上海・蘇州の印象

■変化
  初めて 上海・蘇州を訪れたのは1990年台半ばだった。
浦東空港(プートン)はまだ開港前で、国際線も虹橋空港(ホンチャオ)をベースにしていた。
その後 春夏秋冬に渡って 何度も訪れた。

  1990年代 上海の街中は それなりに大都会だったが、そこかしこに古い街並が残っていた。 しかし 2000年代に入ると開発は急速に進み、超高層ビルが林立する先進的な街並に変化した。 10年前 バンドの対岸 東方明珠塔のあたりは まだ何も無くて 真っ暗だった。  暗い夜の街並は何処へ。 
ウェスティン太平洋ホテルの周辺にも空き地が見られたが、今は皆無・・・。 コンビニなんて無かった上海の街 あちらこちらに 青いローソンの看板。 店の中には おにぎりやペットボトルのサントリーウーロン茶。  このウーロン茶にご注意あれ。 無糖と加糖の二種類がある。 うっかり知らずに甘いのを買うと ぶっと噴出してしまうかもしれない。

  1990年代 上海から蘇州までの道路沿いには 農村が広がり 畑や農家が点在していた。 2000年代には建物が建ち、畑は殆ど見えなくなった。 蘇州は田舎の町だったが 郊外に立体交差の高架高速道路が出来て 高層ビルが林立していた。 10年の時を経ないうちに グレーター上海の波が 急速に広がっている。  かろうじて 蘇州中心部は 古い街並が残っているが・・・。 この変わり様は尋常ではない。 日本が20年から30年かけて発展したことを7〜8年で進めているように見える。
また しばらくしたら 上海・蘇州を訪れて 変化を観察してみたい。

  変わっていく上海 綺麗に変貌する上海は魅力だ。 少女が瞬く間に美しい女性へ変化するのに似て ビューティフル エナジー に満ちている。 ”気”に溢れている。 たくさんの”気”が交差し オーラを放つ様は胸が躍りワクワクする。 しかし シンセンなのか 上海なのか シンガポールなのか 一見すると見間違う街づくりは、特徴に乏しいのかもしれない。 上海が誰の目から見ても上海だよね・・・と思える街づくりが出来るといいのだが。 バンド界隈の和平飯店などの古い建物や 老街・景観は維持して欲しいもの。 

  古く 暗く 猥雑な上海の夜の街も魅力だった。
夏の上海は暑い。 寝苦しい夜 道路にムシロや台を出して 下着姿で涼んだり、寝ころぶ上海の人々を見ると  ほっと するのはなぜだろう。 大阪の地下鉄にも似た 地下街を歩くと懐かしい気持ちになるのはなぜだろう。大阪郊外のダイエーに飛び込んだ様なショッピングセンター 秋葉原の様な電気街 派手な繁華街・飲食店 カラオケバーの出稼ぎ小姐 夜の街で花を売る少女 タバコを売り歩く少年。 混沌。。。 

  島耕作。 弘兼さんの漫画を通じて、たくさんの疑似体験や社会勉強をさせてもらった。 ニューヨーク ロス ラスベガス ヨーロッパ フィリピン・・・。 しかし 中国は 自分の経験が一歩先を行ったようだ。 上海で 自分が見聞き経験したことが 後から漫画になっている・・・という逆のケースを実感した。 ちょっとだけ優越感。 小市民の私。

  5月連休の上海・・・絶対行ってはいけません。 中国も連休で 南京路なんか人の渦。 まともに歩けない。 中国国内を移動する飛行機も混んでいて予約が取れない。 中国の内陸への移動は 移動手段が飛行機しか無いだから。 どこも行けない。

  上海蟹。 蟹が好きなら一度は如何?
暖めた紹興酒と一緒に頂くと 美味しいけれど、私にはそれほどありがたみのある味とは思えなかった。 上海蟹の養殖が盛んな蘇州地域があれほど開発が進むと 養殖場所は更に奥地へシフトしているのだろうか? 上海を訪れ上海蟹を望む客の関係は反比例。 蟹の値段はどんどん高くなるのだろう。 






■蘇州 同得興の水晶麺。

  世界うるるん滞在記に登場した 同得興の水晶麺。
ラーメン博物館の某店主は スープの香りを気にして 日本人には受けないだろう・・・とぼやいていた。
見聞きより 自分で試してみよう。 

  透き通ったスープ 絶妙な塩加減 厭味のない出汁 極細のストレート麺 すべて満足の行く味だ。 香りは まったく気にならない。 三人で行ったが 三人ともスープまで飲み干してしまった。 反対に、日本にはこういう味の緬を供する店が無く こんな店があったら 足しげく通う事になるだろう。 非常に美味しかった。 お値段ははっきり覚えていないが たしか一杯 100〜200円程度。 蘇州までの交通費を計算に入れると とても高いラーメンと言う事になるが・・・。

  店舗は、古い木造の2階建て。
一階のフロアーは、中国人で大盛況。 二階は外国人用らしく 日本人がもう一組 来店していた。
日本のラーメンは 鰹節 昆布 煮干 香味野菜 拳骨 鶏がら 豚の背油 様々な工夫をしているが、出来上がったものは 驚くほどの違いに繋がっていない事が多い。 昔ながらのもやし山盛りの味噌ラーメン や シンプルな醤油ラーメン が少なくなったような気がする。 そういう系統のラーメンで美味しい店なら 繁盛するのではないだろうか?


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