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以前の「ひとこと」 : 2001年12月前半



12月1日(土) ギターケース

 リサイクルショップをひやかしていたら、状態のよいクラシックギター用のハードケースがわりと安い値段であったので、つい買ってしまいました。今持っている楽器は高校のころから使っているものですが、ずっとソフトカバーに入っていました。その状態で何度も引越しも経験しました。といっても楽器は心配なので必ず手で運ぶのですが、電車に乗って何時間も大事に抱えて行ったものです。そんなわけでハードケースが欲しいとずっと思ってはいたのですが、楽器屋さんに行くと弦やら楽譜やらに目を奪われてずっと購入を見送っていました。

 リサイクルショップは、めずらしいパズルとかゲームなどが時々とんでもなく安い値段で出ていたりするのでときどき覗いてみています。今日はつい余計なものを買ってしまいました。

 <おまけのひとこと>
 私のページで紹介しているBoYon Golo(ボヨンゴロ)について、手に入れたいのだがなにか情報はないかという英語の問い合わせのメールをいただきました。とりあえず、Webではこんなページくらいしか情報がみつからなかった、日本の外で入手する方法は全くわからない、というたどたどしい返事を出しておきました。



12月2日(日) ギター

 昨日ギターケースを買ってきたので、久々にギターを取り出して弾いてみました。そうしたら子供たちがやってきて、弾いてみたいというので、5年ほど前に購入していたギタレレという小さなギターを出して、教えてみました。 ギタレレというのは、普通のギターより完全4度高い調弦をするギターで、普通の調弦のギターの第5フレットにカポタストをはめた状態と同様の音がします。(普通なら E-A-D-G-H-E のところが A-D-G-C-E-A です。)

 とりあえず通常のギターと同じポジションで音階を教えてみました。けっこう気に入ったようですが、「ギターは木琴やピアノと違って音を出すだけで難しい」と言っていました。

 私はギターは完全に独学で、たまたま家にあったギターを小学校中学年くらいのころからいじっていました。一応教則本があったのですが、わからないことが多くて大変でした。

 教則本には最初に調弦の仕方が書いてありました。(第5弦のAの音から合わせてゆくのではなく、ピアノで1本ずつそれぞれ合わせました。) その次がハ長調の音階だったのですが、図の左側が「ド」の音で、第5弦の第3フレットを押さえます。これはわかりました。次の「レ」は第4弦の開放弦です。教則本には図の右側の絵が描いてありました。小学生の私はこれを見て、「白丸印のところを押さえなければいけないんだ」と思い込んでしまい、最初の頃は開放弦を弾くときにはかならずその上の部分をさわっていたものです。(笑) そもそも「開放弦」という概念がよくわかっていなかったのです。

 しばらくして、「開放弦のときはそこを押さえても音は(ほとんど)かわらない」ということに気がついて、さすがにやめました。独学というのはこういうつまらないところで引っかかってしまうのが難点です。

 たとえばコンピュータなどを使っていても、知っている人に聞けばすぐにわかる簡単なことが、一人でやっていると全然解決できずにとても時間がかかってしまうということがよくあります。

 <おまけのひとこと>
 昨日送ったBoYon Golo(ボヨンゴロ)についての問い合わせのメールの返事に対して、こちらから送った情報がとても役に立ったよ、という返事をいただきました。



12月3日(月) フーガの技法

 昨日、念願のリコーダー四重奏をやってきました。四重奏ができそうだということがつい数日前にわかったので、いそいで楽譜を用意しました。とりあえず昔編曲したバッハのFugato(MIDI : size 5kbyte) の楽譜を作り、それから Web を探してバッハの「フーガの技法」のMIDI データをみつけて、その楽譜を用意しました。

 フーガの技法はとても好きな曲です。MIDIデータは、例えばこことか、こことか、こことかにあります。

 さすがにこれだけ有名な曲だと、いろいろな解説があってとても楽しめました。 こことか、こことか、あるいはこことか、こことか、つい読みふけってしまいました。自分でもいろいろ書こうかとも思ったのですが、すでに世の中にいろいろなページがあることがわかったので、それを紹介するにとどめます。

