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以前の「ひとこと」 : 2001年8月後半


8月16日(木) ダイヤブロック NEO

ダイヤブロックの取り説  8月12日のひとことで紹介した、ダイヤブロックのお家の説明書が出てきたので、作例のページをスキャナで取込んでみました。 左上が「博物館」、右上が「マンション」、真中が「ロボットの秘密基地」、下が「警察署」だそうです。(画像が小さくて、わかりにくくてすみません。本物はもっときれいな写真です。)

 これは、ダイヤブロックNEO というシリーズで、HOUSE, ROBOT, CARといったキットのうちの"HOUSE"です。ダイヤブロックのホームページに行ってみると、残念ながら現在は販売されていないようです。

 上記のホームページをみると、最近はダイヤブロックはロボットに力を入れているようですね。いかにも日本のTVアニメで流行っているようなデザインのロボットがブロックで作れるようになっていて感心しました。日本ならではのデザインでLEGOなどと違った特徴を出しているのですね。

 ブロック玩具で作るものとして、建物というのは基本だと思うのです。ブロックというのは基本的にはレンガのように同じ形・同じ大きさのピースを積み上げて行って様々な構造のものを作り上げるものです。ところが、本当にレンガを積むようにしてブロックで建物を作ると、ブロックが何百個・何千個と必要になります。

 たとえばLEGOでは、ブロックの形状が特殊なものがたくさん、本当にたくさんあってかなりリアルなものが作れます。ところがその特殊な形状のものは、形が特殊なため、そのピースの使われ方が極めて限定されます。

 この「ダイヤブロック NEO HOUSE」は、建物を作る、という条件において、ピースの汎用性と特殊性のバランスがよくとれていて、非常に使いやすいキットになっています。お勧め・・・なんですけど今では入手できないんですよねきっと。

 もちろんLEGOはすばらしい製品だと思っています。


8月17日(金) いわむらかずお 絵本原画展

いわむらかずお絵本原画展パンフレット
図1:パンフレット
表紙とカバーの説明図
図2:表紙とカバー
 近くの市立美術館で「いわむらかずお絵本原画展」というのをやっていたので、見に行ってきました。(右の写真がパンフレットです。)

 代表作は「14ひき」シリーズで、ねずみの大家族が森の中で生活を営む様子を描いた絵本の連作です。14ひきの内訳は、おじいさん・おばあさん・おとうさん・おかあさんと子供たちが10ぴきです。

 14ひきシリーズは、「14ひきのひっこし」、「14ひきのあさごはん」、「14ひきのやまいも」、「14ひきのこもりうた」、「14ひきのあきまつり」、「14ひきのせんたく」、「14ひきのさむいふゆ」、「14ひきのぴくにっく」、「14ひきのおつきみ」、「14ひきのかぼちゃ」(各1200円,童心社)があるそうですが、このなかから20〜30枚の原画が展示されていました。

 他の絵本の原画展と同じように、比較のために出版されている絵本も閲覧できるようになっていましたが、原画の色の美しさには感動しました。実はこの「14ひき」シリーズ、それほど好きではなかったのですが、原画を見て考えを改めました。特に「14ひきのおつきみ」の、夕方から薄暮にかけてのシーンの原画の色の美しさはとてもすばらしいものでした。

 私の住んでいる山麓も夕暮れが大変きれいです。その雰囲気を記録したくて写真に撮ってみたりもするのですが、出来あがってくる写真は、イメージしていたものとは程遠いものです。「14ひきのおつきみ」の原画を見て、ああそうそう、この色なんだよ、と思いました。でも、印刷された絵本のほうを見ると、その微妙な雰囲気や色は失われているのです。

 ちょっと検索してみたら、「14ひきのおつきみ」の原画について、こんなページで感想を書いている方がおられました。 他のあらゆる印刷物と同様、原画の方が遙かに繊細で深い色を出していました というフレーズに強く共感しました。

