截箔、裁文、截金とはなにか? その使用例
(以下は内容、写真ともに、『日本の美術』No.373 截金と彩色 有賀祥隆 至文堂 1997に拠ってい る)
法隆寺の玉虫の厨子 − 截箔
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主弁
先端部分に菱形の截箔の剥落痕が観察できる。
日本最古の金箔文様である。
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截箔(きりはく)文様の装飾
飛鳥時代
須弥座(しゅみざ)の上框(うわがまち)の下にめぐらされた請花(うけばな)の花弁の先端に押された菱形の截箔
日本での截箔の最古例
飛鳥時代、遅くとも七世紀半ば頃までに製作された。
玉虫の羽根は現在入手可能だから、この厨子は新品同様に修復されてしかるべきだ。
請(うけ)花はクスノキを細長く真中を盛り上げた蓮弁の形に
彫り出し、漆地に赤橙青緑で左右対称のパルメット風文。花弁の
先端に稜線を挟んで一つづつ菱形の小箔。
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間弁
間弁の先端部分にわずかに金
箔が剥がれ残っている。