映画技師を撃て - 2002年 -

目次

アマデウス

2002-05-05

Introduction by amazon.co.jp

音楽家アマデウス・モーツアルトの本当の死因は良く分かっていないが、本作品はアントニオ・サリエリに殺されたとする説を取り、「天才vs凡人」をテーマにモーツアルトの生涯を描き出した傑作作品である(1984年度アカデミー賞8部門獲得)

これを初めて見たのは高校生だった。その時はこの映画の凄さがあまり分からなかったが、いくぶんか年を取ってから再び見たときにこの映画に身震いしてしまった。

主人公サリエリは音楽をこよなく愛し、神に全てを音楽に捧げていた。そんな彼の前に現れたのは天才モーツアルト。サリエリはモーツアルトの音楽に愕然とする。今まで聞いたことの無い完璧な音楽、正に神が彼を通して奏でる音楽だった。しかし当の本人モーツアルトは下品で女たらしで無常識な人間である。サリエリは思う「神よ、何故だ!? 何故あんな若造に才能を与え、私にはその才能を認める能力しか与えなかったのだ!?」と。

ここから凡人サリエリのモーツアルトに対する猛烈な嫉妬と圧力が始まる。そのお陰でモーツアルトの開く演奏会は短期で打ち切りで、生活も次第に杜撰になっていく。ただサリエリはその短い演奏会には欠かさず通い、モーツアルトの才能に舌を巻き、また彼の音楽を愛した。それ故に自分では決して到達することの出来ない彼の才能に嫉妬を強め、ついにはモーツアルトを死に追いやる考えを導き出す。モーツアルトに死んでもなお支配し続けていた父の姿に化け、彼にレクイエム作曲の依頼に行き、彼を殺した後にその曲を自分が指揮を取り、モーツアルトの葬式に流す、という計画。モーツアルトに対する、いや、モーツアルトには偉大なる才能を与え、全てを捧げ努力してきた自分にはその才能を認めることにしか与えなかった『神』に対する復讐。サリエリは計画を実行する。それを境にモーツアルトの生活はますます荒れ、ついには死んでしまうのである。サリエリの復讐は成った、神に愛されたモーツアルトを死に追いやる事で。しかし、その後の彼に待ち受けていた現実、サリエリの作った曲は次第に忘れ去れゆき、モーツアルトの曲は人々に愛されていく。それを見続けるしかないサリエリ、彼の心境は如何に。

映画のクライマックス、彼はいう「私は凡庸なる人々の守り神。凡庸なる人々よ、罪を許そう」。

テーマも然ることながら演技もうまいし、音楽がとても効果的に使われている。オイラはDVDで見たが、是非とも良い音響機材で見て貰いたい。しかし、サリエリの最後の言葉、凡人なオイラには何とも突き刺さる言葉である。

LOCK STOCK & TWO SMOKING BARRELS

2002-09-16

Introduction by amazon.co.jp

「snatch」を監督したガイ・リッチーの前作品。

面白いと思う。そのスピード感ある映像や脚本、とても処女作とは思えない。ただ、気になる事がある。同じ展開なのだ、「snatch」と。

色々人物が登場し、其々の話が最後には上手く絡み合っていくという展開は「snatch」と同じ手法(正確に言えば、こちらの方が前作なのだが)。初めて見る分には新鮮味が感じられるが、何回かやるとこれは確実に飽きると感じる。「snatch」の方が映像や音楽などが洗練されていて出来は良いと思うが、脚本が同じ手法ではこの先が案じられてしまう。そういった意味で次の作品こそがガイ・リッチーの試金石だと思う。

レザボア・ドッグス

2002-11-05

Introduction by amazon.co.jp

タランティーノの処女作。

脚本の妙と言うか編集の妙というか、観る者に「どうなるんだ?」とワクワクさせる作りは非常に上手いです。時間軸をずらして映画の始めと終わりできっちりパズルを完成させるのがタランティーノ映画の面白いところですが、実は初めて見るぶんには面白いのですが、今回2回目という事でスジを知っているだけに「ふーん、うまいな」と素っ気無い感想が漏れたりしました。

BGMの選曲センスは非常に好きです。