 フーガの技法は鍵盤楽器で練習してみた事はあるのですが、自分が1声部を担当しながらこの精緻なフーガを味わうというのはとてもすばらしい時間でした。

 <おまけのひとこと>
 Fugatoの方はもともと鍵盤の楽譜だったのを、高校生のころ編曲したものです。当時は四重奏をやる機会が無くて、カセットデッキを2台用意して、自分で演奏したものを録音して重ねてゆきながら「ひとり四重奏」とかやって遊んだものでした。



12月4日(火) 雪

 今朝は雪が降っています。いよいよ冬らしくなってきました。写真を撮ってみたのですが、画像を縮小すると落ちてくる雪が見えなくなってしまうので、掲載は諦めました。

 <おまけのひとこと>
 BoYonGoloに関して問い合わせがあったときに、パッケージを見ようとしてしまってあったBoYonGoloを出したところ、子供たちが興味を示しました。下の子が飽きもせずに毎日遊んでいるようです。



12月5日(水) ナイフ

 子供が小学校に入学してから、学校がある前夜はほぼ必ず鉛筆を削ってやっていました。鉛筆は、鉛筆削り(今はシャープナーっていうんでしょうか)で尖らせるよりも、手でナイフで削った方が折れにくいし長持ちして好きです。

 今週から、本人が自分で削りたいと言い出しました。学校で友達が自分で削ってくるようになったんだそうです。以前一度削り方を教えてやらせてみたことがあったのですが、そのときはうまく削れなくて「やっぱりやって欲しい」と言って定着しませんでした。今度は本人がやる気なので、続きそうです。

 ナイフといえば、岩波書店から出版されているアーサー・ランサムの12冊の子供の本のシリーズの第1巻『ツバメ号とアマゾン号』で、6歳くらいの男の子が、「一人前である」ことの証として自分のナイフをもらう、というシーンがあって印象的でした。ちなみに本の中では、「一人前であること」を証明するのに、泳げるかどうかが問われていました。

 私も、自分のナイフを所有してよいことになったのは小学校に上がってからでした。それ以前は、祖母からもらった園芸用の片手ノコギリ(下図)を愛用していて、その辺に転がっていた棒っ切れやら枯れ枝やらをがしがしと切って遊んでいた記憶があります。自分専用の、大人が使うのと同じ本物の実用的な道具というのがとても誇らしく嬉しかったものです。

のこぎり

 <おまけのひとこと>
 まあ今の小学生だと、ナイフを使いたいシーンというのは少なくなってきているんでしょう。ちょっとかわいそうな気もします。



12月6日(木) 番犬

 「リセットボタン」という概念は、パソコンやゲーム機によって一般に広まったと思います。コンピュータが意図通り動作しなくなったときに、リセットボタンを押すことによって最初からやりなおすのです。 これは結局電源を切って入れ直すのと同じことになる場合が多いんですが、それでも場合によってはリセットのほうが望ましいこともあります。

 コンピュータの世界も、この現実の世の中と同様「あちらを立てればこちらが立たず」というトレードオフの関係がたくさんあります。パソコンならば、メモリは高速ですが電源を切るとメモリの中身は消えてしまいます。ハードディスクはメモリよりも読み書きに時間がかかるし、物理的に回転したり動いたりしているので壊れやすいし、動作中に電源を遮断するといろいろ不都合がありますが、そのかわり電源を切っても記録されている中身は保存されています。

 で、リセットボタンというのは電源のon/offと違ってメモリの内容は保持したままやり直しができるという点が特徴です。

 最近は、家電品や自動車等、身の回りの多くの電器製品はみんなマイコン制御になっていて、小さなコンピュータが入っています。 こういった製品は、パソコンやゲーム機のようにプログラムを変えればいろいろな動作ができるという設計にはなっていなくて、基本的にはその製品専用に用意されたプログラムだけを実行します。ですからパソコンでおなじみの「暴走」とか「フリーズ」という現象はまず起こらないことになっています。

 しかし、どんなことにも絶対ということはありません。(余談ですが、アメリカの「大草原の小さな家」というTVシリーズの原作の、ローラ・インガルス・ワイルダーの本のシリーズがありますが、その中に「死ぬ事と税金(を徴収される事)以外に確実なことは何もない」という科白が出てきて、とても印象的でした。) 例えば電磁気的なノイズや何らかのエラーによって、こういった製品を制御するプログラムが暴走しないという保証はありません。

 そこで、多くのマイコンには「暴走を監視するしくみ」が備わっています。 でも、プログラムが正常に動いているか、間違って動いているか、どうやったら区別できるでしょう? 