 ちなみに会場の方の説明で初めて知ったのですが、この14ひきシリーズ、表紙の絵とカバーの絵が微妙に(あるいは全く)異なっているのだそうですね(図2参照)。 普通の絵本だと、カバーと表紙は全く同じ絵であることが多いと思うのですが、このシリーズはそこにも仕掛けがあるのだそうです。図書館などでは、こういったカバーは外してしまったり、逆に外せないようになっていたりしますので、全然知りませんでした。

 栃木県の那須地方に、「いわむらかずお絵本の丘美術館」というのがあるそうです。たとえばこことかこことか、こことかに情報があります。一度行ってみたいです。

 「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」という本の原画もありました。これもよかった。


8月18日(土) 絵本

 昨日のひとことで、絵本の原画展を見に行った話を書きました。ある人に「絵本の原画を見て、その絵本の価値を見直した」という話をしたら、それは少なくとも絵本作家としては誉めたことにはならないんじゃないか、と言われました。本来、絵本は原画を見る機会は普通はないものですから、あくまでも印刷された出版物の形で完結していなければいけないのではないか、ということなのだそうです。

 なるほど確かにそうかもしれないと思いました。少なくとも、原画を見て楽しむというのは、ある種マニアックな楽しみ方だと思います。


8月19日(日) 紙と鉛筆で遊ぶ

 紙と鉛筆だけで遊べるゲーム、といったらどんなものを思いつきますか? 昔々、学校に通っていたころには、唯一確実にいつでも手に入る紙と鉛筆という道具で、いろいろ遊んでいたものでした。それも、小学校や中学のころよりも高校や大学のころのほうが、ルールを理解して楽しんで遊んでくれる人が周りにいたため、より高度で面白いゲームが出来て楽しかったものです。

 先日、図書館で『世界のゲーム事典』(松田道弘・編、東京堂出版 1989年)を見ていたら、紙と鉛筆で遊ぶゲームの章に12種類のゲームが紹介されていました。タイトルだけ並べます。

・バトルシップ(Battleship) : 戦艦ゲーム
・ラビリンス(Labyrinth)
・ヒット・アンド・ブロウ(Hit and Blow) : マスターマインド
・アグレッション(Aggression) : 陣取りゲーム
・フットステップ(Footsteps)
・スプラウト(Sprouts) : トポロジーのゲーム
・ボックス(Boxes) : スクェア(Squares)、フィールドアンドフェンス(Fields and Fence)
・虫食いゲーム(The Worm) : スネーク
・コル(Col) : 地図塗り分けゲーム
・ブラック(Black)
・スクェア・イン・ライン(Squares in Line)
・クリスタル(Crystals)

 非常に有名なものから、知っていてもプレイしたことのないもの、初めて知ったものなど、いろいろありました。初めて知ったゲームで、“ラビリンス”(迷路)というのがおもしろそうでした。「あそびのコラム」その17で、ルールを説明しておきました。よろしかったらご覧下さい。

 「あそびのコラム」と、ここ「ひとこと」で、ちょっと文章を使いまわしてしまいました。


8月20日(月) 三角ゲーム
三角ゲームの説明図

 紙と鉛筆で遊ぶゲームで、昔小学生のころによく遊んだのが、右の図の「三角ゲーム」というものです。小学校の頃に遊んだものですから、基本的にはシンプルで差がつきにくいゲームでした。 二人で遊ぶゲームですが、完全情報公開型でゲーム盤は1つだけです。いくつかルールのバリエーションがあります。

【準備】 最初に紙の上に適当に点を打ちます。15〜20個くらいが適当でしょう。これがゲーム盤になります。(図上)

【目的】 最初に打った点を頂点とする三角形を作ります。作った三角形が多い方が勝ちです。

【プレイ】 準備が終わったら、二人のプレーヤーが交互に点と点をつなぐ直線を1本ずつ引いて行きます(図中)。 直線は交わってはいけません。自分が引いた直線で三角形が完成したら、その三角形が自分のものであるというマーク(印)をつけます。ただし、できた三角形の内部に点が含まれる場合は、その三角形は自分のものになりません。 なお、一回の手番で引ける直線は1本だけです。パスはできません。

