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占いの効用

 しばらく前に「動物占い」というのが流行りました。もうすっかり下火になっているようですが、一時期はキャラクターグッズが出回ったり、Webサイトなどの自己紹介で動物占いの分類を書く人が増えたり、私のような流行に鈍感な人間にもわかるくらい流行っていたようです。しかし、血液型や占星術のように定着することはどうやらなさそうです。 (余談ですが、占星術といえば、一時期話題になった蛇使い座でしたっけ、13星座による新しい占星術というのは今はどんな扱いなんでしょうか?)

 皆様、占いはお好きですか? 何か信じている占いはありますか? 実は私は占いってわりと好きです。 占いにもいろいろあって、例えば血液型や姓名判断のような本人の性格診断や相性といった性質のものから、今日の運勢・今年の運勢といった未来を予見するような性質のものまで様々なものがあります。

 この中には、例えば「厄年」というような医学的統計的に意味のありそうな「生活の知恵」的な知識もあれば、トランプ占いのような、本来はランダムな現象に意味付けすることによって占いが成立するというタイプのものもあります。 私は、こういった様々なタイプの占いが、いずれもとても面白いと思うのです。

 こんな事を書くと、「こいつは実は擬似科学的な価値観を持っている奴だったのか」と誤解されそうですが、そうではありません。 占いというのは、新聞や雑誌、TVやインターネットなど様々なメディアでいろいろなものが提供されています。 これは多分、世の中の多くの人が占いが好きだからだろうと思うのです。もちろん大部分の人は占いを盲信しているわけではないでしょう。だとしたらなぜ、なんのために占いを好むのでしょうか。

 占い、というのは多くの場合あいまいでいろいろな解釈ができるような表現になっています。私はこれこそが重要だと思うのです。 多くの人がきっとそうだと思うのですが、日常的な生活の中にいると、自分の身の上のことについていろいろと想像をめぐらせる機会が減ってくるのではないでしょうか。 本を読んだり映画を見たりしても、自分を完全に投影しきって空想をめぐらして、それによって現実の自分の行動パターンが変わる、ということは、少なくとも大人ではまずないのではないかと思います。

 ところが占いというのは、この現実の中にいる自分が、これこれこういう状況に置かれる、と断定するのです。あるいはあなたはこれこれこういう性格です、とか。例えば今日は臨時収入がある、とか、今日は人間関係でいやなことがある、とか。 そう言われれば、信ずる・信じないにかかわらず、ちょっといろいろ考えてみると思うのです。

 自分が本当は何を望んでいるのか、何が好きで何がいやなのか、ということは意外とわからないものです。占いというのは、自分一人では思いつけないような様々な状況に自分を置くことを想定することによって、自分が本当は何を望んでいるのかに気がつくきっかけを作ってくれるものなのだと思うのです。

 "Be careful what you wish for, you just may get it."ということわざがあるそうです。「何を願うか気をつけなさい。もしかしたら、それが本当になってしまうかもしれないから。」 という意味です。

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2001.05.29 hhase