 この、「暴走を監視するしくみ」がウォッチドッグタイマ(番犬タイマ)といいます。このタイマをある数字にセットすると、プログラムの動作とは無関係にカウントダウンを始めます。そして、ゼロになったら自動的にリセットがかかる(あるいはあらかじめ決めておいた動作をする)しくみになっています。このタイマはいったん走り始めたら止められません。ですからプログラムは、定期的にウォッチドッグタイマの時間を延ばす(数字を大きくする)処理をしなければなりません。

 番犬というよりは、時限爆弾と言った方がイメージしやすいです。この時限爆弾は止められません。決まった時間だけ爆発を延期することができるだけです。正常に動いているプログラムは、未来永劫爆発を先送りし続けます。暴走しているプログラムは、多分この先送り処理をしないはずです。

 身の回りのマイコン制御家電製品は、みんなこの「時限爆弾」の時間の先送り処理をしながら動作していると思います。

 <おまけのひとこと>
 日曜日でしたか、うわさの「ウイルスメール」というものをいただきました。差出人には心当たりはありません。タイトルが“Re:”以下が空白で、添付ファイルがついているタイプのものです。
 ソフトウェアもこう複雑になってしまうと、その全てを把握して理解するというのはほぼ不可能だと思います。



12月7日(金) 中学校の理科

 会社でお昼休みに職場の人と話をしていたら、中学生のお子さんの理科のテストの話になりました。基礎的な電器回路の問題で、電池と抵抗だけの最も簡単な回路に、電流計と電圧計をどのようにつなぐかを図示する問題だったのだそうです。で、その問題がバツになってしまったんだそうです。

 測定というのは、その測定装置が入ることによって測ろうとしたもの自体が変化してしまうということがどうしても起ります。たとえば、小さなコップに入れたお湯の温度を測りたいとき、巨大な棒温度計を突っ込んだとしたら、そのせいでお湯の温度は下がってしまうでしょう。電流計と電圧計も、それ自体による影響をできるだけ小さくする必要があります。電流計はそれ自身による電圧降下をできるだけ小さくするように、内部抵抗ができるだけ小さい方が望ましいですし、電圧計はそこを流れる電流をできるだけ小さくするように、内部抵抗は大きい方が望ましいわけです。そのへんの理屈さえわかっていれば、どのように接続すべきかは自明です。

 …というような話ではなくて、実は回路の接続の仕方は合っていたのですが、抵抗の記号を下図の(a)のように描くべきところを、(b)のように描いてしまったため、バツになってしまったんだそうです。

抵抗の記号

 話をきいてとてもびっくりしました。この「抵抗」のマークのぎざぎざをどっちから描くかによってもしも意味が変わるならば、このような採点にも意味はあるかもしれませんが、電気回路においてぎざぎざを逆に描いたとしてもその意味を誤解する人は誰もいないと思います。一応私も電子・情報系のプロの端くれで、仕事で回路図を見ることもありますが、こんな規則を気にした事はありませんでした。

 多分JIS:日本工業規格の電子回路の記述に関して標準が決まっているのだと思います。ただ、その場合はぎざぎざの山の高さと山の間隔の比率や、山の数とかにも決まりがあるはずです。 もし理科のテストでぎざぎざの向きを採点対象にするならば、そういった部分もチェックしないとアンバランスだと思います。

 そもそも、理科教育というのは本質を理解することが重要なのだと思います。そして、それを誤解無く他人に伝える能力を身につけることも同様に大切です。抵抗のぎざぎざの向きが反対だったとして、それが電気回路の本質でしょうか。 また、それによって自分の描いた回路を他人が誤解するでしょうか。