【勝敗】 こうしてプレイを続けて行って、もうこれ以上線が引けない状態になったら終了です。この段階でそれぞれの三角形の数を数えて、多いほうが勝ちです。図下の例では、16対15で、先手()の勝ちです。

【バリエーション】 プレイの状況によっては極めて細長い三角形が出来ることがあります。そのとき、適当に点を打ってあると他の点を含むかどうか等、はっきりしない場合が出てきます。そこで、方眼紙の格子点に点を打ち、極端な鈍角三角形は認めないといった条件をつけることもできます。(鈍角の上限は、たとえば三角比で定義しておきます。)

 また、自分が引いた直線によって三角形が出来た場合、相手に手番を渡さずに続けて直線を引ける、というルールもあります。

 一部のルールでは、「三角形以外の閉ループを作ってはいけない」 とか、「内部に点を含む閉ループを作ってはいけない」 というルールを採用する場合もあります。

 で、このゲームに非常によく似たゲームが“ボックス”です。ボックスについてはまた改めて。


8月21日(火) 音楽心理学

 ちょっと調べ物をしていたら、音楽心理学へのご招待というページをみつけました。音楽心理学とはどんなものかというと、このページの説明を引用させていただくと、例えば以下のような疑問に答えようとする学問なのだそうです。

1) 根音は、なぜ和音の基礎なのか?
2) 完全4度も完全5度も協和音程なのに、減5度はなぜ不協和なのか?
3) ソナタの主題がさんざん変形されても、元の主題だと判るのはなぜか?
4) 12音技法の規則は、聴く人にとっては無意味ではないのか?
5) 複調音楽の、それぞれの調を聴分けることはできるか?
6) 平行5度は、なぜいけないのか?
7) バッハの無伴奏ヴァイオリン曲が、まるで合奏のように聴こえるのはなぜか?
8) モーツァルトの交響曲に見られる突然の休止には、どんな効果があるか?
9) 日本語のロックはなぜ腑抜けになるのか?
10)ラヴェルの「ボレロ」の管弦楽法は、本当に計算しつくされたものなのか?
11)絶対音感は有害ではないか?
12)コンピューターから出てくるリズムが変に聴えるのはなぜか?

 たいへん面白いページです。九州芸術工科大学聴覚心理学教室の教授をされている、中島祥好先生という方が書かれているページです。お勧めです。

 話題がコロコロ変わってすみません。


8月22日(水) 検索エンジン

 Webで検索をするとき、どんな検索エンジンをお使いでしょうか。やはりYahooでしょうか、それともgooでしょうか。 それともgoogleでしょうか。 私はほとんど google か goo です。(Yahoo のキーワード検索ってgoogleのエンジンなのでしたっけ?)

 昨日、NAVERという検索エンジンを使ってみたのですが、このシステムの検索結果の類似文書検索がわりと便利でした。このサイトの検索結果に対して、類似文書検索をかけてみたら、例えば以下のようなページが挙がってきました。

 ・3Dジオシェイプスの通販のページ
 ・K'nexの作品を載せている個人のページ
 ・タイル貼りのソフトウェアのページ(有償のソフトウェアです)
 ・フリーの有限要素法の構造解析ソフトウェアのページ(ただしLinux上のもの)

 これまで、3DジオシェイプスとかK'nex のページを探していてもなかなかみつからなかったのですが、この検索エンジンのおかげでみつけることができました。3番目、4番目のソフトも面白そうです。(私は実はPC用のUNIX は FreeBSDが好きで、自宅のPCにはLinuxは入れていないのですが、この"Free Femleeg" というソフトのために、Linuxを入れようかと思ってしまいました。でもしばらく時間がないです。)

