■NEWファミコン(AV仕様)のRGB出力改造への道のり
20年前に購入した「バックアップ活用テクニック
PART 9」の170ページに 掲載されていたファミコンRGB出力化の記事を読んで、 当時、速攻で初代ファミコンのRGB改造をして高画質でファミコンを遊んでいました。 その時代は、マークIII
・マスターシステム・PCエンジン・メガドライブ・スーパーファミコンなど、 最近になって、ゲーム機のRGB接続の画質の良さに目覚めた人が居たので (20年前に改造したので全然配線方法など記憶がありませんが・・・) |
バッ活は、当時とても参考になった本でしたが・・ 回路図やピン配列の間違いが多く真似をして 作っても上手く動かないことが多かったです。 |
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▼RGB出力に必要なICの入手▼
程度は良いので部品取りになるのは可愛そうですね。 |
20年前はファミコンテレビC1(19C-C1F)で使用していた IC(PPU)を、シャープサービスに電話をして数千円で購入して、 初代ファミコンに取付けしてRGB出力化に成功したのですが・・・
今となっては、その部品もメーカーには在庫がないようなので 落札価格は2万円程度だったよーですが・・・ やっぱり高いですねぇ〜 |
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▼スーパーファミコンのRGBケーブルの入手▼
スーパーファミコンとニューファミコンは出力端子が同じなのですが、
スーパーファミコンと違ってニューファミコンはビデオのみで「S端子」と「RGB」はサポートしていないようです。(音声もモノラル)
NEWファミコンの互換がある形状のようです。 |
久しぶりに21ピンのRGBケーブルに出会いました。 |
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▼編集ファミコンからPPUを取外し▼
編集ファミコン(SHARP
AN-510)は、ビデオ映像とタイトルがスーパーインポーズ出来る機能があり、
文字入力はペンで書込むだけの簡単手書き入力方式を採用しているようです。ただ、速攻で分解したので1回も動作画面を見ていませんが・・・
ネジ数個で簡単に内部が見れます。 |
右上に位置しているのが今回のターゲット基板です。 |
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ファミコンテレビC1のICと違ってアルミ素材の 放熱板は一緒に接着されていないようです。 |
私の改造した時とICの型番が違いますが RGB処理していることは間違いないようなので取外しします。 |
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半田面は後から修正した部品が大量に・・・ |
今回はハンダ吸取器(電動)を使って作業をします。 |
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この程度の基板だと簡単にハンダが吸取り出来ます。 |
綺麗に取外しの出来たIC(RC2C05-99) |
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▼NEWファミコンの分解〜RC2C05の取付け▼
今回使用するファミコン本体はコレです。 |
特殊なネジを使用していましたが、 むか〜し秋葉原で購入したドライバーで 簡単に開けることが出来ました。 |
ビデオ出力のみしかサポートしていない RP2C02H-0を基板から取外しします。 |
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RGB/SYNCの部分に絶縁テープを貼ってから 後日、ICの交換が可能にする為、ICソケットを利用します。 |
ICソケット側にR・G・B・SYNC・GNDの配線をしました。 ちょっと高いですが耐熱性のケーブルを利用してみました。 |
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こんな感じにICソケットを基板にハンダ付け |
編集ファミコンから取外したICを取付け |
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▼RGB→ Y/C + VIDEO出力コンバータ▼
IC(PPU)を交換したことでRGB出力専用ファミコンになってしまうので、RGBをY/C(S端子)+コンポジット出力できるようにコンバータを搭載させます。
aitendo@shoppingさんで購入した 「RGB-VIDEO-CV04」2,480円を使います。 |
ROHM社BH7236AFを使用しているようです。 この部分は自作するより購入するのが無難ですね。 |
ケースに入れる関係で邪魔な端子類は 全て取外ししてスッキリさせました。 |
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▼RGB増幅回路の追加〜配線▼
