えます。 6. 同様にもう1本を描きます。Step 5. で正しい角度・長さで描けていれば、必然的に平行四辺形になっているはずです。(菱形の面を斜めから見ているので、平行四辺形になっています。)7. も同様です。

 8. で向こう側を繋ぎます。これで左半分は完成です。 9. 5.〜8. と同様に、4本を描きます。これで骨格は出来上がりです。見慣れないと単なる平面上の模様に見えるかもしれません。

 最後に、見えないはずの稜を点線にして、色をつけてみました。これで菱形二十面体っぽくなったでしょうか。 このように、方眼紙を使うととても簡単に描けますので、お試しください。

 <おまけのひとこと>
 H.Hamanaka very private pageの表紙がまた変わっています。先日、3枚のカードに鉤型のスリットを入れたものを3次元の3つの直交する軸の方向に組み合わせるジョイントを用いたペーパーモデルをご紹介しましたが、その本格的なものです。これは美しいです。私が想像するに、自分が同じものを作るともっと紙がそってしまいそうなのに、なんでこんなにきれいにできるんでしょう?



5月3日(土) 菱形十二面体を描く(その2)

 昨日に続いて、菱形十二面体の描き方の話です。昨日の絵は、左右が対称になるような視点から見たものでした。これは、立方体で言うと、下のa.のような見方をしていることになります。今日はもう少し面倒ですが、立方体で言うとb.c.のような、より一般的な視点から見た絵の描き方を説明します。

 最初に、下の1.のように、断面が正方形の筒の絵を描きます。これを2.のように、側面の長方形の各辺の中点を結ぶように4等分します。あとは、これを3.のように各長方形の辺の中点を順に結ぶと、それぞれが菱形(を斜めから見たもの)になります。

 4.以降は、最初に描いた正方形の筒や菱形の対角線に相当する補助線を消してあります。このあとは、昨日と同様、すでに描いた菱形の辺(青色の線)と平行に、前後に4本ずつの稜を描くと、6.のように菱形十二面体の骨格が完成します。

 7.で色をつけて、見えないはずの稜を点線にしました。最初に描いた4つの菱形が、それぞれ床に平行・垂直になっているように見ますでしょうか?

 先ほどは横倒しの正方形の筒を考えましたが、今度はそれを立てた状態から描き始めてみます。

 途中は省略しますが、このように、より一般的な視点から見た菱形十二面体の絵を描くことができます。これも、なれてくると方眼紙がなくてもそれっぽい絵が描けるようになります。

 <おまけのひとこと>
 昨日ご紹介した、H.Hamanaka very private pageの表紙の赤いペーパーモデルの解説のページが公開されていました。私がヒントをいただいて作った紙模型の経緯も書いてくださってあって、ありがとうございました。 3枚カードの組み方に関して、丁寧な図が載っています。お勧めです。(一応、私の組み方と同じだったのですが、自分で組むとあんなにきれいに組めないだろうと思えるのは、やっぱり工作の腕前の差なんだろうと思います。)
 昨日は車を車検に出しました。もう12万キロも乗っている車ですが、大事に乗ってやりたいと思っています。



5月4日(日) ビーズ多面体

 先日から時々ご紹介させていただいている茉莉花の部屋というサイトで、ビーズ多面体を作っておられます。先日、この茉莉花さんの4月28日の日記で、星型のビーズを買って多面体を作りたかったけれど、星型の1つの対称軸のところにしか穴が通っていなくてうまくいかない、というコメントが書かれていました。

 私は星型こそトライしていなかったのですが、ハート型で多面体をいくつか組んでいて、その経験に基づいて、下の図1のように星を多面体の稜として使ったらいかがですかというメールを差し上げました。

図 1

 すると、いろいろ試してくださったようで、星型と星型の間のビーズを○ビーズにしても竹ビーズ(細い筒状のビーズ)にしてもうまくいかない、とコメントされていました。(昨日の日記でも、正五角錐の骨格を作っておられます。きれいだと思います。)写真をよく拝見すると、私が使っているタイプのビーズとは形状が違うことがわかりました。

