新田次郎氏
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気象レーダー 未発表作「山羊」

新田次郎氏   年譜

この年譜はわっさん氏が作成したものです。
明治45年 1912年
6月6日、長野県上諏訪町(現在の諏訪市)大字上諏訪角間新田で、父・彦、母・りゑの次男として生れた。本名藤原寛人。新田の次男坊だったので、後にペンネームを新田次郎とした。霧ケ峰を遊び場として育つ。
大正8年 1919年
上諏訪の高島小学校へ入学。
大正14年 1925年 13歳
県立諏訪中学校(現在の諏訪清陵高校)へ入学。歴史部を作り、石器や土器を発掘すること、歴史を学ぶことに興味を持つ。

昭和5年 1930年 18歳
無線電信講習所本科(現在の電気通信大学)へ入学、東京での生活が始まる。

昭和7年 1932年 21歳
無線電信講習所を卒業。中央気象台(現在の気象庁)に就職。この年より昭和12年まで、富士山観測所に勤務する。交替勤務で、1度山頂に登ると30日から40日は山を降りられない生活だった。

昭和14年 1939年   27歳
両角ていと結婚。

昭和18年 1943年  31歳
満州国(現在の中国東北部)中央気象台口に、高層気象課長として転職。

昭和21年 1945年  32歳
新京(現在の長春)で終戦を迎え、軍人ではなかったが、家族と別れソ連の捕虜となり、その後中共軍に職を得て1年余の抑留生活を送る。妻ていは2人の子供を連れ、38度線を歩いて越えて翌年帰国。

昭和21年 1946年   34歳
1月、満州から帰国。気象台に復職する。

昭和23年 1948年 36歳
この頃、アルバイトとして、理科の教科書、持に気象関係の執筆を引き受けた。又、ジュニア小説として「超成層圏の秘密」「狐火」を書くが、どちらも活字にならず、原稿も紛失してしまった。

印和26年 1951年 39歳
妻ていの書いた満州からの引きあげの記録「流れる星は生きている」がべストセラーになったのに刺激され、また編集者の勧めもあって、「強力伝」を「サンデー毎日第41回大衆文芸」に応募、現代の部1等に入選する。「サンデー毎日中秋特別号」に掲載。人選後、丹羽文雄氏主催の「文学者」の同人となる。

昭和27年 1952年 40歳
「郷愁の富士山頂」を「山と渓谷」2月号より翌年5月号まで連載。また少年技術雑誌「電波と受験」に「ひとり旅」を連載。このころ小説雑誌に多くの作品を投稿するが、活字にならなかった。都下吉祥寺に転居する。

昭和30年 1955年 43歳
少年時代に祖父から聞いた日本狼の話をまとめた「山犬物語」が「サンデー毎日第47回大衆文芸」に入選、「陽春特別号」に掲載。2月、「凍傷」を「文学者」に発表。9月、処女短編集「強力伝」が朋文堂より刊行される。「孤島」が「サンデー毎日3周年記念大衆文芸懸賞小説」に1等入選、「中秋特別号」に掲載される。

昭和31年 1956年 44歳
2月、「強力伝」によって第34回直木賞を受賞。「氷原」(「サンデー毎日陽春特別号」)「落し穴」(オール読物)4月号)、「先導者」(「新潮」7月号)、「島人伝」(「オール読物」8月号)、「失踪」(「別冊キング」8月号)、「毛髪湿度計」(「新潮」1月号)、「渦」(「小説公園」11月号)、「吉田の馬六」(「講談倶楽部」11月号)等を発表。短編集「孤島」(3月、光和堂)、短編集「氷原・鳥人伝」(9月、新潮社)が刊行される

