Futtou's Home Page 沸騰ファンのための機関誌

沸騰タイムス

なんとか第4号 1994.11.2

コンテンツ

☆FROM GUTTI☆

「新年の抱負」

 みなさまへ

 新年あけましておめでとうございます。

 旧年中はみなさまには本当にお世話になりました。忙しくつらかった1994年を昇順に振り返って、今年95年の展望をまとめてみようかと思います。


【4月 第4回公演 「思い出すたび逢いたくて」】

 関西の人気劇団猫のお尻の代表作を持ってきました。以前猫のお尻を見に行ったとき、脚本がとても良かったものですからぜひやってみようということになりました。沸騰100℃は男優は充実しているけど女優はそれほどでもないという評価あるいは自覚もあり、本当はどちらも充実しているわけではないのですけどそれなら女優中心の芝居をやってみようじゃないかという実験でもありました。久々に舞台美術に時間を割いた公演でした。桜の木を舞台に作ろうと3×6のベニヤに発泡スチロールと紙で枝をつけました。例によってペンキが乾かず旧ハロー号内部はまたもや汚染。同情を禁じ得ません。当日はイントレ(建築現場によくある鉄パイプ製の足場)を借り、品川園の2t車を借りて運びました。運ぶ途中で車が建造中の諏訪湖スタジアムの埋め立て地につっこんでしまい立ち往生するという場面もあったり、その重さと作業性の悪さ由、会場まで運搬したものの舞台に組むのは止めようかとさえ思いました。けれど団長の目が恐かったので初心貫徹で組みました。本来ならその足場に照明を吊ってみようかとも考えましたけど、危険という判断から中止しました。そのためただオブジェとして足場があるという事になってしまいました。まあ、まっさらな小ホールの空間が小劇場っぽい雰囲気になったという意義はあったかと思います。芝居の方は初舞台も何人かあったせいか緊張がほぐれず、舞台もなんとなく固いものになってしまったようです。例えば、キャラクターができていない、いつもの迫力がないといった評価をいただきました。こういう素人っぽい部分が良い方に転べば良かったのではと考えたのですが、そうなるためのプラスアルファが足りなかったと認めざるを得ません。役者のレベルアップを急務として努力したいと思います。なんと、夜の部に猫のお尻のみなさんが見に来てくださり本当にびっくりしました。これには団員一同、本当に感激いたしました。


【5月 OBPプロデュースact.4 「電報配達人がやってくる」】

 さて、4月も終わったので6月の3劇団合同公演に向けて邁進しようと思っていた私は団長の一言、5月に二葉高校演劇部とのジョイントをやるという悪魔の叫びを聞くのでした。二葉といえば地区を代表する実力派。二葉祭と受験とうちの公演の合間を縫った臨時列車を走らせるにはこの5月を逃したら最後だというのです。二葉高の演劇部のみなさんとは「小林はずきかしわかな」姉妹を通じて知り合う機会があり、ぜひとも一緒にやってみたいという構想だけは以前からあったのです。二葉高としては発表の場にちゃんとしたホールで立派な照明を当ててやってみたいという希望もあったようです。また、いつもの地区大会に向けた「制限付き」の芝居づくりから離れて自由に創作してみたいという熱意に感動し、やってみようという運びになったわけです。団長が原作を独断で選び、座付き作家の関秀に3日で脚色させ(うちのこういうところの意志決定は本当に早い。団長の恐怖政治の賜物でしょう)、5月連休を含めた約10日間の練習で本番を迎えるという無茶苦茶なスケジュールでした。そこはまじめな高校生。稽古初日にせりふがちゃんと入っているじゃありませんか。こんな恵まれた環境で芝居ができたことをとても感謝しています。団員に二葉生の爪の垢でも飲ませたあげたいと思いましたよ。当日は幸い二葉高の先生方をはじめ生徒のみなさんやご家族の方々のご協力を得ることができ、地味な宣伝活動にも関わらず120名を越える観衆の中、盛況のうちに幕を閉じました。今回のように一般のアマチュア劇団と高校演劇部との創作レベルでの交流は、地域の演劇文化に多大な影響を残す画期的な出来事でした(と、思っている)。今後もチャンスがあればこういう企画をやってゆきたいと思います。