 台風11号の速度が遅いため、心配しています。


8月23日(木) 人工知能

 CNNのページを見ていたら、AIのHALは「1歳半」 イスラエル科学者が育てる人工知能 という記事がありました。

 HAL というのはご存知の通り『2001年宇宙の旅』という映画に出てきた人工知能です。(余談ですが、HALという名前の由来は、IBMというコンピュータ会社の名前のアルファベットを1つずつずらしたもの、というまことしやかな噂がありました。アルファベットのIの前はH、Bの前はA、そしてMの前はLです。)正確には、『2001年宇宙の旅』のHALは、HAL9000という名前で、宇宙船をコントロールしているのですが、いろいろトラブルが起こります。

 このイスラエルの人工知能は、大胆にもこの名前をもらってHALと名乗っているようです。記事の紹介を見る限りでは、イスラエルのHALは外界とのやりとりはキーボードからの文字入力とそれに対する文字出力だけのように読めます。映画のHAL9000が音声で人間とやり取りし、しかもカメラによる視覚処理も極めて優秀で、読唇術を心得ていたりしたのとは対照的です。

 記事を読む限りでは、イスラエルのHALを開発している科学者グループは、現在の方法で、何年か後には人間と同様な思考能力を持つコンピュータを開発できる、ということに関して極めて楽観的に考えているようです。(まあそう思わなければ予算的にも心情的にもやれないでしょうけれども。)

 でも、少なくともここしばらくの人工知能やロボットの研究では、人間が肉体を持っていること、五感を持っていることが「人間らしい思考」にとって不可欠ではないか、という考えが主流になってきていると思っていました。 (私の知る限り、ですけれども。)

 たとえば、音楽を聴いてなんらかの情緒的な感情を思い浮かべたり、何かを見て美しいと思ったり、なにかに触ってみたりにおいをかいでみたり味わってみたりしたときの「感じ」、それらのうち1つも知らないとしたら、言葉だけでしか外界とやりとりできないとしたら・・・・・。その条件で、人間と同じ思考過程を持つものを創ることが本当にできるでしょうか。

<おまけのひとこと>
 昨日、8月7日のひとことで紹介したJ.S.Bach のカンタータ4番の2曲を、実際の楽器(リコーダー)のアンサンブルで音にしてみる機会がありました。手前味噌ですが(曲が)とてもきれいだな、アンサンブルってとても楽しいな、と改めて思いました。


8月24日(金) ペン回し

 私のペン回しの歴史というページをみつけました。「ペン回し」というのは、鉛筆やペンを、字を書くときに持つ持ち方から親指の周りを一回りさせて、再び字を書く持ち方に戻るという技で、ご存知の方も多いのでは、と思います。

 私はお手玉とか剣玉とかの手先の遊びも好きです。(でも下手です。) 当然この「ペン回し」にも興味を持っていて、どちらの手でもできます。でも、このページにあるような様々な技はほとんど知りませんでした。今度練習してみたいと思います。

 お手玉やペン回しは、いずれも奇術(マジック)の技術の1分野で、お手玉なら“ジャグリング”、ペン回しなら“ショートスティック”といった分野になるのだそうです。ジャグリング用のボールは日本のお手玉よりも密度が高くて変形しにくく、ずっしりした感じがします。ちょうどミカンと同じくらいの大きさ・重さ・堅さです。

 実は私は昔、内緒でミカンでお手玉の練習したものです。(失敗して落とすと割れるのでそうしたら食べる。) ジャグリングボールというのが世の中にあることすら知らなかったので、単なる偶然ですが。 でも、今、自分の子供がミカンでお手玉の練習をしたら止めさせます。

<おまけのひとこと>
私のページで紹介しているK'nex と 3D GeoShapesの公式のページと思われるページをみつけました。
 ・K'nex
 ・3D GeoShapes
どっちも英語ですが。そのうちリンク集に入れます。


8月25日(土) お手玉

 お手玉についてちょっと書きます。お手玉の基本は、1つの玉を片手で投げ上げて、それを受け止める、それが確実にできるようになることです。いつも同じ高さ、同じ場所に投げられるようになるというのが大切です。