昭和32年 1957年 45歳
この頃、科学小説、時代小説、ジュニア小説、SF、山岳小説、メロドラマ等、多方面の短編小説を数多く手がける。「とがった耳」(「オール読物」1月号)、「灯明堂物語」(「講談倶楽部」1月号)、「蔵王越え」(「週刊新潮」1月7日号)、「愛鷹山」(「週刊新潮」2月11日号)、「霧の中」(「新女苑」2月号、「砂丘の歌」(「講談倶楽部」4月号)、「北極光」(「小説新潮」4月号)、「孤高の武人」(「講談倶楽部」4月号)、「火山群」(「新潮」4月号)、「ガラスと水銀」(「別冊文芸春秋」第57号)、「反地球人」(「小説公園」5月号)、「寒冷前線」(「週刊新潮」6月17日号)、「慶長大判」(「講談倶楽部」薫風増刊号)、「怒鴻の中に」(「講談倶楽部」増刊号)、「天気予報の賭」(「週刊新潮」1月7日号)、「航跡」(「新潮」11月号)、「詩吟艦長」(「講談倶楽部」12月号)、「増上寺焼打」(「別冊文芸春秋」第61号)等を発表。ジュニア小説「季節風」を「中学3年コース」4月号より翌年3月号まで連載。短編集「算士秘伝」(5月、講談社)、同「火山群」(7月、新潮社)、初の長編小説「蒼氷」(「郷愁の富士山頂」を改題、8月、講談社)、短編集「吹雪の幻影」(12月、朋文堂)を刊行。

昭和33年 1958年 46歳
「胡挑」(「オール読物」1月号)、「虹の人」(「文学界」1月号)、「媚薬」(「面白倶楽部」1月号)、「異人二十一人」(「別冊小説新潮」冬季号)、「この子の父は宇宙線」(「別冊文芸春秋」第65号)、「はがね野郎」(「文芸春秋」2月号)、「三つの石の物語」(「講談倶楽部」3月号)、「特等船客」(「新潮」3月号)、「滑落」(「小説公園」5月号)、「火術帥」(「別冊文芸春秋」第65号)、「殉職」(「サンデー毎日特別号」)、「矯声」(「オール読物増刊号」スポーツ読本),「無人島始末記」(「日本」12月号)、「チンネの裁き」(「オール読物」12月号)、「伊賀越え」(「小説新潮」12月号)、「佐久間象山」(「別冊文芸春秋」第617号)等を発表。「海流」を「週刊女性」6月29日号から12月28日号まで、「縦走路」を「新潮」7月号から11月号まで連載。短編集「慶長大判」(4月、講談社)、同「はがね野郎」(7月、講談社)、長編「風の中の瞳」(「季節風」を改題、8月、東都書房)、同「縦走路」(1月、新潮社)、短編集「この子の父は宇宙線」(12月、講談社)を刊行。

昭和34年 1959年 47歳
気象庁測器課勤務の傍ら、山岳小説、推理小説を中心に執筆活動を展開する。「遭難者」(「別冊小説新潮」冬季号)、「雪山の捷」(「週刊新潮」1月19円号)、「雪崩」,(「講談倶楽部」3月号)、「天狗火事」(「オール読物」4月号)、「鴉の子」(「小説新潮」4月号)、「白い花が散った」(「週刊明星」4月5日号)、「暗い谷間」,(「日本」5月号)、「落雷」(「家刀」5月号)、「微笑する男」(「講談倶楽部」8月号)、「最後の叛乱」(「オール読物」9月号)、「担ぎ嫁」(「講談倶楽部」9月号)、「窓はあけてあった」(「宝石」9月号)、「母への遺書」(「講談倶楽部」1月号)、「山の鐘」(「小説新潮」1月号)、「死亡勧誘員」(「講談倶楽部」11月号)、「左利き」(「サンデー毎日特別号」)、「東京の憂愁」(「講談倶楽部」12月号)等を発表。「冷える」を「週刊新潮」4月217日号から7月6日号まで連載。長編「ひとり旅」(1月、秋元書房)、同「海流」3月、講談社)、同「チンネの裁き」(6月、中央公論社)、連作短編「黒い顔の男」(「冷える」を改題、8月、新潮社)、短編集「最後の叛乱」(8月、角川書店)、同「冬山の捷」(11月、新潮社)を刊行。