図 2

 星型やハート型などのビーズには、上の図2の左側のように、角錐を上下に貼り合わせたような、ふちが刃物のように薄くなっているタイプと、図の右側のように角柱タイプで縁が厚いタイプがあります。実は、この左側の縁が薄いタイプは、頂点に集まったときに角度がきれいに安定しなくて大変なのです。

 私も、星型と○ビーズで1つ多面体を作ってみました。ただし上の右側の角柱タイプの星ビーズです。とりあえず、菱形十二面体の骨格を作ってみることにしました。菱形十二面体にした理由は、星ビーズの数があまりたくさんなかったためです。

 菱形十二面体は、次数4の頂点(稜が4本集まっている頂点)が6つと、次数3の頂点が8つあります。全ての稜は、次数3の頂点と次数4の頂点を繋いでいます。そのため、稜には方向性があります。

図 3

 図3の左側は次数3の頂点から次数4の頂点へ向かう方向、右側はその逆です。このように方向性があるので、次数3の頂点の側が星ビーズ、次数4の頂点の側が○ビーズになるように組んでみました。これだとビーズはそれぞれ24個ずつあれば組めます。

図 4 図 5

 図4が次数3の星ビーズが3つ集まる頂点の方向からみたところ、図5が○ビーズ4つの次数4の頂点から見たところです。写真だと、色がくすんでいて同系色で、きれいではないですね。このかたちは、星が3つ集まったところが三角形になりますが、これが8つあります。全体の構造としては、○ビーズのところを頂点とした、正八面体の構造になります。(図5をご覧いただくとそんな感じがするかと思います。)

 手元の星ビーズはこれしかなかったのですが、○ビーズはいろいろ在庫がありました。その中でなぜこのビーズを選んだかというと、それはこんな写真が撮りたかったからです。ちょっと気持ちの悪い写真かもしれません。うまく撮れませんでした。

 <おまけのひとこと>
 昨年引っ越した知り合いに、お祝いになにを差し上げましょうかと尋ねたら、「春になったら小さな木を植えて欲しい」といわれていました。都会ならば家が50軒くらい建ちそうな広大な庭(というよりは山)をお持ちなのですが、樹種のご希望を尋ねたら、よくわからないので針葉樹でも広葉樹でも、常緑樹でも落葉樹でも、果樹でも花がきれいなのでも、紅葉がきれいなのでも、それこそなんでもいいとのことで、かえって悩んでしまいました。ただ1つ条件は、標高が高いので、そこで育つもの、とのことでした。
 でもそれではあまりにも選択肢が広くて困ってしまうので、あえて希望を言えばどんな感じでしょう? と教えてもらって、結局ジューンベリーという木にしました。これは4月に花が咲いて、6月に実がなって、秋には紅葉がきれい、という、庭にあるとお得な木なんだそうです。もちろん寒冷地OKだそうです。
 一昨年の5月3日には雪が降りましたが、昨日は暑い一日でした。無事根付いてくれるといいのですが。



5月5日(月) 星型ビーズの多面体(その2)

 星型に縦に1本だけ穴の空いたビーズを使って、きれいな多面体を組みたいという話の続きです。昨日書いたように、最初は○ビーズを1つはさんで星型を両側に配したパターンならばどうだろうか、と思ったのですが、昨日はそれを簡略化して、稜に規則的な方向を定義できるような多面体ならば、○ビーズ1つと星ビーズ1つを多面体の1つの稜にして組む方法を考えました。

 先日(3月5日)、PostIt を使った多面体をご紹介したとき、最も簡単な例として、正八面体の骨格を作ってみました(図1)。これを、昨日のように○ビーズと星ビーズで組んだらどうなるでしょうか?

図 1

 矢印の頭のところを星の頭にして、根元のところを○ビーズにすると、それぞれの頂点は星と○が2つずつ交互に並ぶはずです。 どんな形になるかご想像いただけますでしょうか? 作ってみたら、思いがけない結果になりました。(単に私が想像力がないだけかも)

図 2 図 3 図 4

 図2は正八面体の1つの頂点の方向から見たところです。予想通り、星と○が交互に十字型に交差しています。 図3は、正八面体の1つの面から見たところです。稜モデルですから、ここは開いています。 図4は、1つの稜である星型の方向から見たところです。