【6月 諏訪アマチュア演劇フェス 「逢いたいが夕暮れ」】

 諏訪のアマチュア劇団3つが一堂に会するという記念すべきイベントは、これまた豪華にカノラの大ホールということになったのでした。PIPの神谷さん、JACKの小林さんを中心に進んでいた話に新参の我々も仲間に入れていただき、スタッフ面でもかなりの部分をバックアップしていただきながらの公演でした。本作は劇団初のオリジナルということでも印象深いものでした。関秀(困ったことに、昨年は高飛車な行動が目に余った。例えばにのみやきんじろう事件、ねげろ事件、養老の瀧短大生なんぱ事件とか。今年は大人になってもらいたい。)も調子は上げてるとはいえ脚本では神谷さんに絶対かなわないし、小林さんはスタッフ面を知り尽くしているし。じゃ、沸騰100℃はなにがある?何にもないけど男優陣はいいのが揃って居るんじゃないかな?と勝手に思い上がり、練習は約1ヶ月という短期間の中でしたが役者で勝負するしかないと腹をくくって稽古に励みました。勢いだけで押すしかないと判断してなんとか間にあったという次第です。3劇団の合同公演ですのでお客さんは必ずしも沸騰100℃のファンばかりではありません。反応はおおむね良かったのですが、結構厳しい指摘なんかもありました。その点、自主興業とは違った視点から劇団を見直すこができたこともこのイベントの大きな成果でした。寄せられた意見の中で記憶に残ったのは美香のワンピース姿はぬけるとか。きついのでは意味のないダンスはやめてくださいとか、あの体操(!)は何なんだとかでした。まあ、うちのどへたなダンスについては反論できません。あれが何年経っても様にならないのは確かに多くの反対票が寄せられています。でもまた今年も懲りずにやります。見るに耐えない、頼むからやめてくれという方がいらっしゃいましたらお便りください。  さて、これは芝居の本質に関わるかもしれない事ですけど、観客のうち1名から次のような指摘を受けました。アンケートの原文通り転載させていただきます。 ”「逢いたいが夕暮れ」の台詞で精神病と危険であることを結びつけるようなものが出てきたとたん、まったくしらけてしましました。人権の問題に配慮の欠けた無知な行為が繰り返されるのには、もう、うんざりです。” そんなはずはないと、もう一度脚本と上演ビデオを見直してみました。「精神病と危険であることを結びつけるようなもの」は直接にはありません。ただし、「精神病」の治療に際し、当の病人にとって「危険」な治療方法を選択したと言うシーンはあります。アンケートの某氏の文面だけで判断すればそれは誤解ですと弁明したいのです。しかし、某氏の指摘した意図はもしかしたらもっと根本的なところなのかもしれません。つまり、この程度の芝居に精神病者という設定をわざわざ選択する必要を感じない。そんなにたいした芝居じゃないということ。へりくつをいうと、たかがアマチュア演劇ごときに「言葉狩り」だなんていわせないぞ、ということなのかとも思ってしまいました。いずれにしろ、表現する側は常に表現される側に配慮せねばなりますまい。誤解とはいえそのように解釈した人は確かに不快でしたでしょう。では私たちはどこまで「配慮」すればよいのでしょうか。今後の大きな大きな課題ではあります。なお、この件に関しては広く意見を募集しています。ご意見をお寄せください。


【12月 第5回公演 「八月のシャハラザード」】

 94年の上半期はまさに地獄の日々でした。月一回の公演なんて振り返ってもばかげています。みな、疲れはてていましたので夏場に完全休養をとり充電いたしました。そして秋口からの厳しい稽古が再会され、記念すべき劇団結成5周年を迎えました。公演は大成功のうちに幕を閉じました。なんといってもあのヤソピーが主役です。ヤソピーは燃えていました。いつもならせりふの入りが一番遅いのに今回は2週間で完全にものにしてきたので演出の前島も大喜びでした。ポンタと金子のアクションも格闘家なみの切れを見せたし、他の人も静かに燃えていましたが、とにかくヤソピーは気合いが入っていました。やはり、役者陣の中で人気実力ともにNo.1という自負からでしょう。ハロー号もリニューアルを果たし、いま一番脂ののっている彼が主役ですから面白くないわけがありません。会場は爆笑と涙の渦。感動の瞬間でした。舞台装置も金子組の粋を集めた斬新な美術で度肝を抜きました。この日のためになぐりの練習をしてきたという旧姓品川さんもすっかり釘打ちがうまくなって、私も目を細めんばかりでした。4月にはびーびー泣いてばかりいた女優陣もすっかり肝が座り、迫力ある演技がおおうけしまくっていました。照明、音響そして役者の息のあったコンビネーションはそれだけで感動。打ち上げは紅や屋上を貸り切ってのビールかけでした。目が痛く、とても体が冷えましたけど心は熱く燃えたぎっており95年への新しい決意を団員一同心に誓いました。