昭和35年 1960年 48歳
「執念」(「オール読物」1月号)、「仏桑華」(「別冊文芸春秋」第71号)、「生人形」(「小説新潮」2月号)、「雪洞」(「女性自身」2月1日号)、「絵島の日記」(「オール読物」4月号)、「旗本奴」(「別冊小説新潮」春季号)、「太田道潅の最期」(「講談倶楽部」5月号)、「3人の登攀者」(「日本」6月号)、「ぬけ参り」(「サンデー毎日特別号」)、「反逆児」(「講談倶楽部」7月号)、「虚栄の岩場」(「オール読物」8月号)、「沼」(「小説新潮」9月号)、「タ日」(「別冊文芸春秋」第73号)、「すっぱい口づけ」(「オール読物」11月号)、「着流し同心」(「小説新潮」12月号)、「指」(「サンデー毎日特別号」)等を発表。「永遠のためいき」を「マドモアゼル」1月号より11月号まで、「青い失速」を「若い女性」3月号より12月号まで、「隠密海を渡る」を「週刊公論」11月5日号より翌年1月16日号まで連載。短編集「絵島の日記」(7月、講談社)、長編「岩壁の掟」(8月、新潮社)、短編集「沼」(9月、東都書房)、同「永遠のためいき」(12月、新潮社)を刊行。

昭和36年 1961年 49歳
7月半ばより3カ月、ヨーロッパの気象測器調査と取材を兼ねて、スイス・フランス・ドイツ・イタリー、イギリスを回る。「おしゃべり窓」(「別冊文芸春秋」第74号)、「首様」(「講談倶楽部」1月号)、「弱い奴」(「週刊新潮」1月9日号)、「白い壁の中の生存者」(「週刊新潮」1月31日号)、「東天紅」(「オール読物」2月号)、「壷鳴り」(「日本」3月号)、「島名主」(「小説新潮」4月号)、「死神に追われる男」(「講談倶楽部」4月号)、「現場写真」(「サンデー毎日特別号」)、「時の日」(「オール読物」6月号)、「3つの遭難碑」(「小説新潮」7月号)、「流された人形」(「講談倶楽部」8月号)、「蛾の山」(「オール読物」9月号)、「口」(「週刊朝日別冊号」)等を発表。「温暖前線」を「高知新聞」他地方紙13紙に6ヵ月間、「風の遺産」を「婦人生活」6月号より翌年6月号まで、「登りつめた岩壁」を「週刊サンケイ」6月26日号より7月31日号まで連載。短編集「隠密海を渡る」(5月、新潮社)、同「登りつめた岩壁」(9月、新潮社)、同「壷鳴り」(11月、東都書房)を刊行。

昭和37年 1962年 50歳
「ホテル氷河にて」(「小説新潮」1月号)、「古城」(「別冊文芸春秋」第78号)、「気象遭難」(「週刊新潮」1月22日号)、「嘆きの氷河」(「日本」2月号)、「谷川岳幽の沢」(「オール読物」3月号)、「異人斬り」(「小説新潮」4月号)、「陽炎」(「別冊小説新潮」春季号」、「ひからびた鴨」(「サンデー毎日特別号」)、「犬の墓標」(「推理ストーリイ」8月号)、「疲労凍死」(「オール読物」8月号)、「偽りの快晴」(「オール読物」11月号)、「関の小万」(「小説新潮」11月号)、「雷鳴」(「美しい女性」11月号)等を発表。「道化師の森」を「講談倶楽部」1月号より12月号まで、「錆びたピッケル」を「週刊現代」3月25日号より4月22日号まで、「夢に見たアルプス」を「山と渓谷」7月号より翌年12月号まで連載。長編「温暖前線」(6月、集英社)、短編集「錆びたピッケル」(「新潮社」、長編「風の遺産」(7月、講談社)、同「雪に残した3」(11月、新潮社)、短編集「異人斬り」(12月、集英社)を刊行。