 せめて理科の先生には、理科をつまらなくしないでほしいです。

 <おまけのひとこと>
 昨日は朝6時からごみ当番でした。まだ真っ暗でした。寝過ごすのが心配で3時くらいから30分おきくらいに目が覚めてしまい、あきらめて4時くらいに起き出してこのページの更新をしました。睡眠不足で頭がはっきりしていなかったので、きのうの「ひとこと」は読み返してみると何が言いたいのかよくわからない文章になってしまいました。本当は、ウォッチドッグタイマというのがどんなにすばらしい発明かを語りたかったのですが。



12月8日(土) スケート

 今月1日から、今住んでいる自治体のスケート施設がオープンしました。早速4日の火曜日に小学校でバスに乗って全校で滑りに行ったらしいのですが、今朝、連れて行って欲しいと言われたので午前中に家族で行って来ました。

 この施設は「国際スケートセンター」という名称で、国際競技のできる基準を満たしている会場なんだそうです。リンクの周辺は転倒・衝突時に備えてクッションで保護され、リンクに入るには地下道を通ってリンク中央に出て、そこで靴を履き替えて滑ります。ですから、リンクの内周部分が初心者、外周部分が熟練者という区分になっています。ただし明確な区分けはされていません。

 利用料金は大人700円、高校生500円、子供(3歳〜中学生)300円、付き添い100円です。回数券やシーズン券もあります。今回は子供二人と私が滑走することにして、家内は付き添いということで入場しました。また、レンタルシューズが500円で、私と下の子の分の2足を借りました。(上の子は、シーズンレンタルで持っています。)私は一応経験者ということでスピードスケートにしましたが、下の子(保育園年少)は生まれてはじめてのスケートということで、フィギュア用のエッジの太い靴にしました。なお、利用料に時間制限はありませんが、退場してしまったらおしまいです。暖房の効いたテントの休憩所などもあり、お弁当などを食べる事もできるようです。

 9時過ぎくらいに入場して、結局午前中一杯滑りました。何よりおどろいたのは、初スケートだった下の子が、1時間後くらいには軽く片手を添えてやるだけでさっさと氷の上を歩けたこと、しかもさらに1時間後には、誰にもどこにもつかまらずに一度も転ばずに広いリンクを1周できたことです。本人もとても面白いらしく、お昼になっても「帰りたくない」と言って困りました。

 足が痛くなるのを心配して定期的にリンク中央のラバーを敷いた休憩スペースのベンチで休ませるのですが、まるでスケートなど履いていないかのようにちゃかちゃかと駆回って、びっくりしました。(フィギュアスケートはブレードが短いのでスピードスケートよりも歩きやすいのですが、それにしてもびっくりしました。)

 ただ、4〜5歳くらいでも上手な子はとても上手で、ちゃんと前傾姿勢の美しいフォームでリズミカルなスケーティングができる子もいました。そんな子は、ちゃんと遅い子を上手によけて一人で全く危なげなく滑っており、さすがに層が厚いと感心しました。

 上の子も私が小学校低学年の頃よりもかなり上手だなとは思うのですが、もともと地元の子供たちと比較すると、まだまだだな、と思います。でも、今日初めて転ばずに確実に止まれるようになったようです。(滑れるんだけども止まれない。)

 とにかくリンクの上でよたよたしているのはせいぜい小学校低学年くらいまでの子供(の一部)だけで、大人はみんなものすごく上手です。一応私は約3時間の間、子供を支えてやったり急につかまられたり、目の前で突然転ばれたりしても、一度も転ばずには済みましたが、でもリンクの上にいた大人の中では私が一番下手だったなと思いました。 最後に2周だけ一人で自分のペースで滑ってみましたが、フォームが自己流なのでちょっとスピードを出すとふらついてしまって恥ずかしかったです。

 <おまけのひとこと>
 スケート靴は学校で1シーズンレンタル(1シーズンで確か2,000円)を斡旋してくれるのでありがたいです。シューズバッグは私が小学校の頃に使っていたものを使わせています。
 今日は夕方の更新です。



12月9日(日) 教会のコンサート

 地元の教会で、クリスマスコンサートが開催されるというのでちょっとだけ聴いてきました。会場は、今年の5月19日のひとことでもかきました、春にも無料コンサートで行った教会です。