図 1
 左の図(図1)は、片手で投げて同じ手で受け止める場合です。

 1. 投げる
 2. 受け止める

を繰り返します。投げる場所、受け止める場所が動いてしまうと安定しません。手はリズミカルに回転します。私は片手では2個までしかできませんが、安定して投げられれば数を増やせるそうです。

 完全に真上に投げてしまうと、投げ上げる玉と落ちてくる玉がぶつかってしまうので、投げ上げる場所と受け止める場所は適度に離します。(よくイラストやマンガなどで、同じ場所で投げて受け止めて軌道が楕円になっているものがありますが、あれはウソです。)

図 2 図 3

 右の2つの図は、両手を使うパターンです。

 左側の図(図2)は、片手が受け止める専門、もう片手が投げ上げる専門となる例です。

 1. 投げる
 2. 受け止める
 3. 投げるほうの手に渡す

を繰り返します。このパターンは2個だととても簡単です。私は3個までしかできませんが、4個でできる人も多いそうです。

 右側の図(図3)は、先ほどの片手で投げて受け止める、というのを左右交互に行う例です。

 1. 右手で投げる
 2. 左手で受け止める
 3. 左手で投げる
 4. 右手で受け止める

 私は、これも3個までしかできません。(両手に1個ずつと空中に1個)

 さらに、図1のように片手で2個を回すのを、左右両手で同時に行う、という4個の技もあります。これは片手で2個というのがよほど安定して出来ないと、制御しきれません。(私はできません。) お手玉も、まだまだいろいろな技があって楽しいです。

 8/27更新。



8月26日(日) かなづちまわし
図 1
図 2
図 3

 お手玉に慣れてくると、身近ないろいろなものを投げたり受け止めたりしたくなるものです。いわゆるジャグリング(西洋のお手玉)では、ボールだけではなくて棍棒とか刃物、大きな輪っかとかを投げたり受け止めたりする技があります。そういえば新体操とかでも道具を投げてキャッチするという技がいろいろありますね。

 ミスをしたときに怪我をするのはいやなので、刃物でお手玉をするつもりはありませんが、かなづち(図1)でお手玉をやってみようと思ったことがあります。

 これだって足の上にでも落とした日には骨折とかする可能性もありますから、無論危険はあります。このページを見てやってみようと思われる方はいらっしゃらないとは思いますが、もし試される場合はご自分の責任においてお願いします。もし真似をされて何かあっても私は責任は負えません。

 さてかなづちですが、その質量の大部分はかなづちの頭の金属部分であるため、図2のように重心は普通はだいたいかなづちの頭の部分になります。そのため、かなづちの柄の先端を持って支えようとすると、とても大きな力が必要になります。

 例えば図2のB-Cの部分を握ったとすると、握った指のBの側はかなづちが落下しないように上向きに支え、逆にCの側では重い頭(Aの部分)が下がらないよう、下向きに支える事になります。てこの原理で、A-B間が長いほど、B,Cで大きな力が必要になります。

 さて、このかなづちの柄の部分をちょっと上に投げてみます。すると図3のように、かなづちは重心(つまり頭の部分)を中心に回転します。力を与える向きと強さ(と時間)をうまく調節すると、かなづちの頭はほとんど動かずに、柄がくるっと縦に鉛直面内で1回転します。ここで柄をキャッチします。

 逆に、柄を下に向かって押して、図2でいえばBの方向への力も若干加えながらCの方向への力をかけてやることによって、下から上へと逆回転させてキャッチすることもできます。このときは、柄の先端を持ちながら、頭の部分をわずかに手前に投げる感じにすると、柄が勢いよく回転して手のひらの中に飛び込んでくる感じになります。

 お手玉には程遠いのですが、この「かなづちまわし」、わりとおもしろくて気に入っています。

 8/28更新。繰り返しますが足の上に落とすと大変危険です。
 8/26(日)は漬け瓜の酒粕漬を作りました。



8月27日(月) 「おもしろい」の語源

 この「あそびをせんとや」というサイトの公開をはじめて半年になりました。当初はこのページを見るのは自分と家族くらいだろうと思っていて、まあ1年で1,000カウントくらいだろうなどと思っていました。

