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第百四十五回自然と歴史探訪[地質学の聖地霧ケ峰を訪ねて]

   
   

霧ケ峰:

マリオ倶楽部も長年お世話になった、横山先生が引退されて二ケ月ほどお休みがありましたが、ここで再開です。 

   今回は、地質学者の北澤和男先生に霧ケ峰を案内していただき、日本列島の誕生から、

霧ケ峰・諏訪の大地の生い立ちにいたるまでのお話をお聞きするという、

今までとはちょっと変わった切り口からの霧ケ峰散策の旅となりました。  

   今回は、マリオ倶楽部には珍しく雨の中の出発となりました。   

 先生によると諏訪の地は、中央構造線とフォッサマグナの縁にある糸魚川・静岡断層の交点に位置し

日本列島の生い立ちを見れる変化のある場所として、注目度の高い地でもあるそうです。  

 先生は、長年にわたり諏訪を歩いて調査して来られたそうですが、下諏訪のあたりの地質は複雑で、

昭和50年頃に一度諏訪の地質図を作られたそうですが、その時は良くわからなかった所も残っており、

退職されてから、再度じっくりと調査され最近又新しい地質図を完成されたそうです。  

 湖北トンネル工事の時にもトンネルの周りの地質調査をされたそうで、

トンネル中央より奥は古い地層だそうですが、手前は新しく断層も東西・南北と多く

工事の時にも落盤があり90m-ほどの穴があいた事もあったそうです。

岩石は鉱物が形成したもので、地表近くの地殻を形成する岩石は火成岩・堆積岩・変成岩の3っに分けられるのだそうです。

   火成岩は地表で固まったものが火山岩、地中深くで固まったものは深成岩というそうです。 

 変成岩は、堆積・火成岩が高温・高圧で変成したものだそうです。 

 砥川の春宮河床から木落坂のあたりは粗粒両輝石安山岩で、堆積岩石を火成岩が取り込み固めたものだそうです。

  萩倉・水月園・向陽高校への温泉の岩帯の辺りは伊那の方と同じ1億年を超す古い岩帯だそうです。 

  バスで上って行くと道端にパーライトの加工工場ありました。 

 パーライトは黒耀石を原料としているそうです。 

 諏訪地方の黒耀石の産地は下諏訪の観音沢・83万年前と星ケ塔・130万年前の2種類があるそうです。 

 和田峠の近くには、黒耀石の採石場も有り昭和30年の頃には掘っている人も居たそうです。

和田峠の辺りは、流紋岩で出来ているそうで、シリカ・ガラス質が多く白い岩で出来ているそうです。

  黒耀石はそんな流紋岩の縁に有る事が多いそうです。 

 鷲ケ峰の頂上の岩は88万年ほど前のものだそうで、流紋岩に近いデイサイトで出来ているそうで、

流紋岩を取り込んで出来ており、流紋岩は星ケ塔と同じ130万年ほど前の物だと言うことです。   

八島湿原に到着しましたが、強風と霧で周りも見えず、残念ながらそのまま通過。 

  八島湿原では、男女倉山の構造土の縞模様が観察できる予定の様でしたか、次の機会に。  

 構造土は、氷河地形によるもので、車山でも見られるそうです。  

  男女倉山は縞模様ゆえに、ゼブラ山とも呼ばれる様になつたそうで、

近くには火口の様に雪の溜まりの少ない雪知らずの沢もあるそうです。   

 

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