【95年新春の誓い】

 結成5周年について補足しておきますと、これまでの公演数は10回、のべ動員数は2300人を越えました。本当にありがとうございました。年々、団員も多忙になって芝居づくりが困難になってきています。しかし、芝居の質を落とすわけにはゆきません。したがって、今年はのんびりやらせていただきます。変わらぬご愛顧をどうかよろしくお願いいたします。

1995年 元旦

劇団沸騰100℃ 主宰 木口

 追伸 上記のように平和な正月が迎えられるよう祈る今日この頃です。


劇団行事特集

4月 花見

 恒例の花見をやりました。団長が飲み過ぎてしまい、人目もはばからず**や**をしてしまいました。社会人として本当に恥ずかしい限りです。悪いことをした高校生のように来年は懲罰として花見は中止です。「団長には日本酒を飲ませるべからず」この誓いを徹底いたしましょう。なお、本イベントでは武居秀に感謝状が送られ、敢闘賞に長瀬氏、優秀賞にはずき、かわいそうで賞にはるばる大阪からかけつけたのにさんざんな目にあった楠さん、そしてMVPには団長のサンドバックと化した関秀が輝きました。あの仕打ちによく耐え抜いたと思います。さて、詳細については事情で記載できません。最寄りの劇団員まで直接お問い合わせください。

8月 キャンプ

 新婚の前島夫妻を特別ゲストに迎えテニス大会を行い、そのままキャンプを開催しました。めでたいことにこの日ニューハロー号のお披露目も行いました。ハロー号の崩壊については沸騰タイムス前号を参照していただきたいのですけど、余命を全うしたハロー号に団員一同合掌。それにしてもこの日に納車を間に合わせたというヤソピーはえらい。さて、ビールをがぶ飲みしながら焼き肉を食べて突入した狂乱の花火大会では、これまた新婚の伊東(旧姓両角)夫妻がお越しくださり、やけどを負いながらも火花を散らしました。その後当然オールナイト飲み会に発展するわけですが、夜中にVIPを迎えるにあたっては宴会もピークに達しました。なんと、PIPの神谷さんと大石さんが来てくださったのです。さて、イベントが高揚してくると心配なのは団長の具合です。何と、こともあろうに酔っぱらった勢いで缶ビールを丸ごと全部神谷さんの頭上からぶっかけてしまったのです。神谷さんは大人ですからとりあえず顔は笑っていました。が、腹の中は怒りで煮えくり返っていたことでしょう。大変申し訳ございませんでした。これもすべて団長のせいです。神谷さんと言えば関秀の「にのみやきんじろう事件」でも被害をお受けになり、沸騰100℃のメンバーは本当に頭が上がりません。ごめんなさい。忍耐賞に神谷さんとは満場一致。よいつぶれたで賞に旧姓品川さん。よくつきあったで賞には大石さん。関秀の介抱を一生懸命やってくれたポンタに主宰者賞を授与。そしてMVPには、ニューハロー号を切り札に本命視されていたヤソピーを振り切って、記憶がないままねげろした関秀が輝きました。関君、V2おめでとう。


新企画

ハローの使えないパーティージョーク

ハイスクールの卒業を控えたメアリーは、ステディな彼のマイクとクリスタルレイクへ2泊3日のキャンプに行くことにした。あまり泳ぎの得意でない彼女を心配した彼女の母親は「忘れずにふくらませるやつを持って行きなさい」と浮輪を探していた。するとメアリーは頬を染めて「大丈夫よ。1ダースもあればいくら彼でも足りるわ」と言った。 (今号から掲載のこのコラムですが、次回はきっとないですね....)


編集後記

劇団が結婚ブームになってしまった。半神でマリアをやった両角、ハーピーをやった古畑、永遠の裏方・前島、さらに肉体派男優笠原と個性派女優の品川は劇団内結婚。立て続けである。めでたい。NEWハロー号がデビュー。劇団の公演、レクレーションにと大活躍の車・ハロー号であるが、本誌第2号で紹介したように故障が続き、廃車。新たに日産バネットセレナ8人乗りがお目見え。購入した後藤氏によると「本当は2人きりで乗れる様な小さいのがよかったんだけど劇団の某氏が8人乗りじゃなきゃダメだって....」ということである。今号は「美香の部屋」は休み。創刊から早丸2年。まだ4号。(AY)


■沸騰タイムス第4号■1994年11月2日発行■発行所オフィス・ザ・ボイリングポイント■編集人吉田■編集協力DTP SYSTEMS■トータルコーディネーター松田■アドバイザー清水
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