 当初思っていたよりも多くの方にご覧いただいているようで、とても嬉しく思っています。ありがとうございます。

 このサイトは、「あそび」や「おもしろいもの」を紹介してゆこうということではじめました。「面白い」という言葉の語源をちょっと調べてみたのですが、たとえばこことかこことかに、異なる説が載っています。

 「語源」というのも面白いですね。(8/28更新)



8月28日(火) 氷水

 夏場、冷たい水が好きで、いつもポットに氷水を作って持ち歩いています。冷蔵庫には500mlのペットボトル3本に水を入れて冷しています。大きなビン1本だと、そのビンが空になってしまうと補充した水が冷えるまでしばらく時間が掛かってしまいますが、3本をローテーションして順番に飲むようにすると、常に冷えた水が飲めて重宝します。

 1本が空になると、水を入れて1時間程度冷凍室に入れます。すると、長い針状の結晶(つまり氷)が成長してきれいです。欠点はまずペットボトルの口が凍ってしまうことなのですが、これは手で10秒くらい握ってやると解けます。

 3日分まとめてしまいました。すみません。


8月29日(水) ロボット

 『ロボット21世紀』(瀬名秀明 著 文藝春秋 (文春新書 179) ISBN4-16-660179-2)という本の書評のページを読んでいたら、以下のような引用文がありました。

 「二足型のロボットというのは,どんな動作をやるときでも絶対に予備動作が入るんですね。必ず重心移動みたいのをやらないと歩き出せない。そういう予備動作があるから,人間側はロボットが何をしようとしているのか読める。だから脇にいても安心なんですね」 (74ページ)

 なるほど、と思いました。

 最近ロボット玩具ブームですが、害虫ロボという企画がプレスリリースされたようで、日経のサイトに出ていました。 “センサーで人を感知しプラスチック弾を発射したり、粘着物や悪臭を放つ”んだそうです。 こんな製品の需要がある世の中なんでしょうか。

 個人的には、こんなのじゃないと思います。虫だって生き物ですから、無意味な攻撃行動はしません。何かを守るとか、捕食行動とか、何か意味が無ければこの「害虫ロボ」のような行動はしません。


8月30日(木) 個体発生は系統発生を繰り返す

 私が愛読しているWebの日記サイトに、電器売場店員のクレーム日誌というところがあります。ここの8/29の「耳のカタチ。」という日記を読んで、ヘッケルの“個体発生は系統発生を繰り返す”という話を連想しました。(もちろん上記のページの話とは無関係なんですが。)

 発生学という生物学の学問分野があります。これは、最初はたった1つの細胞であった受精卵が2つ、4つ、とどんどん分割していって、最後には大変複雑な生き物の形を作り出すまでのプロセスを研究するものです。最初は均等だった細胞が、ここは頭、ここは内臓、ここは手足、というようにちゃんと役割分担をして間違い無く親と同じ形の生き物になってゆく仕組みは、今現在でもわかっていません。

 で、上記のヘッケルの学説はどういうものかというと、発生において、ヒトの胚子は魚類・両生類・爬虫類・哺乳類という進化の歴史を初期発生の各ステージで再現しながらヒト型の形態を形成していく、というものです。

 この学説は、現在は生物学の基本法則として広く受け入れられているというものではなく、たまたま観察された現象を端的に記述しているにすぎない、という扱いなのだと思います。このあたりの進化や形態形成に関する学説の変遷については面白い話がたくさんあって、専門家の書いた一般向けの面白い本も何冊もあります。