 今回はバイオリン2本とチェンバロという編成で、コレルリのクリスマス協奏曲op.6-8、同じくコレルリの有名な「ラ・フォリア」、そしてヴィヴァルディの「調和の幻想」op.3より5番と8番というプログラムでした。家族4人で行って、子供たちが我慢できるところまで聴かせてもらおうと思って出かけました。

 途中で退席する可能性を考えて一番後ろの席にいたのですが、すぐ前にいたよその小さな女の子たち3人(とそのお母さんたち)があまりにうるさくて、それに耐えられなくて最初のコレルリの協奏曲を聴いたところで帰ってきました。うちの子供たちも、静かにはしていましたけれども 1曲目ですでにとても退屈そうでした。 1曲目で退席なんて、演奏者には大変失礼だとは思ったのですが・・・

 プログラムはいずれも大好きな曲だったので、とても残念でした。せめて「ラ・フォリア」まで聴けたら、と大変心残りでした。 まあでも、この季節にプロの演奏家の生演奏の「クリスマス・パストラーレ」が聴けただけでもよしとしましょう。

 <おまけのひとこと>
 日曜日夜6時からは、子供たちは「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」を見ることが多いです。私はその時間は(その時間も)パソコンをいじったり楽器をいじったりしていて、一緒に見ることはありません。7時から一緒に夕食を食べるのですが、そのときに「今日のちびまる子ちゃんはどんなお話だった?」「今日のサザエさんはどんなお話だった?」と聞いて、あらすじを説明させてみています。 初めてあらすじを尋ねたときには全く要領を得なかったのですが、最近はだいぶきちんと説明できるようになってきました。



12月10日(月) BoYon-Golo 新コース
BoYonGolo新コース
図 1
飛び出し防止
図 2

 先日BoYonGoloに関して問い合わせがあったときに、パッケージを見ようと思ってしまってあったBoYonGoloを取り出しました。そうしたら子供たちがそれを見つけて、毎日遊んでいます。

 まだ子供たちだけでコースを作るのは難しいので、私が即興で適当なコースを作ってやっています。(というか作る方が楽しんでいます。) 今日も新しいコースを1つ作ってみました(図1)。

 このブロックは、色によって機能が明確に分かれています。赤が直線レール、黄色が90度カーブするレール、そして青が1段の坂レールです。そして緑が1段分の高さのブロック、グレーが1/2段の高さのブロックです。

 青ブロックでスピードをつけるのですが、スピードがつきすぎると黄色ブロックのカーブを曲がりきれません。 そんな時にはいろいろなテクニックがあるのですが、例えば図2のように、青ブロックでスピードがついた後の長い直線レールをわずかに上り坂にしてやることによって、図2の左端の黄色ブロックのカーブを無事曲がらせることができるようになります。 このブロックの素材がとても適切な堅さと弾力性を持つため、図2のように微妙な傾斜を持たせた形に固定することも簡単にできるのです。 

 また、ブロックの数の制約上、コースのほとんどの場所は赤か黄色の「水平な」ブロックとなります。そのため、コースの大部分の場所は水平になります。ところが、たとえば図1の右下あたりにもあるようなずっと水平なU字型のコースなどを作ってみると、どちらかが微妙に登りで、もう一方が微妙に下り、というようなことになりがちです。そんな場合、スピードが落ちてくると途中で止まってしまうといったことが起ります。

 そんな時にも、例えばコースの高い側はブロックをゆるめにはめて高さを稼ぎ、コースの低い側は目一杯ブロックを押し込んでほんの少しでも高さを低くすると、なめらかにボールが転がります。

 ブロックによるコース作りというのは、一見極めてディジタル的に見えるのですが、実はこういった木目細かいアナログ的な調整が必要で、それがまたとても楽しいのです。

 <おまけのひとこと>
 子供たちのクリスマスプレゼントのヒアリングをしているのですが、なかなかよいものがなくて困っています。上の子は「何が欲しい?」と聞いても「うーん・・・わかんない」とか言うし、下の子は下の子で、この時期よく新聞に入ってくる玩具のチラシ広告を見ては、「これとこれとこれと・・・全部欲しい」とか言うし、大変です。
 上の子が散々考えて、やっと1つ「欲しいものが決まった」と言って来ました。そうか、何が欲しいの? と尋ねたら、なんと「本物の生きた黒猫が飼いたい」といわれました。
 さあ困りました。私は前々からずっと猫は飼いたかったのですが、子供たちは小さい頃アトピー性の皮膚炎に悩まされていて、私の実家の猫と遊んだりすると、その後で身体が痒くなったりして大変でした。 猫を飼うにしてももうちょっと経ってからと思っているので、なんとか説得しなければなりません。