昭和38年 1963年 51歳
測器課長になり、富士山気象レーダー建設という大仕事の責任者となる。「賄賂」(「別冊小説新潮」冬季号)、「S夫人」(「別冊文芸春秋」第82号)、「神々の岩壁」(「小説中央公論」1月号)、「薬師岳遭難」(「サンデー毎日」2月1日号)、「おかしな遭難」(「週刊読売」2月1日号)、「21万石の数学者」(「オール読物」5月号)、「行方不明」(「小説現代」6月号)、「黒い雪の夢」(「小説新潮」7月号)、「クレバス」(「小説中央公論」8月号)、「山が裁いた」(「婦人生活」8月号)、「雲の底が動く」(「オール読物」9月号)、「風雪の北鎌尾根」(「日本」9月号)、「武田金山秘史」(「文芸朝日」9月号)、「翳りの山」(「小説新潮」1月号)等を発表。ジュニア小説「かもしかの娘たち」を「美しい十代」4月号より翌年4月号まで、「白い野帳」を「朝日新聞」11月2日より翌年1月3日まで連載。長編「道化師の森」(1月、講談社)、短編集「神々の岩壁」(4月、講談社)、同「風雪の北鎌尾根」(11月、新潮社)を刊行。

昭和39年 1964年 52歳
夏、富士山頂気象レーダー建設工事を成功させ、同時にひそかに辞職の決心をする。「海賊の子孫」(「世代'64」1月号)、「からかご大名」(「オール読物」2月号)、「晩秋歌」(「時」3月号)、「梅雨将軍信長」(「小説新潮」3月号)、「山虻」(「小説現代」3月号)、「猫つきの店」(「マドモアゼル」3月号)、「仏壇の風」(「別冊文芸春秋」第87号)、「雪崩」(「日本」5月号)、「豪雪に敗けた柴田勝家」(「小説新潮」6月号)、「ネオンが消える」(「オール読物」6月号)、「怪獣」(「小説現代」9月号)、「白い砂地」(「小説新潮」11月号)、「終章の詩人(「週刊現代」12月24日号)等を発表。ジュニア小説「高校一年生」を「女学生の友」5月号より翌年4月号まで、「孤高の人」を「山と渓谷」6月号より43年4月号まで連載,長編「かもしかの娘たち」(5月、集英社)、紀行「アルプスの谷アルプスの村」(「夢に見たアルプス」を改題、7月、新潮社)、短編集「梅雨将軍信長」(8月、新潮社)、同「消えたシュプール」(1月、講談社)を刊行。

昭和40年 1965年 53歳
「葉鶏頭」(「潮」1月号)、「異説晴信初陣記」(「歴史読本」1月号)、「新雪なだれ」(「別冊小説新潮」冬季号)、「まぼろしの軍師」(「小説現代」2月号)、「冬田の鶴」(「オール読物」3月号)、「氷雨のわかれ」(「ヤングレデイ」4月26日号)、「あなたは何なのよ」(小説現代)5月号)、「岩壁の99時間」(「別冊小説新潮」夏季号)、「知らぬ浮き世に」(「オール読物」8月号)、「千里の悲愁」(「別冊文芸春秋」第93号)、「雨の北穂小屋」(「別冊小説新潮」秋季号)、「餓島」(「小説現代」11月号)等を発表。「武田信玄」を「歴史読本」5月号より48年1月号まで、ジュニア小説「高校二年生」を「美しい十代」6月号より翌年5月号まで連載。エッセイ「白い野帳」(3月、朝日新聞社)、長編「高校1年生」(7月、秋元書房)、短編集「岩壁の99時間」(1月、新潮社)、長編「望郷」(「2千里の悲愁」を改題、11月、文芸春秋)を刊行。

昭和41年 1966年 54歳
気象庁を退職、筆1本の生活に入る。夏、2度目のヨーロッパ旅行をする。「信長の悪夢」(「オール読物」1月号)、「アイガー北壁」(「日本」3月号)、「冬の花」(「小説新潮」4月号)、「鳴弦の賊」(「小説現代」4月号)、「冬の霧」(「オール読物」7月号)、「駒ケ岳開山」(「小説新潮」8月号)、「きつねもち」(「小説現代」9月号)等を発表。書き下ろし長編「火の島」(9月、新潮社)、長編「高校二年生」(11月、秋元書房)を刊行。

