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8月8日〜9日 <蝶ヶ岳2,677m〜大滝山2,616m>

はじめに
昨年のこの時期、土日の休みをフルに使って山へ行っても、その後2日間乗り切ればお盆休みに入るからってことで白馬三山へ行った。今年も塩見岳へ行った後は地区の球技大会、雨と2週山に行けなかったので、ここで泊まりで行きたくなった。今年のカレンダーはお盆休みまで中3日、なんとか乗り切れることだろう・・・。問題は天気、直前の予報が思わしくなくなってしまった。が、蝶ヶ岳の登山口(三股)まではうちから1時間半以内、登山口まで行って雨が降っていたら戻るつもりで行ったところ、まずまずだったので、決行となった。

1日目   8月8日 三股〜力水〜大滝山との分岐〜蝶ヶ岳山荘、お昼の後、蝶槍〜蝶ヶ岳山頂〜妖精の池を往復

うちから三股の駐車場まで1時間15分くらい。4時半に駐車場に着いたけれど、ほぼ満車状態で空きは7台くらいだった。雨なら引き返すつもりもあったけれど、まずまずの天気だったので5時に出発。ゲートから林道を約20分歩くと登山口で、係りの人がいて登山届けをきちんと出さないといけないことになっている。前回(2001年)三股から常念〜蝶を歩いた時の教訓から、ちゃんと家で書いてきたのでスムーズに関門通過(笑)。この場所に来て書く時間がもったいないからね。
ちなみに昨年10月に行ったROCKYさん(by青空の下で遊ぼう!U)のレポを見ると登山届けはポストに入れていたので、係りの人がいるのは夏場だけなのかな。

少し行くと増水している場合は迂回路を・・・って標識があったけれど、心配したことはなかった。
ほどなくして力水登場。でもここ数日の雨からなんか濁っていそうな気がして飲まなかった。
気温の割りに湿度が高かったからだと思うが暑くて汗が噴出す。
でも曇り空ながら常念の稜線が見えて来てうれしくなった。稜線までの標高差は1,300m、とてもきつい。きついけれど、登っていかないことには展望を見ることができないのでひたすら登る。でも道はとても歩きやすく整備されていて、特に下1/3くらいはクッションが効いたフラットな道で下りの時はずいぶん楽だった。
定期的に距離を示す標識があって、いい目安になった。


チングルマの群落
大滝山との分岐に到着。
今回登りながら考えていたのが、この日のうちに大滝山に行くか、まっすぐにヒュッテまで行くか。ちなみに登山届けには2日目に行くように書いた。
ちょっと悩んで大滝山に行ってるうちに天気が悪くなってしまったらもったいなので、パスすることにした。
とはいうものの、2日目にも行くかどうかわからないので、分岐を少し下ってみたところきれいなお花畑が広がっていた。