 このヘッケルの学説はたいへん魅力的な考え方であるため、発生学にとどまらず、精神分析の反復説とかでも取り入れられたりしています。

 たとえば学問、特に自然科学や数学などは、ある個人がその先端に行きつくためには、結局これまでの研究の歴史をたどるのが早道です。 人類が何千年もかけて作り上げた知識の体系を、1個人が主に人生の初期段階の十数年かけて(あるいはもっとかけて)たどるわけです。このあたりの事情が、ヘッケルの学説にあてはまるように思えるわけです。「個人の知識の獲得は、人類の知識の獲得のプロセスをたどる」というわけです。

 学問体系はマクロに見ると常に進化発展していますから、時代が進むにつれて、先端に行きつくために学ぶべき事が増えて行きます。ちょうど生物の発生において、魚類ならば卵から数日で孵化するのに、両生類・爬虫類と進むに連れて時間が掛かるようになるのと似ています。

 哺乳類において、体内に胎児がいる状態というのは大きな負担になります。この期間が長いということは、それだけリスクも大きいわけです。同様に、先ほどの学問の例では、教育期間というのは負担が大きな期間です。こんなところも似ています。

 個人的には、私達人類が生物として進化してきて、10ヶ月という長い期間を母体内で過ごすという選択を(種として)行ってきたように、教育期間もどんどん延びていくのが正しいのではないかと思うのです。で、その分寿命も延びればいい。 (現に伸びていると思います。) 今の教育制度のように、ゆとり、ゆとりと言って、これまで私達の先人が大変な苦労をして築き上げてきた知識の体系を伝えて行かないというのは、とんでもない損失なのではないかと思うわけです。

 実はすでに社会的な階層としての分化がはじまっているのでは、と危惧しています。


8月31日(金) 2001 8x8 Game Design Competition (その1)

 私のサイトと相互リンクというかたちにさせていただいている数少ないサイトに、Tsuppy's Abstract Gamesというところがあります。このサイトを管理していらっしゃるTsuppyさんから、以前2001 8x8 Game Design Competition(英語)というページを教えていただきました。

図 1:初期配置 図 2:駒の動き

 要するに、8x8のチェス盤を使ってできる新しいゲームを発明して、そのコンテストをしようというもので、上記のページによれば、50以上の参加があり、その最終審査に残っているのが7つあるということです。シンプルなもの、複雑なものいろいろありますが、割と面白いアイディアが込められているものもあります。ちょっといくつか紹介してみようかと思います。とりあえずは今日は1つ目として、“Breakthrough”(by Dan Troyka) をご紹介します。

【名 称】 ブレークスルー(Breakthrough)

【考案者】 Dan Troyka

【準 備】 チェス盤に、白・黒の駒16個ずつを図1のように並べる。駒は将棋やチェスのような区別はなく、全て同じ扱い。

【目 的】 自分の駒のどれか1つを、自分から見て一番遠い列(相手の一番手前の列)に進める。例えば図1で、白ならば一番上の列に1つでも自分の駒が侵入したらその時点で勝ち。または、相手の駒を全部取ってしまったら勝ち。

【駒の動き】 全ての駒は、図2のように1歩前進か斜め前に1歩前進することができる。後退はできない。真横にも移動できない。移動先に相手の駒があったら、それを取りのける。自分の駒があるマスには進入できない。取った駒はゲーム終了まで使わない。

 ○ ○ ○

 ルールはシンプルだけれども戦略はとても奥が深い、と紹介されています。でも、だいたい1局面で選択可能な手の数は平均すると20〜30手程度でしょうから、まじめに計算機に解析させたら「先手必勝」とか「後手必勝」とかいうことがわかってしまうのではないかと思います。

 もしも自分が小学生の頃にこのゲームを知ったのだとしたら、多分一生懸命研究していたと思います。ルールはとても簡単ですから、今度子供とやってみようかと思っています。

<おまけのひとこと>
 柄にも無くちょっと重いことを書いてしまった昨日の「個体発生は系統発生を繰り返す」ですが、たとえば音楽などの芸術の世界では過去の発展のプロセスを個人が辿る、ということは必ずしもないのではないかと思っています。辿ってから壊す人もいますが。



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