昭和42年 1967年 55歳
6月より"新田次郎山岳小説シリーズ"全5巻が、新潮社より刊行される。「燃えよともしび」(「ジュニア文芸」2月号)、「チーズ臭い風景」(「小説新潮」2月号)、「女人禁制」(「小説現代」2月号)、「魂の窓」(「オール読物」3月号)、「河童火事」(「別冊宝石」陽春推理特集号)、「石の餅」(「別冊小説新潮」春季号)、「赤毛の司天台」(「小説現代」6月号)、「妖尼」(「オール読物」7月号)、「富士山頂」(「別冊文芸春秋」第101号)、「オデットという女」(「別冊小説現代」第3号)、「8月15日の穂高岳」(「別冊小説新潮」秋季号)、「カルイサワは怖い」(オール読物)9月号)、「訴人」(「小説現代」1月号)等を発表。ジュニア小説「思い出のともしび」を「高1時代」4月号より翌年3月号まで連載。短編集「まぼろしの軍師」(2月、人物往来社)、同「夜光雲」(4月、講談社)、長編「富士山頂」(12月、文芸春秋)を刊行。

昭和43年 1968年 56歳
「仁田四郎忠常異聞」(「小説新潮」3月号)、「赤い雪崩」(「小説現代」4月号)、「消えた伊勢物語」(「推理ストーリイ」4月号)、「猿聾物語」(「小説現代」6月号)、「しごき」(「オール読物」9月号)、「神通川」(「小説エース」1月号)、「贈賄」(「オール読物」11月号)等を発表。「ある町の高い煙突」を「週刊言論」4月3日号より1月23日号まで、「栄光の岩壁」を「山と渓谷」7月号より47年1月号まで連載。書き下ろし長編「槍ケ岳開山」(6月、文芸春秋)、短編集「赤い雪崩」(8月、新潮社)、同「黒い雷洞」(11月、講談社)を刊行。

昭和44年 1969年 57歳
「虻と神様」(「別冊小説新潮」冬季号)、「桜島」(「小説エース」3月号)、「思い革」(「オール読物」4月号)、「オホーツクに燃える落日」(「小説エース」4月号)、「筑波の仙人」(「小説現代」5月号)、「銀座のかまいたち」(「小説新潮」5月号)、「まぼろしの雷鳥」(「小説宝石」6月号)、「笛師」(「小説エース」8月号)、「明智光秀の母」(「別冊サンデー毎日読物専科」、「凶年の梟雄」(「小説現代」1月号)、「岩の顔」(「小説セブン」1月号)、「昭和新山」(「文芸春秋」11月号)、「天国案内人」(「小説セブン」12月号)等を発表。「雪の炎」を「週刊女性」8月23日号より12月27日号まで連載。長編「ある町の高い煙突」(1月、文芸春秋)、短編集「神通川」(5月、学研)、長編「孤高の人」(上・下、5月、新潮社)、同「武田信玄(風の巻・林の巻、8月、文芸春秋)、短編集「まぼろしの雷鳥」(1月、講談社)を刊行。

昭和45年 1970年 58歳
「謀略元冠の役」(「小説現代」2月号)、「筍茶屋」(「オール読物」3月号)、「凍った霧の夜に」(「サンデー毎日読物専科」)、「雪呼び地蔵」(「別冊小説新潮」春季号)、「西沙島から蒸発した男」(「小説現代」6月号)、「氷河の笛」(「小説サンデー毎日」7月号)、「東京野郎」(「小説新潮」8月号)、「氷葬」(「オール読物」9月号)、「諏訪の狐火」(「小説現代」1月号)、「巴旦島漂流記」(「旅」12月号)等を発表。「芙蓉の人」を「太陽」1月号より翌年3月号まで、「霧の子孫たち」を「文芸春秋」4月号より1月号まで連載。長編「3つの嶺」(4月、文芸春秋)、同「思い出のともしび」(5月、文芸春秋)、同「笛師」(9月、講談社)、エッセイ集「山旅ノート」(1月、山と渓谷社)、長編「霧の子孫たち」(11月、文芸春秋)を刊行。