IC(PPU)をRC2C05に交換したことでRGB出力は 可能になったものの、RGB出力レベルが極端に低く 直接、RGB−ビデオコンバータに接続しても真っ暗だったので 当時を思い出してトランジスタで増幅回路を作ることに・・・ ←2SC1815と2SA1015を使って増幅回路を製作実験中〜 |
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完成した簡単なRGB増幅回路 |
ユニバーサル基板の隅を使って部品をハンダ付け |
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余分な基板部分はカットして完成した増幅回路部分です。 SYNC部のみRGBと多少違う回路になっています。 |
ICソケットから取出しているRGB信号を基板に配線します。 |
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裏側はこんな感じです。 |
RGB-ビデオコンバータと基板を合体 |
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ファミコン本体に両面テープとホットボンドで基板を固定して、 ケーブル類も邪魔にならないようにナイロンバンドで固定 |
RGB−ビデオコンバータにはRGB出力端子が無かったので BH7236AFの仕様書を入手して直接信号を取出しました。 |
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▼音声のステレオ化+その他配線▼
ファミコンのCPU(RP2A03)の1pinと2pinから音声を取出して ファミコンの音声出力端子部分に ポリウレタン銅線を使って配線しました。 スーパーファミコンと違って完全なステレオとは言えませんが 擬似ステレオでもモノラル音声に比べればマシになったと思います。 ちなみに、元々はモノラル仕様だったので |
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ファミコン出力端子部分にRGBとビデオ・S端子の信号を配線 |
テープでケーブルを隠しました。 |
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▼「C-SYNC」と「VIDEO」信号の切替スイッチ▼
スーパーファミコンの出力ピン規格では「ビデオ」と「SYNC」が共通のピンを使用しているらしく、
残念ながら今回の改造では共存が上手く出来なくて、ビデオを優先させるとRGBが映らない症状になってしまいました。
その為、出力端子部分の横にトグルスイッチで「ビデオ信号」と「SYNC」の切替をすることにしました。
ちなみに、スーパーファミコンでは切替スイッチがなくても同じ端子をビデオとSYNCの両方使用できるので、
今回の改造をした後のファミコンでも改善方法があるかも知れませんが、時間が勿体無いので確実な方法で回避しました。
出力端子横に小型のトグルスイッチを固定して配線しました。 |
トグルスイッチを上にするとRGB出力、下にするとビデオ出力(S端子は無関係で動作) |
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▼電源ランプ(LED)の取付け▼
依頼者には頼まれていないのですが、電源ランプがあると便利だと思って勝手に追加することにしました。
電源のスライドスイッチ横に高輝度LED(赤)を固定 |
点灯するとこんな感じです。(3mmのLEDを使用) |
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▼最終組立て▼
全ての配線が終わったので組立てをします。 |
NEWファミコンは改造スペースが多く助かりました。 |
ここまでの製作で2日間です。
時間の合間を探して作りましたが、 これで組立てて綺麗に映れば嬉しいですね。 |
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電源スイッチをON(スライド)させると・・・ |
赤い樹脂部分がLEDで光る仕組みになっています。 |
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■そして、完成■
外観は普通のファミコンのままで改造が完成しました。 |
切替スイッチはあるものの、 「RGB」「S (Y/C)」「ビデオ(コンポジット)」+擬似ステレオを サポートした出力端子の完成です。 |
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■RGBの実力は??■
プラズマテレビの画面を直接デジカメで撮影した写真です。(ファミコン版 グラディウス2の自機セレクト画面)
RGB |
Y/C |
VIDEO |
ビデオ出力時の画質はもう少し期待していましたが、やっぱりボヤとしますね。S端子とRGBは満足な画質です。
今回の改造部品代は5,000円程度ですが、別途、編集ファミコンやRGBケーブル等を入れると・・・ 数万円ですね。
同期信号(SYNC)切替スイッチを入れたので、自己満足度★★★★☆ です。
後は、依頼者に返却して苦労話しをすれば本当の完成です。
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