 さて、このかたちをご覧になって、「正八面体」の骨格に見えるでしょうか? 何か他の形が見えないでしょうか? (写真だと難しいかな)











ちょっとだけ間をあけて・・・











 ○ビーズは無視して、星型のビーズだけに注目してみます。そうすると、なんとこのかたちは星型の頂点を2つずつ繋いだ、二十面十二面体の構造になっていることがわかります。

図 5 図 6

 このビーズ多面体の星型は、3個の○ビーズに支えられて、とても安定しています。写真は下手ですが、本物の構造はとてもきれいです。 そうか、こうやれば星型を面にしたモデルも作れたのですね。 星ビーズ、もっと仕入れにいこうかな。

(つづく) つもり

 <おまけのひとこと>
 今朝はちょっと用事があって、更新が遅くなってしまいました。



5月6日(火) 星型ビーズの多面体(その3)

 星型のビーズを使って多面体を作る話の続きです。今日は、当初のアイディアであった、星2つの間に○ビーズをはさんだかたち(★○★型)を1つの稜とする多面体を作ってみたもののうち、最も単純な正四面体骨格のものをご紹介します。

図 1 図 2 図 3

 図1は、正四面体の1つの頂点に集まっている3つの星の部分から見たところです。頂点というよりはむしろ3つの星型による三角形の平面にのように見えます。また、稜の中点である○ビーズのほうが、逆に頂点のように見えます。このため、この模型は正四面体というよりも、正四面体の各稜の中点を結んでできる、正八面体のように見えます。もとの正四面体の頂点に由来する4つの三角形がそれぞれ星型3つによって構成され、もとの正四面体の面に由来する4つの三角形は、もともと稜モデルですから空白になります。そのため、4枚の正三角形が頂点で2つずつつながっているような形になります。

 図2はその空白の面から覗き込んだところです。ちょうど図1の裏側になります。図3は、もともとの正四面体骨格の1つの稜の方向から見たところです。こうしてみると正八面体の構造になっている様子がよくわかるかと思います。

もうちょっと(つづく)

 <おまけのひとこと>
 先月に続き、今朝も月に一度の朝の通学路の街頭指導に行ってきます。そのため今日は簡単な更新です。



5月7日(水) 星型ビーズの多面体(その4)

 星型ビーズでいくつか多面体を作ってみたのですが、組みあがってみると、当初想像したのとは異なる形ができることがあったのがとても楽しかったです。今日は、立方体骨格を作ってみた例です。

 立方体の骨格も、上の図のように頂点を1つおきにグループ分けすることができます。矢印で表してみると、図の左側のようになります。これを矢印の頭側に星型ビーズ、根元側に○ビーズという構成で組んでみました。星型、○型ビーズそれぞれ12個ずつです。

 さて、組みあがりはどんな形になるか想像がつくでしょうか? (これは簡単かもしれません)











例によってちょっと間をあけて・・・











 これは、本来の立方体の6つの面が細長い菱形のようになって、正四面体のかたちになります。星が3つ集まって平らになった三角形が正四面体の面になり、○ビーズが3つ集まったところが正四面体の頂点になります。(逆に、この写真を見ていただいて、ビーズを繋いでいる骨格はどんなかたちになっているでしょう? と尋ねたほうが面白かったかもしれませんね。)

図 1 図 2 図 3 図 4

 図2、図3、図4がそれぞれ正四面体の頂点・面・稜の方向から見たところです。昨日の★○★型の正四面体の稜モデルと、星型ビーズの数は同じです。この2つを比べてみると面白いです。

 先日、車で10分くらいのところにある観音様の境内で、八十八夜のお祭りの縁日がありました。 子供が行きたいというので、一緒に出かけることにしました。 都会と違って中高生などが夜に出かける数少ない機会のようで、たいへんな賑わいでした。 屋台がたくさん出ていました。 縁日の屋台の食べ物というと「わたあめ」とか「おでん」、「たこ焼き」などを思い浮かべるのですが、「からあげ」とか「クレープ」、「カルビ串焼き」なんていうのを多く見かけました。