昭和46年 1971年 59歳
「地獄への滑降」(「小説サンデー毎日」1月号)、「日向灘」(「オール読物」2月号)、「まぼろしの白熊」(「小説現代」3月号)、「弾丸よけ竹束之介」(「小説サンデー毎日」5月号)、「月下美人」(「オール読物」6月号)、「意地ぬ出んじら」(「別冊小説新潮」夏季号)、「赤い徽章」(「小説サンデー毎日」7月号)、「生き残った1人」(「小説新潮」9月号)、「風が死んだ山」(「小説現代」9月号)、「白狐」(「オール読物」1月号)、「大地震の生霊」(「小説現代」1月号)、「呪われた墓地」(「小説サンデー毎日」12月号)、「6合目の仇討」(「別冊文芸春秋」第118号)等を発表。短編集「赤毛の司天台」(2月、中央公論社)、同「東京野郎」(2月、3笠書房)、長編「芙蓉の人」(5月、文芸春秋)、同「武田信玄」(火の巻、7月、文芸春秋)、長編書き下ろし「八甲田山死の彷徨」(9月、新潮社)、短編集「昭和新山」(11月、文芸春秋)を刊行。

昭和47年 1972年 60歳
「彼岸花」(「オール読物」1月号)、「武生騒動」(「別冊小説新潮」冬季号)、「金曜日に来る男」(「小説現代」3月号)、「雪が解けるまで」(「オール読物」3月号)、「奪われた太陽」(「小説現代」5月号)、「非情!春富士遭難」(「小説新潮」7月号)、「7人の逃亡兵」(「小説サンデー毎日」7月号)、「だっぺさんの詩」(「小説新潮」9月号)、「パパと云った少女」(「オール読物」9月号)、「雪のチングルマ」(「別冊文芸春秋」第121号)、「風の墓場」(「小説現代」1月号)等を発表。「怒る富士」を「静岡新聞」他4紙に3月より翌年2月まで連載。ジュニア長編書き下ろし「つぶやき岩の秘密」(1月、新潮社)、短編集「凍った霧の夜に」(1月、毎日新聞社)、同「北極光」(9月、二見書房)、絵本「きつね人」(1月、大日本図書)を刊行。

昭和48年 1973年 61歳
夏、アラスカへ取材旅行に出かける。「マロニエに冬が来た」(「小説新潮」2月号)、「赤い羽毛服」(「小説サンデー毎日」2月号)「長元坊の恋」(「小説現代」3月号)、「3冊目のアルバム」(「小説新潮」4月号)、「その手を見詰る」(「オール読物」5月号)、「富士に死す」(「別冊文芸春秋」第125号)、「春紫苑物語」(「小説現代」11月号)、「真夜中の太陽」(「オール読物」12月号)等を発表。「続武田信玄」を「歴史読本」11月号より54年8月号まで連載。長編「栄光の岩壁」(上・下、1月、新潮社)、同「雪の炎」(6月、光文社)、短編集「大合目の仇討」(6月、広済堂)、続編「武田信玄」(山の巻、11月、文芸春秋)を刊行。

昭和49年  1974年 62歳
3月「武田信玄、ならびに一連の山岳小説に対して」第8回吉川英治文学賞を受賞する。
6月より51年3月まで"新田次郎全集"全22巻が新潮社から刊行される。「高原の憂鬱」(「小説新潮」1月号)、「犬橇使いの神様」(「小説現代」5月号)、「野付牛の老尼」(「オール読物」7月号)、「ラットサイン」(「文芸春秋」7月号)等を発表。「私の小説履歴」を「新田次郎全集」月報に、「銀嶺の人」を「小説新潮」9月号より翌年8月号まで連載。長編「怒る富士」(上・下、3月、文芸春秋)、短編集「雪のチングルマ」(4月、文芸春秋)、長編書き下ろし「アラスカ物語」(5月、新潮社)、長編「富士に死す」(6月、文芸春秋)を刊行。

