S 秘密の花園

 秘密の花園... あぁなんと良い響きだろう。 Secret Garden、Private Garden... そういう名を冠したお庭は、何としてでも見てみたい。 そう思うのは私だけではあるまい。 しかもそのお庭の主役が、贅沢に肥料を食べつくし、ほんの少しでも目を離そうものなら、すぐに病気になって生き絶えてしまう...、そう、そんな「薔薇」であったのなら...。




 ジョセフィーヌよ。あなたの残した功績はあまりにも偉大。夫であるナポレオン一世の功績など比べようもない。
 ジョセフィーヌよ。あなたは100年以上も遅れてこの世に生を受けた私たちに、かくも美しい花を残してくれた。
 ジョセフィーヌよ。あなたに青い薔薇を見せてあげたかった...。

本当に入りますか?  はいいいえ

「ローズガーデン・むとう」 
 秘密の花園... あぁなんと良い響きだろう。 薔薇を紋章として30年も戦い合った英国の貴族たち。あなた方が命をかけて戦った薔薇戦争。その史実は今なお、薔薇の名前としてこの世に残されている。ヨーク家、ランカスター家。白い薔薇と、赤い薔薇。皮肉なことに、あなた方の名を冠した薔薇は、白と赤の縞模様の花びらをしている...。




 オースチンよ。あなたの残した功績もあまりにも偉大。オールドローズとハイブリッド・ティ、フロリバンダを交配して生み出したイングリッシュ・ローズ。それはこの上なく美しい薔薇。
 オースチンよ。あなたは薔薇の歴史において、それまでは何も重要な品種を生み出していなかった英国に、突如貴重な品種をもたらせた。
 オースチンよ。あなたに青い薔薇を見せてあげたい...。