 確か「いか焼き」の隣だったと思うのですが、「ごんだ焼」という横断幕がかかっていました。串に刺した白っぽいものが、灰に突き立てられている様子です。 隣で妻が「ごんだ焼きってこの辺の食べ物なのかなあ」とつぶやいています。 確かに五平餅のような雰囲気です。 ん? と思ってよくよく見ると、なんのことはない、横断幕は右から左に読むのが正しかったのでした。 (屋台の正面の垂れ幕はちゃんと左から右に読むようになっていたのですが、向かって左側の横断幕は逆になっていて、それを読んでしまったのでした。)

 <おまけのひとこと>
 不注意で紙模型を日に当たるところにしばらく置いておいたら、紙が反ってしまいました。まだ掲載前で写真も撮っていなかったので残念です。気に入っていた模型だったのに・・・
 「ワイシャツケース」という名称で売っていた、積み重ねられる透明な平べったい容器に模型をたくさん入れてあるのですが、それでも収納や飾る場所が足りなくて、どうしようかと思っています。天井から吊るしてしまうと触ったり向きを変えてみたりしにくいし。(すでにいくつか吊るしてはあるのですが)
 昨日は某集団が近くを通って行ったため、会社の近くが大変渋滞していたようでした。久々に思い切り遠回りして帰ろうかとも思ったのですが、私が帰宅するころには道は空いていたので、素直に帰りました。



5月8日(木) 星型ビーズの多面体(最終回)

 思いがけず長い連載になってしまった星型ビーズを使った多面体ですが、今日でおしまいにしようと思います。 (今日は最終回なので、写真がいつもよりたくさんあります。) 最後に立方八面体(図1)の稜を★ビーズと○ビーズ1つずつで組んでみました。矢印の先端が★ビーズ、根元が○ビーズです。

図 1

 図2が一般的な方向から、図3が立方八面体の正方形の面から、図4が同じく三角形の面から、そして図5が1つの頂点方向から、それぞれ見たものです。

図 2 図 3 図 4 図 5

 今回は★ビーズと○ビーズをそれぞれ24枚ずつ使っています。星型を五角形、○ビーズを三角形であるとみると、この模型では空白になっている立方八面体の正方形6枚+三角形8枚に、三角形24枚と五角形24枚を加えると、ひょっとして閉じた多面体になるのではないか、と思いました。ただしこの模型でビーズが対応している五角形と三角形については、正多角形では無理だと思います。

 ついで、と言ってはなんですが、同じ稜の構成で正八面体を組んだものを、違う種類のビーズで作ってみたのでそれも写真を載せます。

図 6 図 7

 これは今までの角柱型のビーズではなくて、角錐型のビーズです。茉莉花の部屋で使われているものと同じなのではないかと思っています。(茉莉花さんは★ビーズを2つ、直接おしり同士をかみ合わせて稜として使う多面体モデルを作っておられました。頂点のところの対称性がどうなるんだろう? と興味があります。)

 最後に、今回の一連の星型ビーズによる多面体の集合写真を載せておきます。

図 8

 菱形三十面体の骨格を作れば、星型が3つで出来る三角形による正二十面体のかたちになるはずなので、そのうちまた作ってみようと思っています。(星型と○のビーズがそれぞれ60個ずつ必要なので、手持ちの在庫では作れません。)

 <おまけのひとこと>
 小学校の算数で、少数の割り算の余りの計算について、うまく納得してもらう説明が難しい、という話を伺いました。 例えば、3.2÷0.07という問題の商と余りを求めよ、という問題で、学校では3.2と0.07にそれぞれ100を掛けて整数にして、320÷7と教えるのだそうです。ところがそうして計算すると、商はなるほど45となって正しいのですが、余りが5になってしまいます。これを 0.05 に戻さなければいけないのですが、その理由はなぜか、という説明です。

 とりあえず素朴に思ったことは、3.2÷0.07 というのが、例えばメートルの単位系だとすると、3.2m ÷ 0.07m という計算は 320cm ÷ 7cm と同じです。そうするとこの問題は、3.2mの紐から0.07mの紐が何本とれて、あまりは何メートルですかというのと同じ問題になります。そうすると、あまりは5cmですから、もとの単位に直すと 0.05m となります。 でも、これだと桁が変わるとそれに合わせて単位系が必要になりますね。却って混乱を招くのかな。