12月11日(火) 寒い

温度計   温度計目盛部分
 強い寒波が来ているそうで、昨日からとても寒くなってきました。北の方では雪も降っているようですが、私の住んでいる八ヶ岳山麓は、雪が降らないかわりに気温が下がっています。

 今朝、あんまり寒かったので外に温度計を置いて見てみたら、温度計の表示は氷点下10度くらいになりました(右の写真)。 アメダスによると、私の住んでいる近くの測候所の測定では朝7時でマイナス8度だったそうです。ご存知の通り、気温というのは同じ1軒の家のまわりで測っても、日照の有無や風通し、地面からの高さや周辺にあるものとの位置関係などによって様々に変化します。今回は温度計をかなり低い位置に置いたため、地表の温度が低いことによる影響を受けたのだと思います。

 今は日の出が朝7時過ぎなので、1日のうちで気温が最も下がるのは7時半過ぎくらいだと思います。ちょうどその時間に小学生が通学して行きます。 「大人は車で行かれていいなあ」 と言われます。 うん、私もずるいと思う。

 <おまけのひとこと>
 先日スケートに行った時、ディジタルカメラで写真を撮ろうと思ったら、温度が低すぎて電源が入りませんでした。電池というのは氷点下になるととたんに性能が低下してしまいます。(種類にもよりますが。) そんなときは電池だけを取り出して、内ポケットなど比較的温度が高いところで温めておいて、いざ撮影のときに電池を入れて、撮り終ったらまたすぐにポケットに戻す、というふうに運用するとよいそうです。でも、寒いし面倒だしカメラとかをぬらしそうだし結露とかしそうだし、寒いところでの撮影は難しいですね。



12月12日(水) エジプト

 しばらく前に、太陽の王 ラムセスという本(文庫本で全5巻)を読みました。 フランスのクリスチャン・ジャックというエジプト研究家の作家の作品です。エジプトで最も偉大なファラオといわれるラムセス大王の生涯を描いた話で、史実に忠実にというよりは若干伝奇的な要素もある話でしたが、多数の登場人物が皆大変魅力的で、物語として大変面白い話でした。

 エジプトといえば、早稲田の吉村作治先生がMSNジャーナルに連載をしています。その第59回が古代エジプトを掘る(59):ネフェルタリというタイトルで、このラムセス大王の正妃ネフェルタリについての話でした。 クリスチャン・ジャックの小説では理想的な女性として描かれていたネフェルタリについて、専門家である吉村氏の見解というのはかなり異なっていてとても面白く読みました。

 <おまけのひとこと>
 英語では歴史は"history"、物語は"story"でよく似た単語ですが、確かフランス語ではこれはどちらも"histoire"なんだそうです。 例えば学校の歴史の教科書をとても面白い物語にして、それを繰り返し読んだり、あるいは演じたり、登場人物の立場や考えを議論したり、という風にしてくれたらもっと面白くなりそうなのにと思います。
 ただ、そうするとどうしても何かの立場を前提とした主観的な話になってしまって、それが教育としてはまずいということなのかもしれません。 といっても主観を全て排除する事は不可能だとは思いますが。



12月13日(木) 気候制御

 先日の獅子座流星群によって、今月中旬くらいには降水量が増えるだろうという学説があるんだそうです。

 雨や雪は次のようにして生まれるんだそうです。 まず、氷点下の雲の中で氷結晶化物質と呼ばれる結晶の核を中心に氷が生まれ、それが成長してある大きさ以上になると落下をはじめます。その氷が途中で融ければ雨になります。 獅子座流星群のもたらした塵が、この「氷結晶化物質」として機能するような高度に到達するのがだいたい1ヶ月後くらいだろうという予測なんだそうです。