コバイケイソウはちょっと遅め。

コバイケイソウ
クルマユリも多かったし、ハクサンフウロが咲き始めできれいなピンク色だった。
そしてヒュッテ到着、なんと10時。普通なら十分日帰りの山なので10時にも着くわけよね。
受付はお掃除も終わった直後だったようで、テーブルをごろごろと引っ張って来てくれて一番乗りだった。
11時ころ小屋の外でお昼を食べ、その後部屋でちょっとお昼寝。この頃は周りはガスで展望はなかった。
ちなみにこの小屋のトイレ、中のは夕方6:00から翌朝5:30までだけが開放でそれ以外の時間は外トイレを使うことになっていた。。中トイレは洋式だった。
お昼寝している頃からちょっとづつ後続の登山者が到着し始めて来た。
ペーターは前夜の寝不足から気持ち良さげに寝ていたけれど、私はふと目が覚めて外へ出てみた。
すると、なんと穂高の稜線が見え始めているではないか。
槍の穂先も一瞬見えびっくり。
あわててペーターを呼びに行く。
青空が見え、大キレットに日も差し、緑がすごくきれい。
なんとなく天気も良さそうになって来たので、寝てちゃもったいない。
出かけることにした。
さて行き先は蝶ヶ岳山頂か、蝶槍か。
蝶槍までは片道30分くらい。槍穂の稜線がしっかり見えた時に歩きたい気もしたが、展望は開けて来たので行くことにした。
目指す蝶槍と稜線がきれいに見えて来た。
常念から来る人も多かった。
蝶槍と常念。おぉぉ、かっこいい。
来て良かったと思った瞬間。
蝶槍から戻る時の槍ヶ岳。ここまで見えたらまずまず満足。
下は槍沢までくっきりと見ることができ、昨年ここを登った伊那市のかつとんさん(byマエザワ美容室)を思い出した。たまにかつとんさんの掲示板に出かけた先から写真を投稿することがあるが、今回はmilkさん(by二人で山歩き)の掲示板に写真を送ってみた。帰って私の掲示板を見たら、偶然にもmilkさんはこの休みでここ蝶〜常念に行く計画をしていたが中止になってしまったとあってびっくり。いいお土産になったかな。
夕方にはかつとんさんの掲示板にも写真を投稿。
かつとんさんも蝶は計画にあったものの、機会がなかったとのことだった。
かつとんさん、本当にお勧めの場所です。
上高地から歩いた長〜〜〜い道のりがよく見え、感動すること間違いなしです。
ヒュッテまで戻って来てそのまま山頂へ。
見下ろす小屋とテント場。どちらも非常に素晴らしいロケーションにあり、特にテントからはちょっと顔を出すと朝日が見えることでしょう。
テントはこの後まだまだ増えた。
山頂標識と槍ヶ岳を写真に収めたかったけれど、角度的に無理で、標識のみ。
この標識はとても新しそう。でも旧町名だったので、それでも何年かは前にできたんだろうな。って思ってたら副長さん(by北アルプスに魅せられて)のレポに平成16年秋に設置されたって書いてあった。ちなみに副長さんが行ったのは2005年8月8日、まったく同じ日だった。ただ副長さんはもう1泊して常念まで行ってたけれどね。。
そして妖精の池へ。ここへ行くまでがまたお花畑が素晴らしかった。
上高地から登って来た人たちにも多くすれ違った。
妖精の池に行くまでに見た花たち(ほんの一部)
    

小屋に戻った後は外のテーブルでビール。残念なことにこんな大きな小屋だけれど生がなかった。今回この夏初の生を楽しみにしていたのに。
テーブルでは北アルプスデビューの若いお姉さん二人と相席になって、楽しかった。とても人懐っこいいい雰囲気を持ったお姉さんだった。テント泊とのことだったけれど翌朝も一緒になって写真を撮ったりした。
夕食は5時からだったけれど早めに準備ができ何度目かの放送でやっと気がついて慌てて中に入った。夕焼けはなく、天気予報を見て7時半頃寝た。
夜中は雨と風が強かった。テント泊の人は眠れなかったかも。

2日目   8月9日 蝶ヶ岳山頂〜大滝山(往復)〜三股

4時半頃外に出て見ると
なんと予想外の展望。
富士山に南アルプス、振り返ると槍穂も見えていた。
もちろん八ヶ岳も浅間山も、結局のところ360度の展望ってことです。
雲は多いけれど、逆に多いからこそ朝焼けに期待が持てるかも・・・。
ほぼ5時ちょうど、焼けた。
ちょうどいいくらいの雲の多さで、雲海がこれまたすばらしい。
最高に近いくらいの出来映えじゃないかな。
そして振り返ると穂高に陽が差し
な〜〜〜んと、虹まで出ているじゃない。
虹の真下が御嶽山、その右が乗鞍岳、一番右が焼岳。
み〜〜んな見てる。
富士山わかるかな。少し離れた左が八ヶ岳。
大天井〜常念も。
山の天気ってわからないものだ。
まさかこんな展望があるとは。
この後小屋に戻って、朝食は例によってお弁当。
食事付きの人はけっこうな長さで並んでいたので、お弁当にして正解だった。
食べ終わって朝の天気予報を見ているとヘリがやって来た。
荷揚げが始まったらしい。一回目は見逃してしまったけれど、その後も何回も来たので迫力ある風景を見ることができた。
最後から2番目くらいの荷揚げ。当然ながらこれだけ近くにいると風は凄い。
そしてこの後が凄かった。
大勢見ていたせいか(?)おそらくベテランパイロットのパフォーマンスで、まるで谷へ落ちるように旋回して去って行った。瞬きする間もないくらいで、歓声に拍手喝采。これが見れたこともとてもラッキーだった。
最後のヘリのパイロットはちょっとまだ未熟だったようで、一回目で下ろせず、周りの人が脇へ寄って再チャレンジ。その後は普通に去って行った。
7時頃までに5〜6回来て、ここが終わった後は穂高方面で音が響いてた。お盆前の貴重な荷揚げ日和だったんじゃないかな。
荷揚げの様子に夢中になってたりして、結局小屋には7時15分ころまでいた。
出発前にいったん瞑想ノ丘へ行き、ここからの最後の展望を楽しむ。
前日は見ることができなかった穂高の峰々はまだまだくっきり。
大天井〜常念も。