 別な説明としては、商が45になるということがわかったので、余りは定義から求めなおすという方法もあるかな。つまり、余りは 3.2 - (0.07×45) = 3.2 - 3.15 = 0.05 となります。

 でも、これも納得性が高いか、と言われると、せっかく「余り 5」まで求めてあったのに、それを無視して検算をしなおすようなやり方で気に入らないですね。

 割り算というのは比率ですから、分数の約分ができる原理で、割る数(ここでは0.07)と割られる数(同じく3.2)の両方に、同じ数を掛けて計算しやすくしても、比率は変わりません。ところが余りは、掛けた数の分だけ大きさが変わってしまっています。そのため、余りだけは最初に掛けた数で割りなおして、元の大きさに戻してやる必要があるのですが、うーん、割り算って結局何をしていて、あまりってなあに? ということがわかっていれば、余りが割る数(0.07)よりも大きいはずが無いということはわかるような気がするのですが、説明しろと言われると難しいものですね。



5月9日(金) 正四面体と正八面体のブロック

 先日、4月25日4月27日に、正四面体と正八面体の各面の正三角形に三角柱を貼り付けたかたちのブロックを組んで、菱形十二面体を作るお話をご紹介しました。

 せっかくブロックのように組む形式にしておいたので、このパーツをちょっと組み替えてみました。構造がわかりやすように、平面的に組んでみました。

図 1 図 2
図 3 図 4

 図1と図2は反対の面になっています。大きな三角形のかたちに組みました。図3と図4は、図1の置き方で、大きな三角形の1つの頂点の方向から視点を低くしてみてみたものです。(写真をアップにすると、「あら」が目立ちます。) この、ずーっと繋がっている構造がなんだか楽しいです。

 <おまけのひとこと>
 昨日の割り算の話について、本職の方から大変丁寧なメールをいただきました。感激しています。ありがとうございました。
 最近、兵庫教育大の濱中先生のH.Hamanaka very private pageの表紙がひんぱんに更新されていて、とても楽しみです。すでに表紙の画像を引退してしまった過去の表紙27星ころは大変美しいです。後ろにちらっと菱形十二面体が写っているところがまたなんとも芸が細かいですね。



5月10日(土) Tジョイント(その1)

 しばらく前に、なにかのきっかけで紙の帯をT字型に繋ぐ方法を考えたとき、とりあえず一番単純な方法として、互いにスリットを入れて引っ掛けるというやり方で何か組めないか考えてみました。とりあえず、捩れ立方体のようなかたちが作れるのではないかと思って、試してみることにしました。

図 1 図 2

 図1が一般的な視点から見たところ、図2が、使っている1つのパーツをみたところです。ちょっとわかりにくいですが、パーツの両端が別のパーツにひっかかり、パーツを3等分する2つの中間の位置で、別のパーツがそれぞれ逆方向に繋がります。

図 3 図 4

 図3が正方形の面から見たところ、図4がその間を繋ぐ三角形の面から見たところです。本当の捩れ立方体ならば、この図4の大きな三角形1つではなく、小さな三角形4つになっていなければいけません。

図 5

 図5はジョイント部分を拡大してみたものです。この模型は、ジョイントのT字の縦棒を引っ張る力には強いのですが、逆に押されるとあっさり外れてしまいます。ジョイントのスリットを例えば「の字型」などにして外れにくくする方法もあるのですが、工作が面倒になるのでやめました。

 パーツの紙は組むことによって球面のように曲げられています。これが紙の弾力で平らに戻ろうとする力で安定しているのですが、時間が経つとこの弾力が無くなってパーツに曲がった状態の癖がつくと、ちょっと持ち上げたりするだけで簡単に分解してしまうようになってしまいます。

 実はこの模型はしばらく前に作ってあったのですが、今朝写真を撮ろうとして持ち上げたら分解してしまって、仕方なく裏返しに組みなおしたのでした。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 ご紹介したい模型はまだたくさんあるのですが、いざ掲載しようとすると説明の図がほしくなったり、写真を撮らないといけなかったりでちょっと大変です。



5月11日(日) Tジョイント(その2)

 昨日、帯状の紙をT字型に組んでボールのような形を作る模型をご紹介しました。昨日の模型は、下の図1のようなパーツを12本で組んであります。角度が直角でよいので簡単です。