 そういえば昔から研究されている「人工降雨」の技術では、この氷結晶化物質としてドライアイスやヨウ化銀を飛行機から雲に散布したり、あるいは地上でヨウ化銀の煙を発生させて上昇気流に乗せたり、ということが盛んに行われてきましたが、充分な効果は出ていないようです。 最近では液体炭酸を散布するというのがトレンドらしいですが、とても温度が低いものなので、飛行機から噴出する途中で凍って詰まってしまったりしないように、システム上の工夫が必要なようです。

 Webで「人工降雨」で検索してみると、日本語のページが600件くらい、中国語のページが4,000件くらい出てきました。 中国ではそれだけ期待の大きい技術なんですね。

 ちなみに、昔住んでいた地方は日本でも有数の雨の少ない地域で、年間日照時間の総計が全国有数というところでした。そのためため池が多く、農業などをやっている方は夏場は雨が少なくて大変だったようです。一度だけ「雨乞いの儀式」というのを見たことがあります。田圃のあぜ道でずらっと火をたいて、周りで幟を立てて降水を祈願するというものなのですが、1ヶ月近く雨が降らなかったのに、儀式の翌日にはほんの少しですが雨が降っていました。

 今考えると、煙をたくさん出した、みんなでまとまって火を焚いた、ということが降雨の何らかのきっかけになっていた可能性もあるなあと思います。

 <おまけのひとこと>
 今朝も雪が降っています。先日の初雪は軽く舞っただけでしたが、今日はうっすらと積もっています。横着な私は、まだ家の車のタイヤを冬タイヤに交換していません。 この週末にやろうと思っていたんですが・・・。 うちの近くにはちょっと大きな道路があって時々トラックなども通るのですが、今もタイヤチェーンのシャンシャンという音が聞こえています。



12月14日(金) 神経衰弱の勝率

 とある方からメールでご質問をいただきました。「4ペア(8枚)のときの先手・後手の勝率はどうなるのでしょうか?」というご質問です。 3月に書いたコラム「神経衰弱(その2)」をお読みいただいたのだそうです。(ありがとうございます。)

 せっかくご質問いただいたので、昨夜ちょっと考えてみました。とりあえず安易にコンピュータに探索させてしまおうと思って、簡単な使い捨てプログラムを書いてちょっと実験してみたところ、前回のコラムに書いたペアの数が増えるにつれて徐々に確率は50%に近づいて行くだろうという仮説がちょっとあやしくなってきました。

 というわけで「神経衰弱(その3)」を追加しました。

 <おまけのひとこと>
 毎日仕事で帰りが遅いです。年末でいろいろな用事が増えています。こういう忙しい時に限って、「神経衰弱問題を考える」というような余計な事がやりたくなって困ります。(しかも睡眠時間を削ってやってしまったし)



12月15日(土) 声紋

 声紋(サウンドスペクトログラム)というものがあります。人間の声の時間変化を周波数分析して濃淡パターンにしたものです。 ニュース源はどこだったか忘れたのですが、この声紋分析によって人物を特定したというような話を見かけました。

 私達の発話する声というのは、同じ人が同じ文を発声する場合でも、1回1回必ず微妙に違います。 本人の体調の差や、温度や湿度や部屋の大きさや反響、声の大きさや高さやその変化の仕方、さらには声を収録するマイクや録音機器の周波数特性などによって、同じ人の声であってもこの声紋というものは様々に変化します。 こういった変動する信号に対して、確かに同じ人の声だと断定するのは、非常に難しいことです。

 例えば、「ウソ発見器」の結果は裁判の決定的な証拠としては使えず、あくまでも参考データなのだと聞いたことがあります。この声紋分析というのは裁判の証拠として使えるんでしょうか? 気になります。

p.s. リコーダーのMIDIのページを更新しました。

 <おまけのひとこと>
 昨日、神経衰弱についてお問い合わせをいただいた方から、御友人が私の答えと違った答えを導き出しているという情報をいただきました。私の答えは単にコンピュータにしらみつぶしで調べさせたもので、考え方そのものが間違っている可能性と、プログラムが意図通りに作られていない(=バグがある)可能性がありますので、100%自分が正しいと主張するつもりはないです。そのためにプログラムも公開しています。 皆様、私がウソを言っている可能性もありますので、ご自分でよくご検討いただけたらと思います。



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