瞑想ノ丘にて

最後にもう一度山頂へ
蝶槍までの道をしっかり見て小屋に戻って出発。この時点ではこのまま下るか、大滝山まで足を延ばすかまだ未定だった。
ただ、私が夕方美容院の予約を入れていたので、家に遅くても4時に帰ることが必須。それを過ぎたらキャンセルしなくちゃいけない。それでも本当は3時予約だったのを数日前に4時半に変えてもらっていた。ここでキャンセルしちゃうと次はいつ行けるかわかんないので、どうしても行きたいなぁ。
でも分岐まで下ると、大滝山への稜線が「こっちへおいでよ」って呼んでた。ここでは迷うことなく大滝山へGO!!
前の日にも見たお花畑を見ながら15分ほど下ると雨が降って着たので雨具を着る。まもなく止んだけれど、道幅が狭く、朝露が付くので着たまま歩いた。暑くもなかったし。
この道沿いには何箇所か池があって楽しみの一つだった。
↑ 最初に現れた池2つ。 → 
4つ目くらいかな。ちょっとした橋が架けられてて渡った。
そして振り返ると朝いた蝶ヶ岳に槍穂が。
南岳の「シシバナ」がちょこっと見えているのわかるかな?
この辺から稜線歩きになる。一番奥が山頂。山頂の直下に蝶ヶ岳ヒュッテと同じ経営の「大滝山荘」があって、その先に池。そこを超えると山頂だった。
雲が多かったので写真にはうまく写らなかったけれど、ここから松本平らが一望できた。
そしてヒュッテからも見た、八ヶ岳、南ア、富士山、浅間山も。
ただ穂高の方面はハイマツの上に上部だけが見えている感じだった。ここで私たちと同じくヒュッテからのピストン者がいて話しをしたところ松本の出身とのことで、この景色にひときわ感動していた。
小屋近くでテントを張っていた人がいたが、なんと10日間の予定で上高地から入って、常念〜燕〜餓鬼、更に、表銀座から西鎌を下って双六〜笠まで行く予定だと行ってた。でも前日荷物が雨で濡れてしまったし、翌日からも天気が悪いのでどうしたらいいか悩んでいる様子だった。

分岐に戻る時の景色
山頂から少し戻ったところで早めのお昼にして、分岐に戻ったのが11:30。雨具は途中で脱いだ。
いよいよ帰りの体制に入る。分岐から三股まで約3時間。2:30に三股に着いたとして家まで1時間15分、帰りはちょっとは渋滞があるとすると4時に到着?
美容院に行くのぎりぎりかなぁ。(シャワー浴びて行かないといけないからね)
途中2回休憩した。それにしてもこの下り道、歩きやすい。最初にも書いたように最後の1/3ほどは特に歩きやすかった。おかげで車に着いたのは予定より早い2時。ちょっと楽勝になったので、登山客を迎えに来ていたタクシーの運転手さんと話しをすると、土曜の夕方の雷雨は凄かったらしく、特に諏訪地方では被害があったらしいと。山の上は夜中の雨、風だけだったので、本当にわからないものだ。
2:15頃出発して、家についたのは3:45頃、十分時間があったのでお風呂に入って、てかてかの顔で美容院に行った。

最後のお花

最後に
天気が安定しないこの夏、火打、塩見、蝶と合間をぬって意外と楽しめている。仮にお盆に行けなくてもあきらめはつくけれど、できることならもう一回楽しみたい。
それと、かつとんさん、milkさんが蝶に行くチャンスが早く来ればいいなぁぁ。

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