図 1

 交差する角度を変えてみることにしました。まずは正三角形の60度を作ってみます。T字の頭が飛び出さないように、帯自体の形状も長方形から平行四辺形に変えます。スリットの角度もこれに応じて変わります。

図 2

 この、図2のタイプのパーツ12本で、やはり捩れ立方体の骨格を組んでみました。ただし、今度は正八面体の正三角形8つを回転しながら広げる方式です。大きな四角い部分が6つできます。

図 3 図 4 図 5

 写真がうまく撮れませんでした。図3が一般的な視点から見たところ、図4が大きな四角形が見えているところ、図5が小さな三角形の方向です。 見る方向を変えると、図4と図5のように四角く見えたり丸く見えたりするところが楽しいです。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 パズル工房『葉樹林』の、昨日の5月10日の日記に、紙や木などの素材の多角形を組み合わせたモデルの写真が載っていて、興味を惹かれました。この写真の左側の列のタイプのものはいくつか作っていますが、右側の列のタイプのものは、星型多角形として作ってみたことはそういえばなかったな、と思って、これも作ってみようと思いました。



5月12日(月) Tジョイント(その3)

 帯状の紙の4箇所にスリットを入れてたものをT字型に組んで作る多面体骨格模型の話の第3回目です。当然次は捩れ十二面体だろうということで、パーツを設計して30本切り出して組んでみました。今度は正五角形になるので、72度で交わります。三角形のほうはその分だけ内角の和が180度より大きくなりますが、そのため少し反った形になります。

 この模型はこれまでの2つよりさらに華奢で、平らな面の上に転がしておくと、自分自身の重さで床に接した部分のジョイントが緩んでしまったり、形が変形してしまったりします。そこで、咲き終わったヒヤシンスの水栽培の容器の上に載せて飾ってあります。 とても立派な飾り台ですが、妙に似合っていると思っています。

図 1 図 2 図 3

 図1が一般的な視点から見たところ、図2が正五角形の面の方向から見たところ、図3がその間を繋ぐ三角形の方向からみたところです。

 このジョイントはとても面白かったのですが、いかんせん強度が足りませんでした。明日はこのジョイントで作った大物の多面体をご紹介して、このシリーズを終わりにしたいと思います。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 オクト出版社というところから出版されている「ピアノで弾く室内楽名曲集 1,2」という楽譜を買いました。こちらこちらに、それぞれ簡単な曲目リストが載っています。作曲や指揮などをちゃんと勉強した人ならば、原曲のスコアがあればそれをピアノで弾けるのでしょうけれども、そういう能力の低い私などが曲の雰囲気を楽しむには、この楽譜はとても楽しめました。(といっても時間が無いので、まだそれぞれの本から1曲ずつ、それも1回だけ弾いてみただけですけれども。)慣れてきて物足りなくなってきたら音を足せばいいですし、電子鍵盤などで弦楽器の音を出せるもので演奏するのも楽しそうです。



5月13日(火) Tジョイント(最終回)

 細長い紙の帯の4箇所にスリットを入れて、T字型に組み合わせて多面体の骨格を作るモデルの最後に、切隅二十面体(切頂二十面体:いわゆるサッカーボール)を「捩る」かたちを作ってみることにしました。これは使うパーツが1種類ではないはずなので、ちょっと考えました。球に内接するように作るためにはスリットの位置も等間隔ではだめだろうなと思ったのですが、あえて等間隔にしてみました。

図 1

 図1が、この模型を組んでゆくときの考え方です。この組み方は、「ねじれ拡張」を施す元の多面体の稜が1本の帯に対応します。切隅二十面体には、正五角形と正六角形に共有される稜が60本(もともとの正二十面体の頂点12個を切り落としてできた12の正五角形の辺)と、正六角形の間の稜が30本(これはもともとの正二十面体の稜の数そのもの)あります。 そのため、用意するパーツは、片側が正五角形の角度(72度)で反対側が正六角形の角度(60度)になったパーツが60本(図1の赤いパーツ)と、両側とも60度のパーツが30本(図1の青いパーツ)ということになります。

 この模型は予想通りきれいな球にはならず、12個の正五角形の面が持ち上がったかたちになりました。全体としては、正二十面体をなだらかに「やすりがけ」したような、ツノの少ない金平糖のような雰囲気になりました。