昭和50年 1975年 63歳。
夏、夫人と3度目のヨーロッパ旅行に出かける。「信虎の最後」(「小説歴史」7月号)、「ラインの古城」(「オール読物」12月号)等を発表。短編集「犬棲使いの神様」(5月、文芸春秋)、写真集「富岳316景」(解説、9月、新潮社)、長編「銀嶺の人」(上・下、1月、新潮社)、長編「望郷」(再刊、11月、文芸春秋)を刊行。

昭和51年 1976年 64歳。
3月、講演旅行でヨーロッパの主要都市を回る。「万治の石仏」(「オール読物」9月号)、「「妙法寺記」原本の行方」(「小説サンデー毎日」11月号)等を発表。「新田義貞」を「サンケイ新聞」に9月7日より53年5月12日まで連載。長編書き下ろし「聖職の碑」(3月、講談社)、長編「空を翔ける影」「道化師の森」の加筆再刊、(5月、光文社)、エッセイ集「白い花が好きだ」(6月、光文社)、自伝「小説に書けなかった自伝」「私の小説履歴」改題、(9月、新潮社)、短編集「山が見ていた」(1月、光文社)を刊行。

昭和52年 1977年 65歳
「鷲ケ峰物語」(「小説現代」1月号)、「谷川岳春色」(「小説新潮」2月号)、「恋の鳥」(「小説新潮」11号)、「マグノリーの花の下で」(「オール読物」12月号)等を発表。短編集「鷲ケ峰物語」(2月、講談社)、同「武田三代(4月、毎日新聞社)、同「河童火事」(6月、毎日新聞社)、同「小笠原始末記」(8月、毎日新聞社)、長編書き下ろし「剣岳・点の記」(8月、文芸春秋)、短編集「陽炎」(1月、毎日新聞社)を刊行。

昭和53年 1978年 66歳
7月、夫人と東欧旅行、11月、カナダ・アメリカへ取材旅行に出かける。「熱雲」(「小説現代」1月号)、「カスターニーの実の落ちるころ」(「週刊文春」1月5日号)、「青きドナウの夢の旅」(「小説新潮」11月号)、「山霧の告知」(「小説現代」12月号)等を発表。長編「風の遺産」(加筆再刊、2月、講談社)、同「新田義貞」(上・下、3、4月、新潮社)、エッセイ集「続白い花が好きだ」(7月、光文社)、長編書き下ろし「珊瑚」(11月、新潮社)を刊行。

昭和54年 1979年 67歳
6月、ポルトガル、マカオに取材旅行に出かける。「生き残りの勇士」(「文芸春秋」1月号)、「富士、異邦人登頂」(「オール読物」2月号)等を発表。「孤愁(サウダーデ)」を「毎日新聞」に8月21日より翌年4月18日まで連載(中断)。短編集「ラインの古城」(2月、文芸春秋)、長編書き下ろし「密航船水安丸」(9月、講談社)を刊行。

昭和55年 1980年  68歳
2月15日午前9時12分、東京都吉祥寺の自宅で心筋梗塞のため急逝。25日、青山斎場で葬儀。上諏訪正願寺に埋葬。「マカオ幻想」(「小説新潮」1月号)、「バンクーバーの鉄之助」(「小説現代」1月号)、「長崎のハナノフ」(「オール読物」2月号)等を発表。「大久保長安」を「歴史読本」に1月号より4月号まで連載(中断)。対談「病める地球、ガイアの思想」(根本順吉氏と、3月、朝日出版)、短編集「マカオ幻想」(4月、新潮社)、長編「武田勝頼」(「続武田信玄」を改題、全3冊、4〜6月、講談社)、写真・エッセイ集「遥かなる武田信玄の国」(6月、新人物往来社)、長編「孤愁(サウダーデ)(7月、文芸春秋)を刊行.



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