タイの蒸気機関車

戦場に架ける橋で有名な タイ ビルマ国境近く カンチャナブリ クワイ川。 
駅前広場には 第二次世界大戦で 日本から従軍してきた C56 が静態保存されている。 今は南の国の木陰で、火を落とし佇む高原のポニー。 戦後長い間 タイ国鉄で働いていた。 カンチャナブリから スリーパゴダパスを通って ビルマに抜ける軍事路線・・・泰緬鉄道。 ここがC56の職場だったのだ。 小学校か中学の頃 古本屋で購入した 朝日グラフか何かの蒸気機関車の特集号に 泰緬鉄道で活躍するC56のページがあったと記憶している。 みどり色に塗装され タイの文字が書かれた小型のテンダーの上で、日除けの帽子を被ったタイのの女性にチークの薪を積んでもらい、アルヒル桟道橋を行くC56。  チーク木材で作った桟道は ダイナマイトでぶっ飛ばしたままの岩肌が露出する断崖ぎりぎりを進む。 時速五キロで 這う様に客車を牽引するC56 の姿が 今も目蓋に焼き付いている。 
    
カンチャナブリのクワイ川鉄橋を渡り、橋の作りを見学していた時 汽笛が聞こえて来た。 ディーゼル機関車のものではなく 懐かしい蒸気機関車の汽笛に聞こえる。 次第にシューシューというブラスト音 蒸気機関車特有のレトロでノイジーな音が聞こえてくる。  聞き違いでなく 蒸気機関車が走ってくる。 クワイ川駅の戻ると 遠くから蒸気機関車が客車を従え 堂々と入線してくる。

私は、鉄道少年に戻っていた。


機関車は イギリス製かな? 2C1 パシフィックタイプのロコで、大型のボイラーの割りに小さめのスポーク動輪。 多分1400mm程度だと思われる。 ボイラーと車輪の感じからは9600とかD50など 大正時代の日本のD型蒸気に似た雰囲気だが、これはCタイプのカマだ。 テンターは三軸車輪で 水タンクの上の石炭を搭載する部分が 戦時型のように小ぶりな囲いになっている・・・見慣れないカマだ。

どなたか この蒸気機関車について ご存知でしたら 教えてください。
  
追伸・・・・・9/27 ネットをうろついて この機関車の事が判りましたので 書き添えます。
       タイには5両の蒸気機関車が動態保存され、すべて日本製で、写真の850は、
       その中の一両だそうです。
       713 (C5615) 715 (C5617)     二両のパシフィック 824 850  
        それに 953 D51に似ている。