 これは組むときのスリットの摩擦だけでかろうじて連結しているという感じで、座布団の上で注意深く組んでゆきました。床の上では自分の重みでかなり変形するため、天井から吊ってみました。とりあえず3箇所に糸をかけたのですが、その部分がさっそく延びてしまいました。

図 2 図 3 図 4

 吊るしてしまうと好きな向きから眺めたり、手で曲面の曲がり具合を確かめたりしにくいのが残念です。jpegの画像がとても粗くて悲しいので、png形式の画像も1つ載せておきます。

図 5

 本当はもっといろいろ他のかたちも作る予定だったのですが、強度が足りないこと、ひずんでしまうことを考えると材料や工法を検討する必要があるな、と思って、このシリーズはこれで一旦中断することにしました。

 <おまけのひとこと>
 またプロバイダのディスクスペースの残量が気になり始めました。



5月14日(水) 線路のレイアウト

 しばらく前に、子供のプラレールのレイアウトの面白いものをちょっと考えてみていたことがあります。対称性が高くて、自動運転で全部の線路を走ってくれて、ポイントも毎回切り替わって、立体的なレイアウトで何かおもしろいものができないかな、と思って考えたのが下の写真です。

 これ、かなり大きくなってしまいました。大変残念なことに、きれいに対称に作れませんでした。時計のようにぐるっと180度まわしてみると、右側と左側でどこが違ってしまうかわかりますか? (まちがいさがし) もちろんこれは望んでそのように組んだわけではなくて、きれいに対称にしたかったのですが、パーツが足りない、とか、橋脚が置けない、とかいうやむをえない理由で、このような非対称性が生じてしまいました。残念です。

 プラレールについては昨年の2月21日のひとことなどでも書いたのですが、レールのジョイントにオスメスがあって、ぐるっと回って帰ってくるようなレイアウトが通常は組めません。そのため、4分の1レールという特別なパーツを用いるのですが、我が家にはこれが1セット分しかありません。そのため、高架部分で1箇所、メスどうしの線路が単に並べてあるだけ、というところができてしまいました。この写真だとわかりにくいですが、どこだかわかりますか? (まちがいさがしその2)

 同時に複数の編成の列車を同時に走らせたいというような目的にはまったく向かないレイアウトですが、たった1両の機関車を走らせるだけでも、見ていて飽きません。

 <おまけのひとこと>
 今朝は胃検診があります。新しく多面体模型の写真を撮ったりする時間が無かったので、簡単な更新です。



5月15日(木) プラレール他

 すみません、今日も余談のような話です。

 先日、子供が図書館でプラレールのレイアウト集のような本を借りてきて、家にあるパーツで組めそうなものをいくつか作っていました。その中にあった1つを、「これ、パパが好きそう」と言って作ってくれました。(図1、図2)

図 1 図 2

 これは、線路のつながり具合としては、昨日ご紹介した長円形の2階建てレイアウトと同じです。駅だとか踏み切りだとかトンネルだとかを作るには、昨日のレイアウトよりもこちらのほうがいいですね。

 先日、バンダイから出ているスタートレイン2という食玩のシリーズの1つを買ってみました(図3)。 先日、営業用車両としては最高速度を出したE2系はやてです。 できればE2系あさまがよかったんですけれども、まあ同じE2系ということで・・・。 (ちなみに「はやて」と「あさま」は、先頭車両最後部の乗降口の隣のマークが違います。) Nゲージサイズで、極めて精巧なつくりでした。例えばこちらとかこちらなどにくわしく紹介されていました。たいへんできのよいモデルです。

図 3 図 4

 先日のペーパーモデルのサンダーバードと並べてみました(図4)。実は先日サンダーバードを乗せたレールは、このスタートレインのものでした。

 <おまけのひとこと>
 この「表紙のひとこと」のバックナンバーは半月ごとに1つのページにしています。ページあたりの分量が多くなってしまって申し訳ないのですが、バックナンバーのページの変わり目を意識して話題を変更するタイミングを調整したりしているものですから、変えづらくなってしまいました。明日からはまたペーパーモデルのご紹介をしようと思います。



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